監査役BLOG

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地域密着

当社の以前の理念は『地域に根ざして人の健康と生活を守ります』というものでした。 調剤薬局や高齢者介護の事業はネットビジネスのようなものではなく、地域に密着し、顔の見えるものです。 そのまま理念にしました。

ある朝6時30分ころ、会社に向かって歩いていると一人のおばあさんがニコニコして『おはようございます』と挨拶されました。 朝の散歩の途中のようで、たまたま久しぶりに会った知人に挨拶するようでした。

私はその人のことが思い出せず、挨拶を返してその人を見つめると『薬局でお世話になったものです。』と説明されました。

15年位前、薬局の前の病院が突然院外処方箋を発行し、薬局が混乱した時期があります。 その時私は毎日薬局に立ち、店がスムーズに流れるか見ていました。 私は薬剤師ではないので調剤はしません。 やっていたことと言えば「トイレは?」と聞かれれば案内する、販売している商品をレジに持ってこられればレジを打つくらいでお客様と直接話をしたりすることはほとんどありませんでした。

その時、慢性疾患で定期的に処方箋をもってこられていた人だと思い出しました。 10年以上前に混雑する薬局で立っているだけの中年男を覚えていて、道で会ってにこやかに挨拶され、少し違和感を覚えました。 私は人の顔を覚えるのが苦手、人の顔を覚えなくてはいけないホテルマンやゴルフ場の支配人は自分に不向きの仕事と思っています。 そもそも地域密着の仕事は地域の事を熟知することが必要です。 交番のおまわりさん、宅急便の配送人などまさにこれにあたる仕事です。

自分が作った理念が『地域に根ざして・・・』と言っていてダメだしされた気分です。 私はその人の顔を覚えていませんでしたが当時薬局に来られ、どんな顔をされていたか、当時もニコニコ笑顔で誰かとお話しされ、自動ドアを通って帰ってゆかれたことを映像として思い出しました。

当時の自動ドアは開いた時さっさと通らないとしまってしまう出来の悪いドア、怪我でもされては大変とドアの開閉に注意していた自分を映像として思い出していました。 自分にとって地域密着の仕事で『誰が』では無く『何が』に注意していたか記憶が明らかにしてくれました。

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相談役

7月28日の取締役会で私は代表取締役でなくなりました。 前期末は取締役改選期、取締役に選任されてそのあと新取締役による取締役会で私以外の取締役が代表取締役に選任されたという事です。

当社の株はある法人が100%保有していて、私は代表をしていますので自分を選任し、代表にならなかったという事です。 代表取締役はほとんどの企業で社長の肩書により会社の全権を掌握して全責任を負う立場と理解されています。

そのような側面もありますが、全権をもって権限行使することはだれも反対できないわけですし、全責任を負うという事も考え合わせると大変な重圧です。 10の決定をなして8が誤りで2が的を得ていれば8の誤りはいつまでも脳裏から離れません。

うまくいったことはそこで終わりますが、誤ったことは情報をうまく収集できなかったのか可能性の検証が不十分だったのか、あらゆる観点で原因を考察します。 長いときは数年考え続けます。 もちろん同じ誤りを犯さないためですが、年に100の決断をなして10年立てば1000の決断、800の誤判断があればまるで自分は過ちばかり犯しているように錯覚してしまいます。

誰が行っても誤判断は同じような確率で発生し、同じように経営の足を引っ張りますが、正しい判断の貢献が大きく誤判断を上回る成果をもたらしてくれたおかげで会社は適度の成長を遂げました。 これからは意見を言い判断に関与してもすべての責任を背負わなくてもよいので少しは気が楽になりました。 さっさと身を引いて新しい人生を歩みたいと思いつつ、残務整理=自分の判断ミスの整理にあと二年程度は平取締役で現場に近い役割を担いたいと考えています。

取引先の人の反応はまちまちで『院政を引くのだろう』や『そうですか、これからはのんびり暮らせますね』とかいろいろです。 しかし私はどちらも選択しませんし、出来ません。 院政を引くぐらいなら堂々と代表を続けますし、のんびり暮らすほどの余裕もありません。 45歳から当社にお世話になって18年、ひたすら走ってきたのでやり残したことが山積です。 残務整理もそうですが、旅行や好きな小説を読むこと、友人と楽しく過ごすこと、勉強したいと思っていたこと、のんびりという言葉はふさわしくありません。 一言で言えば貧乏性でじっとしていられないのでしょう。 性格は変わらないのでこのブログもタイトルを変え、引続き書いてゆきます。

