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相談役の仕事

 私の会社での肩書は相談役というものです。 文字通り会社業務で過去の経緯が必要な時などに『以前どうだったか』などと問い合わせを受ける立場ですが、上場企業での相談役は代表を退任したトップの座る責任なく発言権の大きい老害の象徴みたいな地位です。 私が以前勤めていた会社でも代表取締役社長を何十年も務めた後代表取締役会長、取締役会長、取締役名誉会長、相談役、名誉相談役と歴任した人がいました。 私見ですがその間会社は地味に成長し、その人の会社での価値は感じられませんでした。

私は相談役として組織の管理は外れましたが、会社の中での自分の仕事や役割を考え、実行しています。 何らかの問題点があれば関与します。 組織長に事情を聞き、自分なりの意見を言います。 各組織長は当事者で情報も多く私と違う評価でであることが多いです。 違いを説明してくれたらよいのですが納得できる説明がなされない場合が多いように思います。 オーバーコールすれば組織の統制はゆがみます。

ストレスばかりが溜まる役割です。 黙っていてうまく行くこともありますが、経験が生きることもあります。 現場目線になって私が気付くことも多く経験と自分が解かっていなかった事実や変化した環境に戸惑うばかりです。

友人の一人が落ち込んだ私にメールを送ってきて、これを見てほっこりしろとシルバー川柳なるものを添付してくれました。 例を挙げれば『女子会と言って出かけるディケアー』みたいなものです。

 

いま関わっている会社で認知症対応ディケアーを運営していて、問題があるとのことでたまに覗いています。 小さな場所で営んでいるのでどこかに立ってみていると不審がられるので利用者の一人として皆さんと椅子に座り、話をします。 10年後の自分を疑似体験しているようです。 川柳にあるようにディケアーの利用者は女性が多く、比較的元気の良い人と1時間ほど話をしました。 話の内容は自分の生い立ち、両親の話、住い等その人の人生のすべてを1時間にまとめて語ってくれました。 話の内容は具体的で要点を外さずに組み立てられ、矛盾もありません。

この人も認知症という事ですが、認知症に対する知見が少ない私としてはとても認知症とは思えません。 しかしご本人は80歳代、自分の父親は漁師をやっているという事は年齢からあり得ないことです。 記憶の中から時間を無視して話を紡げば出来ることで、語られた内容はすべて事実と思われます。

認知症老人に溶け込んでいるのが仕事かと思いますが、管理者からディの雰囲気が良くなったとのことでした。 自らは達成感などありませんが、年寄りの働きはこんなものかと思いました。 シルバー川柳を送ってくれた友人は人生の達人かもしれません。

 

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