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制度ビジネス

 医療保険や介護保険制度により報酬が支払われる仕事を制度ビジネスと呼んでいます。 制度外のビジネスにおいては戦略、サービス価格、戦術、マーケットリサーチ、与信管理などさまざまな検討や調査、企画立案が必要になってきます。

しかし制度ビジネスではサービスの対価や商品価格が殆ど決められていて、何をするにも細かな取り決めがなされています。 たとえば薬局ではお茶のサービスはよくてもコーヒーはダメとかなどです。 したがって戦略や戦術の立案など限定された範囲でのものになります。 支払も滞ることはなく与信管理は必要ありません。 管理で言えば細かな制度に合致しているかの管理は重要になってきます。

物やサービスの価格が決まっていれば価格競争は起こりません。 サービスでは一定の品質が担保されなければなりませんが、高いサービス品質であっても報酬は同じになります。 一定の品質を下回れば事業所の人気はなくなり、事業として流行らなくなります。 たとえば介護ヘルパーの人がサービスのたびに靴下とエプロンを取り替えたとしても報酬は増えませんが、いつもよれよれの汚れたポロシャツでサービスに入ればサービスの質はよくても評判を落とすことになります。

つまりは減点法の評価で、差別化をして競争優位を獲得しようとしても制度の壁に当たる場合が多いです。 それでも色々なスタイルがあって、介護保険ビジネスでは利用者の囲い込みは良くあるスタイルです。 介護保険では多くの介護サービスが用意されていて、一般に利用者は複数サービスを利用しますが同じ会社で多くのサービスをまかなう為に他社のサービスを紹介しないやり方です。 サービスの選択は利用者の権利となっていますが、強制されないのであれば違法とはいえません。

囲い込みの反対は囲い込まないやり方で、近隣の優良な事業所を紹介するものです。 優良な事業所は通常集客がよく、紹介すればこちらの事業を紹介されることにも繋がります。 オープンなので常に競争にさらされるので工夫を続けているので良い事業所であり続けます。

制度ビジネスを検討するときに他業界から来た人はこの感覚が掴み難いようです。

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