監査役BLOG

カテゴリ

会社運営

[会社運営]

感性

 何度も書いてきましたが、経営者の役割は意思決定と責任を取ることだと思います。 著名な経営者の仕事をまとめたものを読んでいるとどのように判断=意思決定したかが書かれています。 意思決定は経営者の表の面、責任の取り方は裏の面として責任の取り方についてまとめられたものは少ないように思います。

責任の取り方として取締役退任がありますが、結果的に取締役を退任したとしても責任を果たした代表取締役はたくさんおられ、経営破たんに際してその後何年も無償で社員の再就職に注力した経営者の話もあります。

その経営者は会社の破たん寸前に異例の昇進で代表に就任し、その直後に経営破たんしたわけですからその人を代表に推薦した前代表こそ卑怯者のそしりは免れないでしょう。 しかし前代表を非難する記事はお目にかかっていません。

テーマは責任の取り方ではなく意思決定です。 多くの企業で経営判断を求められる時、相当事前に判断に関わる明確な事実が明らかであればよほどのことがない限り事前の策はとれます。

ここで例示しているのはたまたま問題案件ですが、例えばある事業部門の業績悪化がマーケットのシュリンクなのか戦略のミスなのか微妙な場合など判断に適合する事実はなかなか出てきません。 求めれば多くの情報は提供されるでしょうがそれらの情報が事実で課題への影響の程度もあります。(業績にいかにも影響しそうな事実情報が提示され、事実が証明されたとしても業績への影響度は5%であれば無視できるかもしれません)

後にならなければ判りませんが、業績低迷の主因に関わる情報をいつの時点でどのように報告したか、もしくは報告していなかったか責任者の評価点であることは確かで、業績低迷を前にして業績に関わりのない話題を数多く出していれば無能と判断せざるを得ないでしょう。

このような判断も経営判断の大きなものですが、情報の重要性は事後に確定されます。

経営判断の確立を高めるためには多くの情報から必要な情報を導き出してつなぎ合わせる、経験から言えば必要な情報は数パーセント、それをつないでストーリーが描けるかが経営者の経営判断の優劣が決まります。 それは科学的というより感性の世界、私の場合チャンバラ小説が役立っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る