[会社運営]
企業再生6 信じるからこそ見える
出向してから65日、月次の試算表(2ヶ月前の業績)がやっと出て来ました。 惨憺たる成績です。 おおよそわかっていたことですが改めて正しい数値を見せ付けられると思い知らされます。 ちょうど出向が始まったときの数値です。
何か手立てを講じてどのように改善したか経営を担当していると早く知りたいものですが、ひと月がおわり伝票がそろって入力され仕訳が行われて計算書にまとまるまでに2ヶ月、出向後の65日でまだ何も対策を打てていません。 やったことは情報収集と分析、対策立案、立案したプランの実施手順(いくら良い方法を考え付いても順序を間違えると結果は伴いません)くらいです。 次の1ヶ月で実行、その結果が出るのはさらに3ヵ月後、その結果が数値に反映するのはさらに2ヵ月後、約半年後です。
2ヶ月掛けて考え、6ヶ月掛けて結果を待つのは相当気が長くなければ耐えられません。 そもそも企業再生は約3ヶ月の短距離走、息をつめてダッシュして6ヶ月待つのは苦しいもので、上手く行くと信じていなければ気持ちが続きません。
商況がこうだからこのような手段が効果的で、この手順で改善すればこの程度の業績になるというのは予測、それをどれだけ信じられるか、少なくとも自分が信じられなければ底の職員に信じて貰うことはできず、信じてもらえなければ改善した会社のビジョンは見えてきません。
自分が実際の業務をやるわけではないので業績の実感はわきません。 真っ暗闇の手探り状態のダッシュです。
なぜダッシュするのか、毎日赤字が数万円と計算されるだけで経営担当としては恐怖にさいなまれ、これが続けばどうなるかとめいってしまいます。 そもそも最悪の状態からはできるだけ早く抜ける事が好ましいです。
もし少しだけの黒字しか生んでいない経営の改善はまだ赤字の垂れ流しがないだけ余裕があります。 それでも機会損失を考えると改善は速いに越したことはありません。 急げは失敗しがちに思えますが、切羽詰って出来る決断もあります。
アマゾンの幹部が書いた本を読んでいたらアマゾンの改善方法をF1レースにたとえて時速200km以上でマシンを走らせながらマシンをチューンナップしているようなものだと表現されていました。 それに比べると時速20キロメートルで走りながら改善策を考えているようなもので私の不安はさておきアマゾンから見ればいかにも鈍いものです。
そこはEコマースと介護業界の違いでしょうか? 介護業界がEコマースに飲み込まれるようになれば、ロボットやAIの活用が始まれば私の経営改善は3日程度で肩をつけないといけないでしょう。 しかし、そこで働く人たちがビジョンを共有できるか疑問は残ります。