監査役BLOG

カテゴリ

プライベート

[プライベート]

強みと弱み

 

自分の幼児期体験を冗談交じりにうちの職員に話したらびっくりしていました。 何をびっくりしたのかはよく解らなかったのですが私に対するイメージとずいぶん違ったのでしょう。

私は薬局で雑貨を扱う商売人の子として生まれました。 父親は薬剤師、店には調剤室があり、調剤用の薬品が並んでいます。 店にはスポーツ用品も置いてあり、冬はスキーの板なども置いています。 ゴルフのハーフセットや空気銃、卓球のラバーなども扱っています。

父親の薬剤師というのはそれなりに知的職業ですが、父親の母、私の祖母ははっきりものをいう人で『お前のお父ちゃんは頭が悪かったからお前も勉強はダメでもええんや』などと言っており、私の母親も勉強などから遠いところで暮らしてきた人ですから私自身も『自分は血筋として頭が悪い、勉強しても無駄』と信じていました。 さらに体が弱くスポーツもさっぱり、ダメ少年だったと思います。

それが向う気の強い経営者として20年近く働いていたわけですから違和感があったのでしょう。 実際頭が良いのか悪いのかは別として働いて暮らしてゆかねばなりません。 サラリーマンを途中で投げ出して零細企業の経営に携わる中で自分の強みは何かと考えました。 それは調べること、いろいろな仕事をする中で調査は得意な事でした。

調べた結果を評価すること、この事実の本質は何か?、見極めた本質をもとにどのように組み立てて事業に応用するのかが自分としては得意な事でした。 例えばテニスはよく走るスポーツと思われていますが、実態は速足で歩くことが多く、走っている方が少ない事に気づき、速足の徒歩を訓練してテニスが上手くなったことがあります。

あるフランチャイズに加盟していて、本部の人間の殆どと面談し、ビジネスモデルを精査するとこのフランチャイズから離脱するべきと判断しました。 当社以外にも脱退は相次いでいましたが脱退後事業拡大に成功した事例はあまり聞こえてきませんでした。 当社は脱退したことで事業拡大を一気に進める事が出来ました。 この判断は自分の経歴の中で一番の成功事例ですが、よそのフランチャイジーのオーナーが自分と同じ本部の評価をしている人がいなかったので自分の経営感覚がおかしいのではと迷った時期もありました。

タイトルの強みと弱みは自分はバカと言われ続けたことで馬鹿が経営するなら必死に強みを生かして、つまり思い込みでなく丹念に調査し、考える事でした。 多くの経営者は豊富な知識から答えを導き出します。 私はもちろん知識も経験も少なかったので自分で調査し、自分の頭で考えます。 他のフランチャイズオーナーの離脱の懸念は全く影響ありませんでした。

知識の豊富な人、頭の良い人もしくは良いと思っている人は調査をしっかりしないばかりか豊富な知識を当てはめ、自ら考えぬく人は少ないようです。 それでほとんどうまく処理できたとしても本質の理解が間違っていればいずれほころびが出てしまいます。 このことから私の強みは考えぬくことも一つと分かりました。

人は自分の強みや弱みを勘違いしていると思います。 努力を重ねてもだえ苦しみ、あぶりだされるのがその人の強みや弱み、平穏な日々を過ごしてきた応募者に強み・弱みを聞くと平然と答えが返ってきます。 もしそれをその人が信じていたらその後の人生は誤った認識によって混乱するでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る