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人の評価

会社の経営層で決めなければならない重要事項で一番意見の分かれるのが人の評価です。 経営方針や予算、計画などほぼ意見の一致を見ますが、管理職人事については全くまとまりません。

当社では派閥等はなく、先入観なく人の評価ができるのですが、まったく一致しません。 デリケートな問題だけに反対するにしても欠点をあげつらうことはなく、『本当にそれでよいのか?』程度の批判です。

昔は私が適当に決めていて、問題人事になったこともあり、最近は皆で決めています。 結果『おやっ』と思う人事案が出てきて、人がいないので代替案も出せずにそのまま決まってしまったことがあります。 不安でしたがしばらく様子を見ていると年上の先輩社員をうまくまとめ、その店の雰囲気は一気によくなりました。 不思議でしたが、実は今でも不思議ですが、その人が『やってみよう』と腹を括ったからにほかなりません。 人は誰でもやろうと思えばやれるのだと考え、自分の人の評価が誤っていたことをつい最近まで認めていませんでした。

年齢も性別も経験も関係ない、管理職は自分の役割を認識して真剣にその業務を行えばうまくできるものだと思い知りました。

このようなことがあってから私は自分と意見と違う提案がなされても頭から否定せず、一応自分の意見、そう考えた理由を丁寧に説明したうえで翻意が無ければ提案通りことを薦めます。 現場にいる人の方がその人の事をよく見ているわけですから私より人の評価の情報は多いはずです。

しかし、そのようにして妥協した人事案が上手く行かない時もあり、後付けで『ああだった、こうだった』と悔やみます。

意見が纏まらないならどうでも良いと開き直るつもりもありません。 昇進人事は何を評価するかのメッセージですからうかつに管理職に不向きな人を昇進させると混乱が始まります。 幹部の昇進人事は重要で難しく、その人の持って生まれた才能や経験と意欲で決まります。 高い実績を上げたとか人柄が良いとか知識が豊富とかではなく、いかに管理職に向いているか、その一点で判断すればもう少し意見の一致をみるだろうと思います。

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経営者の仕事

採用面接で最後に『どのような事でもよいから質問してください』と聞きます。 面接の終盤、いろいろ質疑を重ね、採用側は何を応募者に期待しているか片鱗は理解できたはずで、ではこの会社はこうですか?と聞いていただく、しかし質問者としては何に関心や疑問をもったか?を知りたいので質問しています。

当社は中小企業ですが、採用一次面接で代表が質疑することはそんなに多くはないと思います。 応募者にとって努めるかもしれない会社の代表がどのような価値観でいるのか聞きたいでしょうし、人がすべての会社にとって応募者がどのような人であるのかぜひ知っておきたいことから一次面接に出ています。

『大丈夫です』と答える応募者がおられます。 何が大丈夫なのか、揚げ足を取りたくなります。 それまでの質疑でいったい何が判ったというのか、これだけミスマッチによる離職が多い、それは実際にお金を稼ぐ=価値を生むための厳しさと仕事に対する応募者の考えの甘さのギャップからきている事だと私は決めつけています。

だから納得のいくように質問をしてくれと言っています。 現実の厳しさに対処する方策として企業によっては理不尽な責めを働く人に課している場合が多いようです。 受注するまで返ってくるな!とかです。 そんなことで受注件数が増えるとは思いませんが、利益を上げるには何らかの手段を講じるのが必要です。 どこの会社も努力しているわけですから。

だから経営者はどのように考えているのかが大事に思えるのですが。 関心を持ってもらいたい、どうせ聞いても適当なことを言うだろうと思うなら即刻席を立って帰ればよい、そもそも信頼に足らない経営者のもとで働く意味がどこにあるのか、経営者の考え方、行動の断片をこんな会社で働けないと思うなら経営者はいったい何を仕事としているのかもう少し考えればよいと思います。

話は変わりますが先日税務調査が行われ、私の住居の家賃を会社が負担していることに当局から疑義が生じました。 要は住居兼事務所であるから会社が家賃を負担するというものですが、税務当局は事務所の機能を持っている要件として事務所である表示がなされ、人が自由に出入りできること、と言ってきました。 その確認に訪問したいとまで言ってきました。

私の抗弁は『事務所は執務するところ』で経営者の仕事には人と面談することも多いですが、私の場合机でパソコンと電話があり、考える環境=静かで快適な部屋であればよく、なおかつ出向かなければならない場所=そこでは外部の人と面談したり、職員と会議をしたりしますが、に近ければよいのです。

