監査役BLOG

カテゴリ

コミュニケーション

[コミュニケーション]

褒めること・聞くこと

 人が努力を重ね、仕事でスキルアップするのに褒められ事が重要であると最近読んだ本に書かれていました。 前後に脈絡があり、褒めることだけを取り出しても片手落ちなのかもしれませんが、褒められる事が何かのきっかけになることは確かです。

私も褒められたというよりあえて評価されたことが以後の行動に影響を与えている事があります。 『あえて評価』と書いたのは評価した当人と私との関係で私のことを評価するような人ではないからです。

たとえば税理士と話していて私を『変人』といったことです。 税理士と話をする内容はたいてい税金の話、問うのは経営者、応えるのは税理士、質問は節税に関することです。 私の場合、徹底して節税の検討を行います。 税法の知識がないので節税の常識もなく考えます。

この私の態度にある税理士は『納税の喜びを思え』と言いました。 その税理士の言った事を好意的に取れば『節税を考えるより儲けることを考えろ』という考え方を示したのでしょう。 事業を営んでいて経営者が意識することは利益の確保です。 きちっと納税する上で節税した分はそのまま税引き後の利益に積み増しされる場合があります。 売上営業利益率3%だったら1万円の売上で300円の営業利益、法人税率30%であれば税引き後の利益貢献は90円になります。

このケースで節税1万円ができた場合、最終残る利益は1万円増加します。 90円と1万円の差を考えれば普通の経営者は1万円の節税に意欲を燃やし、『納税の喜びを思え』という税理士に関心を示さないでしょう。 結局この税理士と当社の関係はこの発言直後に切れました。

このことで私が学んだのは税理士は経営判断に向いていないということでした。 税理士は税務の世界に生きていて、先生とよばれ、税金を計算する仕事です。 経営者は何の資格もなく、裏で『あほ』と悪口をたたかれながら利益を追求する立場で立場が違うのです。 歴代の税理士が私に面と向かって『あほ』とは言いませんでしたが、『変人』も『納税の喜びを思え』も内容は『あほ』と評価されているに等しいと思っています。

枕話が長くなりましたが、私は自分が褒められた経験が少ないからか社員を褒めることはまれで、しかることもまれです。 私のコミュニケーションの中心は質問です。

たとえば営業が良い結果を出せて褒められてしかるべき時でもなぜその結果が出せたのか質問します。 良い結果を出せた職員自身がなぜだか答えられない場合があり、もしここで褒めてしまえば本人はひょっとして嬉しいかもしれませんが何を褒められたか判らないままに喜ぶというおろかな結果になります。

何かをしたから結果は出るので、良い結果に繋がった好意・行動があったはずです。 私がそれを聞くのは褒めるべきことを明らかにする為で、本人が結果の原因に気付いたときには別に私に褒められなくとも『そういうことか』と思い自分を理解した喜びがこみ上げてきます。

ミスをしたときにしかられる、起こられることも同じでなにがミスの原因かわかれば罵声を浴びせられなくとも本人は反省するものです。 本人がミスの原因に気付いていなければ何も改善しません。 又同じミスを犯すことになるでしょう。 この場合も徹底して質問します。 私が原因にいたっていない場合が殆どで、たとえ原因はこうだと確信していたとしても質問を繰り返します。

最初の話題に戻って褒めることの重要性が書かれていたのは『行動科学』の本です。 ここで褒めることを薦めているのは前提として相手を良く観察し、的外れでない褒め方をすることも書かれています。 それでも私は褒めるより的を得た質問することの重要さをゆすることはなく、変人たるゆえんです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る