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停年

外国では定年制度を設けていない国があるそうです。 加齢により仕事が出来なくなると退職させられるそうです。 雇っても仕事が出来ない人や業績が悪化して人員削減が必要になれば一定のお金を払って解雇が出来るそうです。

日本では年功序列と終身雇用で定年制度がセットになっています。 厚生労働省は定年をなくす方向です。 正社員の長時間勤務が問題になり、業務効率が改善されなければ仕事が追い付かず、非正規社員の活用となります。

非正規社員は正社員に比べ解雇しやすいところから導入した企業が多いですが、最近では圧倒的な人で不足が拍車をかけ、仕事面ではマニュアル化された作業に向けて低賃金で雇える非正規職員の活躍が見られます。

働く方の視点からフルタイムで働けない事情のある方にとって働きやすい仕事になります。 制度が出来るといいとこどりをする雇用主が現れ、長期のパート雇用で運営したりします。 厚生労働省は5年以上勤続した非正規職員は申し出により定年無き終身雇用を認めることを制度化しました。

原田マハさんという作家が書いたデトロイトの美術館の小説に10歳代前半から車メーカーで溶接工として働き、初老になって解雇される話が出てきます。 アメリカの現大統領の支持基盤であるラストベルトでの話で、父親から相続した小さな家に暮らし、月に千ドル程度の年金暮らしで寂しく暮らす黒人がデトロイト美術館の危機に500㌦寄付すると話です。

この黒人は10代から50歳代まで溶接工として働き、他に出来ることがないようで再就職していません。 舞台となったデトロイトは再生破たんを来した時期、失業者の溢れるデトロイトの町で再就職は難しいのでしょう。 アメリカが年功序列、終身雇用、定年制度の国であったらどうか興味の湧く話題です。

日本の話題に戻り、日本では雇用環境をどのようにしたいのかよく見えません。 たまたま労働力不足、非正規職員の時間給がうなぎのぼりです。 外国人労働者やドイツのように難民を100万人単位で受け入れれば単純労働の非正規雇用は充足し、最低賃金で働かされる人が増えるでしょう。 今のところ特殊技能をもたない外国人への就労ビザを発給つもりもなく、難民の受入れも話題になりません。

結局日本では専業主婦が減少し、高齢者の再雇用マーケットが広がり、障がい者の活用が話題になっています。 かつて高齢者の再就職はハローワークで見る限りビル清掃、工事現場の交通整理、運送業の補助等でした。 当社でも一部の作業要員として15年位前から高齢の方に働いてもらっています。 高学歴の方、大会社で管理職だった方、いろいろな経歴の持ち主の方が働かれ、キャリアとミスマッチを実感していました。 ある人に管理職の仕事をやる気があるか打診したところ即答でやるとのことで今やっていただいています。 その時給料の話になり、『お金よりやりがい』と潔い肚くくり、所得面で苦しい人でしたがびっくりしました。

仕事をするうえで経験は重要、若い感覚は無いにしても若い感覚より過去の経験が生きることも多いですし、高齢の人も若い人と仕事をしていれば新たな感覚で生きていくことがてきます。 人はそれなりに柔軟で、生きがい・やりがいの方が大きな力を発揮します。

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