税務当局は事務所という定義を客観判断するために例示している文言を切り貼りして事務所でないといってきました。 それなら介護事業者が欧州車を業務で乗り回す必要があるのか、銀行の支店長室に豪華な内装を施してあるのは合理的なのか、世の中には不思議が満ち溢れています。

そもそも経営者の仕事はいったい何なのか、そんなことについて人と面談すること、会議に出席すること、と規定してしまえば会議に出席すらしない経営者も沢山見聞きしてきました。 仕事=何らかの作業と決めつけるのはいかがなものか、税務署が経営者の仕事内容を規定してそれに従って仕事をしていたら経営判断を誤り倒産してしまったという笑えない話が生まれるでしょう。

税務署は徴税業務に特化すればよく、経営マターや経営者マターに口出しすべきではないと思います。 さらに言えば当社に応募しようとするものや現職員は経営思想をしつこく確認すべきで、それにこたえられない経営者の会社こそ私は問題と思います。

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自らの意見からスタートする

ドラッカー氏の言葉に『成果を上げるものは事実からスタートできないことを知っている。 誰もが自分の意見からスタートする。』のがあります。

ドラッカー氏の名言集を読んでいた時に目に触れたのですが、意図する事が判らずに今日までもやもやしています。 このことを書いた原書を読めばわかるのですが、読まずに今日まで来てしまいました。 名言集でいくつか意味が理解できない言葉があり、調べたことはありません。 日々の経験の中で自分で気づくのが私の理解方です。 その場合、氏の意図と異なる解釈をしているかもしれません。

腑に落ちた言葉はもともと自ら気付いていたもので、氏がそれをうまく言葉に表したものと思っています。

最近読んだ本に『仮説思考』というのがあります。 著者は内田和成氏、もともと米国でビジネスコンサルタントをされていた人で、企業からの依頼に対して詳細に情報を集め、分析してコンサルタントをしていたそうです。 結局時間がかかる割にはあまりうまい考えが出てこず、挙句の果てに上司からは『枝葉を見るのはうまいが、幹を見ていない』と言われたそうです。

細かく情報を集めて分析するのは事実の把握で、事実からスタートする意味にとれます。 内田氏は先輩に聞いて回り、こうすればよいのではというストーリーを最初に組み立て、それを証明する事実を集めて分析する手法に変えたそうです。 この部分は誰もが自分の意見からスタートするに通じるように思います。

コンサルタントは最小の費用で最大のアドバイスをしないと評価されません。 スピードを速める方法として紹介しています。 コンサルタントはクライアントから経営課題、例えば同業他社に商品性能では負けていないのに市場シェアは負けている、理由は何かと問われる仕事です。

経営者はそのような経営課題をもった時に解決できなければ自らを否定されます。 つまりは命がけ、コンサルタントに依頼するのは万策尽きた時で、普通は自分で考え、手を打つでしょう。 自分の命がけの仕事を人にゆだねるのは釈然としません。

ドラッカー氏がこの言葉を課題解決の効率化としていたわけではないと思います。 コンサルタントは先の事例では価格を下げずにシェアを何パーセント上げる方法は何か?と聞くでしょう。

有名な経営者を観察していたドラッカー氏はそのような場合に経営者がこうしたいという明確な意思を示し、えてしてそれが現実離れしていたが突き進むことで経営課題を解決してきたのを何度も目の当たりにしたと思います。

学者は事実を分析し、コンサルタントは方法を検討する、経営者は意志を示すものと決めつければ矛盾があるでしょうか?

ドラッカー氏は自ら私は学者ではなく家の窓から下界を眺める傍観者であるといっていました。

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戦略

人でも会社でもこうなりたい、こうあるべきという目標を掲げます。 その目標を達成するため、どのように達成するのかが戦略、その戦略達成の具体策が戦術であると思います。

目標は理想、戦略は理想に向かう方向、戦術はその方向を目指す道のりと言い換えることができます。

戦略について読んでいる書籍に『良い戦略に備わっている卓越した価値の第一は新たな強みを生み出すこと』とあります。

さらに良い戦略の第二の価値は『新たな強みを知り、弱点に気付くところから生まれる』と続きます。

当社は中小企業であるがゆえに目標として仕入れ交渉で不利とならない規模を達成することをあげています。 つまり会社を大きくすることを目標にしました。 単純な目標です。 そのために規模拡大を中心に据えた5ヶ年計画を立てました。 単純に売り上げ規模を5年で約3倍にするというもの、従業員は2倍、経常利益は3倍の目標としました。

