監査役BLOG

カテゴリ

[未分類]

利益の元

 当社は介護保険制度の事業を行っています。 このような事業を制度ビジネスと呼んでいますが、当社と同じ小売りポジションはほぼ同じモデルになります。 厚生労働省が考える制度はやたらに紙の資料が要求されます。 何のためにそのように紙を要求するのか、表向きは不正の排除でしょうが、監査にあたる行政指導を見ていると仕事のやり方にとやかくケチをつけるためのものとしか思えません。

それはともかく当社のビジネスモデルで利益の根源は介護機器のレンタル、介護保険制度が始まった当初からそのように評価されていました。 介護機器のレンタルに関わるビジネスで卸は莫大な介護機器を購入し、工場で消毒し、配送します。 この卸ポジションが一番利益率が高い構造は他業界では考えられません。

当社は調剤薬局も兼営していますが、卸は医薬品業界で一番利益率が低くなっています。 介護機器のレンタルでなぜ卸が高い利益率を維持しているのかといえば担っている機能が配送、ストック、消毒と多岐にわたっているからでしょうか?

投下資本による利益、これは低金利の環境下では利益への寄与は小さいものでしょう。 配送は配送先での組み立てもあり、最近の人手不足からコストが上昇しています。 消毒は簡単な機械の投資で出来る部分です。 この組み合わせで10%前後の売り上げ経常利益率をたたき出しています。

卸も商売ですから小売りポジションのショップに支持されなければ、つまりは売り上げが上がらなければ利益は計上できません。

多くの卸は価格競争を避けています。 5%値引きすれば卸の利益率は半減します。 売り上げが倍になれば利益額は確保されますが、それに伴う投資を考えると他業界の卸における値引きのようなメリットがないと言えるでしょう。

小売りから卸への期待は仕入値引きもありますが、配送・消毒品質などエンドユーザーでトラブルを起こさない品質を求めることになります。 これは小売りポジションの営業職のリクエストです。

当社は厚労省の紙要求に対し分業して対処していますが、徒労感の大きい作業です。 営業がレンタルをするにあたり商品選定が行われ、選定すれば納品時間を確定します。 それを卸に連絡するのですが、発注データはそのままレセプトデータにも流用できますし、発注履歴データ、納品データ、請求データにも転用できます。 その都度でなくとも再入力されてご入力が発生したりします。 最近の卸業界ではありえないシステムです。 何度か改善要求を出したのですが、そもそも卸ポジションの業務改善につながる部分が少ないのか反応は芳しくありません。

個人的には優れた発注管理システムを開発した卸の一社購買で事足りると思っています。 ネットビジネスのように一社が独占する構図にはなりにくいですが、最初にチャレンジした卸は相当なアドバンテージがあると思います。

コメントを残す

上に戻る