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臆病は伝染する

 言葉通りの事は誰しも経験していることだと思います。 この言葉の続きに『・・・そして勇気も伝染する。 そして尊敬も伝染する。』というものです。

山登りをしていた時、厳冬期の乗鞍岳の頂上直下、10メートルほどの青氷の氷壁が立ちふさがりました。 氷壁のサイドは百メートル以上の谷で壁面は氷で覆われています。 装備は購入したばかりの氷壁用アイゼンとスキーのストックでアイスパイルやアックスはもってきていません。

二人出来ていてパートナーは関西で有名な岩登りを得意とする山岳会で会長をしていた猛者、さっさと先行し、上から声をかけてきました。 『慎重に登ってこい』、こんなところで命を掛けたくないのですが天の声は『だいじょうぶ』、何が大丈夫やねんと思いながらアイゼンを氷壁に思いっきり蹴りつけると1~2ミリ刺さりました。 硬い氷なので深く刺さりません。 背中はぞわーとします。 手にしたストックをガツンと氷にたたきつけても刺さりません。

この時点で『もうダメ』と思いつつ上を見上げると怖い顔の先輩が見守ってくれています。 滑落の恐怖と自分のプライド、先輩の恐ろしさ、もう一人新人がいれば臆病は伝染しますが一人です。 先輩への恐れ、自分のプライド、考えていても仕方ない、ええいと次の一歩を踏み出し青氷の壁にアイゼンで立ちました。 あとは何も考えず、氷壁に蹴りこんでは一歩ずつ10メートルを登りました。

恐怖心は自ら作り出しているもの、勇気もそうでそのような心の葛藤とかかわりなく出来る事は出来、出来ない事は出来ません。 氷瀑用のアイゼンは氷壁を登るように作られていて、アイスアックスは体重を支えるよりバランスを保つもので理屈の上では問題なく登れるわけです。

登れるかどうか知らないものとしては恐怖心が先に立ちます。 腹を括れれば何でもない事、伝染するような心の迷いは自分一人の時は伝染しようもなく、一歩が踏み出せるかどうかです。

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