この目標設定に沿って各事業部は戦略を立案しますが、そもそも小売業ですから売り上げを増やすには営業員を増加させることが基本戦略になります。 戦略に沿い、私が片手間に行っていた採用業務に選任を手当てしました。 採用を加速し、売上を増加させる、シンプルなことですが思った通り採用が進みません。 言い訳をすれば自民党政権に戻って景気が回復し、求人難になったことです。

しかし労働マーケットを観察すれば人材紹介の企業が業容を拡大しています。 一方でハローワークからの応募は激減しました。 つまり就職難でとりあえず就職した人が景気が良くなって雇用機会が増えたことから転職を考え、紹介会社に頼る構図です。

近畿の有効求人倍率が改善するに従い、紹介会社からの紹介が増えてゆきます。 そして今までハローワークから採用した人と紹介会社から採用した人の人質が異なります。

今までは必要に応じてハローワークに求人を出していて、有料紹介会社はコストが高いのであまり利用しなかったのですが、積極採用のためにほとんどの採用が有料紹介に依存するようになり、新たに採用した人が即戦力があったり、高い実績を上げることがわかりました。 同業で有料職業紹介を利用するところは少なく、当社の営業員の人質に他社との違いがあることがわかりました。

今までハローワークで採用した人はその後の離職も多い一方で有料紹介で採用した人の離職率は今のところ低いです。 その結果業績も上向いたことから、当社の新たな強みが人質にある事が実感されました。

当社の営業は制度ビジネスの中で同じ商材を近似する価格で販売するものですから、納品のスピードや商品選定能力など業務品質で差別化を図るものでしたが、この差は結局のところ社内インフラより営業員の資質による事を意識できたこと、つまりは強みをより明確に出来たことといえます。

採用面接で当社の営業として必要とする人材を面接側でより明確にし、それに即した質問がなされ、厳しく選別するようになりました。

さらに適正な人材の急増に対して教育訓練方法が今までのやり方では上手く行かないようになってきました。 今までの方法が悪いというわけではありませんが、採用コストが増加したので早く育てたい、今までは7割方育てばあとは実戦経験を積み、数年で一人前になるというものでしたが、今は研修期間でほぼ一人前に育ててゆく工夫をしています。 出来の良い人はすぐに一人前になって先輩の実績を追い越してゆき、その実績が全体の実績を引き上げます。 つまり多くの営業の伸び代が大きく、管理職が個々人の営業の限界と思っていたことが実は限界ではなかったことです。

人の成長は本人が向上心をもって努力して初めてなされますし、入社時は一般に一番向上心が高いと思われます。 この時期に高い目標設定に合わせた教育研修を実施すれば初期研修時の成果は大きく、その後の実戦でさらに成長に期待が持てます。

以上は何も解りにくいことに気付いたことではなく、すでに分かっていたことを再認識し、対応したことにあります。 目標設定や戦略立案により現場にストレスをかけると課題を突破するためいろいろ考え、今回のように基本やすでに分かっていることに戻って解決策を編み出そうとすることで予断は消えてゆきます。

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[経営]

乞食の商売

以前専門商社に勤めていたとき『乞食の商売』という言葉を聞きました。 商社は卸売業、私がサラリーマンをしていた15年ほど前は化学品製造会社が商社から原料を調達し、製品を商社経由で販売していました。

化学メーカーは大資本で債権回収で問題のあることは少なく、一回の取引額が大きいのでマージンは低くなっています。 ネットで1%というような取引も多かったように思います。

メーカーもいろいろなところから仕入れるより特定の卸を窓口にした方が便利なところもあり、それなりに手堅い商売をしていました。 化学製品の原料で汎用品と呼ばれるものは製造会社も多く、どこの卸を使ってもある会社の原料を調達できますし、卸を使わずとも調達できます。

マージンが低いのでユーザーも『まあ、いいか』と使ってくれていましたが、卸間で競争になり薄利の商売になるケースがあります。 それでも卸は売上が業績の主要基準ですから営業は『何とかお願いしますよ!』と販売先に泣き付きます。

取引は成立し、年間何億という取引で利益は1%以下だったりします。 会社にとって意味のある取引かどうかあいまいですが、会社全体の売上高をかさ上げし、平均粗利率を下げることになります。

