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ボーダレス3

政治の世界で保守と呼ばれている政権が多いように思います。 日本も例外ではなく、自民党政権は保守、保守の反対は革新かというとよく判りません。 現代の政治は経済政策が中心ですから、現経済体制のボーダーを守るか変えるかが政治の中心的な争点です。(もちろん異論は多くあると思いますが)

いま嵌っているチャンバラ小説は佐伯泰英氏の物で江戸時代の物ですが、水野忠邦が行った天保の改革は幕府の財政再建のために倹約令を乱発したことが描かれています。

小説ですからフィクションですが、作者の佐伯氏の背景解説は現代の政治の動きと似た解釈です。幕府の財政逼迫は現在の国債発行残高がGDPの二倍近い事や鎖国に対して外国の大型船が開港を迫る国際関係は某国の領海侵犯に似ており、新式銃等海外の新技術は日本が出遅れたAIの技術格差、外国人の三つ入獄による多くの犯罪など共通点が多いように思います。

経済、産業、文化が藩幕体制の中で行き詰っていき、倹約令を乱発する水野忠邦は民主党が行った事業仕分けを思い出します。保守的な政権は体制維持のボーダーを繰り出します。 経済からの視点で考えると享保の改革をつぶそうとする動きは2つあり、一つは改革により失わるれであろう既得権益者の組織、一つは一般庶民です。庶民は歌舞伎等の演芸、祭り、贅沢な酒食を禁じられた反発が動機です。これはアメリカなどに典型的なポピュリズムに酷似しています。現代の既得権益者は○○会等の業界団体で政権に多額の寄付を行っている所です。享保の改革では賂を禁じようとしたのですがうまく行きません。政治的に未熟な国で賂の話は尽きませんが、これも現代社会に似ていると思います。

一般的な意味でのボーダレスは国際間の障壁がなくなることを意味しますが、多額の政治資金をばらまくことで既得権益を守れば海外との財・サービスの価格差でやがては守る意味がなくなってきます。現保守政権でも岩盤規制を何とかしなければという施策も出てきていて明治維新につながるような維新が近未来に起こる予感を感じました。

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