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CCRC

表題はcontinuing care retirement comunityで、日本語に直訳すると『継続的なケア付きの高齢者たちの共同体』だそうです。 アメリカでリタイアした人たちが安心、安全で楽しく暮らせる小さな町をつくり、暮らすことだそうです。 広大な土地に戸建ての家が並び、高額の入居費用を払った富裕層の高齢者が暮らしています。 写真では町の中をゴルフカートで走っているのが写っています。

日本でも定年を迎えたりしてリタイアした人たちが趣味の世界や新たな就労場所を求め、さまよっています。 あるネット情報では日本でもCCRCの考えに近いものを作っているそうですが、成功事例はほとんどないとのこと、希少な成功事例として安倍総理も見学に行ったシェア金沢と運営本部の佛子園を訪問し、責任者に話を聞いてきました。

もちろん仕事として出向いたわけですから将来事業化できるか模索するのが出張の目的です。

本部の佛子園は北陸本線の金沢の数駅南の松任駅から歩いて15分の所にあるお寺です。 ここの住職が大昔まだ障碍者施設の無かったころから障碍者が集まるようお寺を解放したのが始まりだそうで、現住職が障碍者や高齢者に関する法整備に伴い施設を開設しました。 CCRCとはいえ高齢者に特化しているわけではなく障碍者、高齢者、健常者、子供も大人も『ごじゃまぜ』の共同体を運営していることが特徴です。

本部の責任者に面談がかない、お邪魔しましたが大きな施設でどこに責任者の方がおられるのかがわかりません。 お寺の本堂横に入り口があり、人がいないので中に入ってゆきました。 長い廊下に面してあるトイレで男性が大声を上げています。 喧嘩でもしているのかと思いつつさらに奥に入ってゆくと大きな蕎麦屋さんがありました。 厨房にいる人に声をかけようとすると職員のほとんどの方がダウン症の人で、責任者の人を訪ねると今日はまだお見えではないとのことで待つことにしました。

面談予定の時間が過ぎてもその方が現れないので事務所に電話するともっと奥にある事務所に来るように指示され、さらに廊下を進みました。

やっと事務所に到着し、責任者の方にお会いできました。 ビデオ映像をもとに施設の全体像を説明し始められたのですが、途中で質問するとビデオを止めて質疑に移りました。

認知症の高齢者の通所施設と重度の身体障碍者と同じところで過ごされていて、認知症の高齢者で夜間徘徊を繰り返す方が首が回らない障碍者にゼリーを食べさせる話に及びました。 毎日ゼリーを食べさせるために毎日施設(ディサービス)に来ることで夜間徘徊がなくなりました。 首の回らない青年はゼリーを食べるために首を回しているうちに首が回るようになりました。

今回の訪問の目的は当社でCCRCに似たものを事業として行えないかを探るためのものでした。 しかし話題はどのような考えで、何をして、どのような成果があったか『ごちゃまぜ』の話で終始してあっという間に1時間半がたってしまいました。

シェア金沢まで代表者に車で送ってもらうことになり、その前にダウン症のひとが運営している蕎麦屋でおろしそばを頂きました。 ブータンから取り寄せたそば粉で打ったそばは絶品でした。

車で40分、シェア金沢に到着し、代表と別れると中にある駄菓子屋に行きました。 自分と同じ年くらいの人が店員で、コーヒーを注文し話をすると同じ年の人で、名古屋で勤めていた会社を体調を崩して定年前に退職し、シェア金沢のサービス付き高齢者住宅に住んでいるとのことでした。 話をしていると小学生くらいの2人の女の子が話しかけてきました。 まるで友達に話すみたいになれなれしく話しかけてきます。

近隣に遊びに行くところが少なく、ここによく遊びに来るとのこと、ここの職員は皆顔なじみとか、私のようによそ者が珍しかったのでしょう。 ここは高齢者や障碍者の施設ではなく人が安心して話が出来る村のようです。 多くの人が他所から遊びに来ています。 温泉もあればフットサルグラウンドもあり、高齢者も住んでいれば金沢大学生の下宿もあります。 それぞれの人が何らかのきずなで結びついていて村を形成しています。

事業としては職員数700人くらいとのことでした。 社会福祉法人で運営されていて利益も出ているそうです。 投資額ははっきり教えてもらえなかったですが100億円未満でしょうか? 施設運営で事業費を稼ぐと考えるのか、高齢者や障碍者に住む場所や仕事や夢や安心を提供するのか、地域経済の活性化を図るのか、視点はいろいろあるでしょうが素晴らしい事業、村です。

できる事ならもう少し大きな規模でやってみたいと思いました。 地方の人口減少市に都市部のリタイアした高齢者が千人単位で移住し、自分たちの力で産業を興し、生活費を稼ぎ、都市を作り上げてゆく、底には自然も残っていて、体を使って働き、健康寿命を延ばし、所得を得て友達が作れる、そして適度に趣味も行える村、そして住人が高齢化していく中で最終的にその村で高齢者向けの施設も自分たちで作っていく事が出来ればどれだけ素晴らしい事かと思いました。 もちろん事業ですから利益が出ることが必要ですが。

 

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