介護の業界や調剤の業界では価格が決まっていたり、行政への届出であったり、価格競争は熾烈ではありません。 長らく忘れていたこの言葉、最近の市会議員選挙で『〇〇をよろしくお願いします』と連呼、政策と言えば対立する政党の政策に断固反対します、と連呼、反対だけの主張、お願いしますだけの訴え、15年前を鮮烈に思い出してしまいました。

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[社会]

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経費削減

二年前、販売管理費の増加対策として目に見える経費節減を社内で提案した。 人件費の直接削減以外の方法ということで限定しての提案で、年間100万円程度というものだった。

経費について見直すという意図で、具体的な金額である100万円に大した意味はなかった。

結局その意見は立ち消えとなったが、この2年間でいくつかの節減策が出てきた。 一つは自動車保険料である。 運航する車両が30台弱で年間保険料300万円が更改とともに倍ほどになった。 車に乗る営業新人の増加から小さな事故が増えたためである。 もちろん事故防止の為の社内教育が不足していたのも事実で、事故を起こしたものに始末書の提出を求めたが反省の内容が良くなかった。

事故を起こして会社に迷惑をかけたとか、これから注意するとか当たり前としてなぜ事故を起こし、今後どのように対処してゆくかが反省されておらず、再提出を求めている。

会社の反応も悪く、『保険料率が上がる』といったもので、これももっともな話であるがまずはあってはならない事故を無くしてゆくという観点が前面に出てほしかった。

年間保険料が300万円も増加することがコスト上昇という側面からつらい話であることも事実である。 事故を減らす対策として少額の事故は保険適応せずに店舗経費で賄えというものであった。 これは店長にすれば答える話であったようで一定の効果があった。

保険代理店に聞くと事故を起こした本人の負担にしてはというもので、業務中の事故を本人負担とすることはそもそも雇用とは何か、という原点の話になってしまう。

リース会社に聞くと事故を起こした運転者の車にドライブレコーダーを付けて分析し、安全運転を心掛けさせるというものであった。 これも映像を見てなるほどと思ってしまう内容だった。 私自身、かなり乱暴運転で、長年無事故であるがゆえに自信過剰気味であったが、事故を頻発させる人の運転は私指針が危険を感じるものであった。 そして抑止力として効果があるものであった。

損害保険会社がこのようなシステムを持つことは理にかない、会社の社会責任を高度に果たす意味を持つと思う。

東芝が診療報酬明細を分析し、糖尿病予備軍の人を抽出して早期に節制や治療を促す分析を業として行う。医療機関は疾病の治療と予防が使命だか、治療に関してはどことも注力するが予防に関して疑問がある。 糖尿病になって人工透析を行うようになれば年間500万円の治療費がかかるらしい。 健康保険組合は大きな支出となるし、本人も良いことは何もない。 医療機関はどうか、別にそのこと自体に問題はなく、お客である企業からクレームが来るわけでもない。 もし定期健康診断を受託する医療機関が対象受診者1000人当たり10年後の医療費1億円減額を保障したらどうであろう。 糖尿病の人工透析が500万円/年・人であれば20人の糖尿病患者の予防に成功するだけで達成できる。

予防できる疾病は糖尿病だけではない。 そもそも健康診断に莫大な時間と費用をかけていて診療報酬を下げる、ひいては人件費の削減につながらなくては何のために行っているのか?

待てよ、自動車保険と同じ議論になっている。 社員の健康を守るために健康診断をやっているのに経費の話になっている。 ととちってしまうほど経費削減は難しい課題です。

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口に出して言ったこと

人はめんどくさいもの、裏に回れば悪口で、自分でいうのを憚る人は他人の悪口に乗っかって囃し立て、その批判はよく聞けば悪口だったりします。

悪口にも種類があります。 このブログにも『死ね、死ね・・・・』などと書いてくる人がいます。

私は運は良いこと、悪いこと同じだけあり、別に特定の人にどちらかが重なっているわけではないと思っていますし、なぜそうなのか説明することができます。(今回は説明しませんが)

私が日常生活で不愉快なことがあると、例えば歩いていてスマホをいじりながらぶつかってきて謝りもせずにそのまま行く人に昔は怒鳴っていました。

しかし今はその人の良い運勢が自分に鞍替えすると思っています。 したがってそのことで私の良い運は増えてゆきます。 ゛例をしでかした人は良い運が逃げてゆき、相対的に悪い運が残ることになります。

