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意思決定

[意思決定]

経営の仕事

 ドラッカーが『会社の中でプロフィットセンターはない、すべてコストセンターである』と言っています。 プロフィットセンターは一般に収益事業を担う部署を指します。 事務部はコストセンターと呼ばれています。

私の前職はコストセンターで、プロフィットセンターの職員=営業職から『誰のおかげで給料をもらっていると思っているのか』といわれた事があります。 所属長にこの話をすると『おかげさまで沢山給料を頂いている』と皮肉を言っていました。

一般市民にとって公務員は国民の下僕と表現されて来ましたが、これも同様の発想でしょう。 あえてドラッカーがこの言葉の綾に言及したのはそれなりに理由があったと思います。 現在でも色々な組織でこのような考えがはびこっていて、それが経営判断をゆがめている場合があります。

経営者はどうか? トップセールスも行えば制度や意思決定の仕事をこなしています。 一般には報酬も高く、組織人から敬意を払われています。

敬意を払われるのは大きな権限を持っているからでそうでなければ、肩書きが意味を持たないところで常に敬意を払われるかといえば払われない人は多いと思います。

しかし、行っている仕事の成果を見れば敬意を払われてしかるべき経営者も多くいます。 一般の人は事業で成功しTVに登場して巨万の富を稼いだ経営者を評価しているようです。 10億円稼いだ人は10億円の評価、一般の人には10億円という金額は手にする事がないので評価は10億円に対する羨望でしょうか。

経営者の仕事、役割に就いて理解している人は少なく、朝一番に出勤し、事務所の掃除をする人を評価されていたのをTVで見ました。 その経営者はそうすることで職員に仕事の姿勢を見せているのでしょう。 そうすることで好業績を達成しているのですからTVにも登場し、羨望ではなく尊敬されるでしょう。

私は零細企業の経営層の端くれですが、私の場合経営の仕事は意思決定を行うことと理解しています。 事業をなしてお金を稼ぐことは決定の集積です。 現場に近い決定事項は現場の人が行います。 現場が遠いことの決定は大きな課題であればあるほど経営者の役割になってきます。 それは決定する事が困難な話題が多く、結果がよかったかどうかすぐにわからないものが沢山あります。 朝出勤して昨日結論の出なかったことを考えます。 夕方までそのことを考えていられるほど余裕があれば楽な仕事に見えるかもしれませんが、その決定の良し悪しが10年後に成果を生むのであれば慎重になります。 私の場合10年後には会社にいませんでしょうし、悪い結果をもたらせば『昔こんな経営者がいて決めた事がこんな結果になった』といわれそうです。

前職では悪い結果について過去はほじくり返されました。 そういう意味で大きな決定事項は将来を築くことで、私の場合5年以上考え続けて決定した事があります。 最初の数ヶ月で答えは出ていたのですが決定するのに様子を見たわけです。 今も同じような仕事の仕方をしていて頭の中には何百という命題の解を求めています。

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