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倫理観

 コーポレートガバナンスの本を読んでいて経営者の倫理観が話題になっていました。 コーポレートガバナンスとは企業が社会貢献をおろそかにしたり、不正を働いたりしないよう管理することを言っています。

たとえば上場企業が粉飾決算を行うなど不正の事例にあたります。 一つの回避策は内部通報制度、不正を行うにも作業を伴い、かかわった人は不正と知りえます。 その人が社内の内部通報窓口担当に通報すると言うものですが、多くはパワハラ、セクハラの類です。 上場会社が品質検査結果の改ざんを行った場合、上層部が改ざんの指示を出し、現場職員がデータ改ざんを行います。 その職員が不正を指示されたと社内の部署に内部通報すれば通報者は厳しい処遇を受けるのが今までの一般でした。

そこでいきなりマスコミなどに通報する場合が出てきます。 大騒ぎになり、会社はバッシングを受け、犯人探しを始めます。 これら不正を行うにあたり秘密裏に行われますので誰が情報を流したか犯人は見つかりやすく、その人は会社に残れなくなるでしょう。

不正の程度にもよりますが、会社の信頼が落ちるのは勿論、株価下落、業績悪化、極端な場合は同業に吸収する末路をたどった会社も有ります。 不正の内容がそれほど大きいことは経営者が認識しているはずで、会社の代表が記者会見で『私は知らなかった』と言うのは疑われて当然のことです。 知らなかった事が事実としても影響から考えれば対策を講じているべきことです。

とはいえ対策ですべて防げるわけではありませんので、日常的に注意喚起もし、対策も講じていたにもかかわらず事件が起こることは有ります。 記者会見で責任の所在と潔い謝罪をする経営者を見るにつけ不運な人だと思ってしまいます。

不正を起こさない会社は長期にわたり不正は行われず誠実に事業営んでいますし、不正が一度発覚すると連続して起こるのは不正が複数個所で行われていて、不正排除の企業文化が浸透していなかったことになります。

前述の本で経営者の姿勢はガバナンスの要とした上で、経営トップの倫理観の重要性、倫理観を持つ後継者の選任を主張しています。 ある有名な経営者の話として『倫理観は鍛えられない』と言うのがありました。

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