運が良いということは単純に幸せになると理解しています。 まことに幼稚極まりない運命論に思えますが、そう考えて自分の感情をコントロールし、いわゆる得を積むことで自分もかかわりあった他人も幸せになると思います。

ところが得を施しても良い運が積み増しされない人がいます。 会社に会ってみんなが幸せになるべく私は日々徳を積みます。(ちょっと宗教的ですが) 徳と言えばたいそうですが最高の笑顔で先にあいさつするとか、心から相手の健康状態の回復を願うとか、大変だった仕事の労をねぎらうとか、その程度の事です。

言われた方は決して悪い気はしません。 自分は大変影響力のある人間なのかと誤解するほど相手は悪い気をしていません。 もちろん笑顔は最高のもの、相手を気遣うときは心の底から気遣う気持ちを持って行うのは当然です。

悪口を言われている人の愚痴を真剣に聞きました。 その人は気が楽になったのでしょう。 そこで私は欲を出してしまいました。 「悪口を言われるなら相手が悪口を言いたくなくなるような振る舞いをしてはどうか」と言ってしまいました。 正攻法で言えば動じない対応です。 もしくは悪口によってはそれは正しい自分への批判と考え、自分の振る舞いを正すとかです。

ある社員教育のセミナーで『自分が源』というスローガンを盛んに言っていました。 自分を取り巻く環境が正しいわけではなくとも、それを良い方向に自らの行為行動で改善していく、そういった意味で『自分が源』です。

これには無理があります。 そもそも自分の周囲に裏に回って悪口をふれる人は相手の出方に応じて対応する人ですから始末に負えません。

ある社員とこの話をしていたらその人が結局『どのようにしていこう』と言うのを決めて門なそっちに向かわせるしか改善方法はない、と言ったのです。
言われた瞬間霧が晴れた思いで、『向かうべき方向』が明確に言葉になればそれに反する行為、行動は自然と減って行きます。 たとえは『前向きに考え、他人の批判はやめよう』と言うことを強く徹底した場合、悪口は減ります。

まさか! あり得ない・・・とお考えの人もいるかもしれません。 ポイントは徹底すること、本当に徹底できれば悪口は出てきません。 徹底の過程で誰かを批判したりしてはいけません。 それは自らがおきてを破ってはいけないし、常にぶれない対応で徹底して『向かうべき方向』を目指すことにほかなりません。

人は口に出した言葉に制約されますし、それが善悪の判断として正しければ『違う』と言えません。 人は自分が悪の存在と自らも他人からも思い思われたくないものです。

とにかく面倒くさいのが人間なのです。

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企業風土

最近取引をしている人材紹介会社とのやり取りで腹立たしいことがありました。 人材紹介会社から応募者を紹介していただくときには応募者と募集している会社と直接やり取りはではません。

応募者プロフィールを受け取り、紹介会社に連絡すると面接日の確定が行われ、面接を行います。 すべて紹介会社経由で連絡ミスがあり、面接官が何人かスタンバイしていたにもかかわらず応募者が現れません。

紹介会社に連絡すると辞退していたのを連絡し忘れていたとのこと、そのあとの一言が「謝罪に行きましょうか?」でありました。 この会社は大手で集客力も高く、業務のやり取りのミスが以前にもありました。 それでしばらく取引をしなかったのですが、その間数年、相変わらず同じようなミスを行います。 その直後にもミスと思しき事件が起こり、問い合わせると『当方は間違っていない』の回答、言ったもの勝ちです。

この会社のもう一つの問題点は人を商品としてみなしている点が随所にみられること、求人側への対応がぞんざいであるだけでなく求職者に対する扱いも悪く、ミスマッチを平気で行ってきます。

もともと創業者が違法行為で処罰された会社、何十年たっても腐った風土が変わらず残ってきたのかと思います。 なぜこのような企業が業容拡大しているか、もちろん事業戦略がすぐれているなどもあるでしょうが、人材紹介会社ではガリバー企業がマーケットを独占する構図があるのかもしれません。

人材紹介業は求人側の期待値と求職者の期待値のマッチングですから製品販売のように仕様書作成で厳格に品質を求めるような取引ではありません。 紹介会社は求職登録者が多ければどんどん紹介できて結果的に確率が高まる構図です。

よその会社、特に中小企業でこの紹介会社の評判を聞くと大変悪く、大手企業では良いようです。 どうも人材紹介業のビジネスモデルは基本的に大企業に有利にできているような気がしました。

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