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キャリアチェンジ

 大企業に勤める中高年の多くの管理職が早期退職制度で再就職活動をされています。

私の年代では終身雇用が一般的、雇われる側から見ても自分の人生で一つの会社が一般的な世代です。 私が就職したとき賃金は年功序列、会社に大きく貢献した人は緩やかに昇進し、賃金に大きく反映しませんでした。 昇進する人とそうでない人が同期で入社して定年までに受け取る賃金に大きな差がつきませんでした。 昇進した人は取締役になり停年以降も会社に残る事が出来ます。 所得も社員時代より多くなります。

定年が55歳だったころはそれが正常に機能していて、定年が60歳を超えると停年間際の人が取締役に就任したとき、2期4年取締役に就いていれば64歳で退任になります。 取締役就任理由も様々でこのようなケースが起こります。

当時は高年齢で事情により取締役に就任した人が多く、老害として話題なりました。 安倍内閣が発足し、輸出が経済を引っ張りだすまでは景気が悪く、早期退職制度の導入や人的リストラが行われました。

最近の話題であれば数年前の家電メーカーのリストラ、その後は製薬メーカーのMRリストラなどが印象に残っています。

最近ネットで早期退職制度を調べてびっくりしました。 業績が悪化しているわけでもないのに早期退職を募る会社が大企業で軒を並べています。 条件は45歳以上で役職に関わらず対象とし、退職金の上積も依然聞いた話より最近聞いた話の方が少なめです。 今後発生する早期退職制度で上積額はさらに減ってゆく度思います。

企業業績が回復した最近数年間は今まで採用を控えていた大企業が一気に採用を増やし、新卒採用も中途採用も一気に大企業に流れ、中小企業の採用は大変難しいものになりました。 人員が充足して輸出が低迷すると大企業で一気に早期退職制度が導入されました。

殆どの大企業の賃金制度は年功給、45歳はライフステージから見れば生活費が比較的高い時期です。 収入も多い時期で再就職するのは冒険です。 以前のように55歳の早期退職制度であれば収入が減少期に入る年代で生活費も少なくなってきている時期です。 元の収入の半分もあれば節約して生活できるか考えられます。 しかし45歳ではそうは行きません。

雇用する側から見れば45歳は魅力的な年代です。 キャリアチェンジは可能で、付け足しのセカンドライフではなくまさにキャリアチェンジできます。 私も45歳で転職しました。

このような早期退職制度を導入した大企業は何を目指しているのか、彼らの競合先は海外企業でもあり、企業の文化や仕組み、労働コストを変えていかなければ生き残れないようになっています。 変わらざるを得ないので変わろうとしているように思えます。 早期退職制度が多くの業界で行われるようになれば年功給の賃金体系は崩れて行くことになります。

新卒で入社した人が10年間昇給しなかったり、平均賃金の何倍もの年収で期間雇用されたり、そうする理由があっても運・不運の落差は大きくなってくると思います。

働き方改革といわれていますが、一方で生き方改革が必要になってきます。

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