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米国特許法改正

米国特許法は先発明主義で長年運営されてきました。 一方他の国は先願主義で運営され、制度間の問題がありました。

発明の権利者は誰かという問題で、先発明主義は先に発明した者に権利が在り、先願主義は先に発明を当局(日本では特許庁)に出願した者の権利になります。

昔、この違いがなかなか理解できませんでしたが、あるとき法務雑誌に掲載された話(学術論文ではなくよもやま話)で、『アメリカでは発明家が何か発明したとき、その内容を文書にして自宅に投函するそうです。 そして自宅に届いた封書を大事に保管しておいて、同じ内容のものが出願されるとその発明の日時が自分のほうか古ければ異議を申し立てる』という記事が掲載されていて、成る程と思いました。

特許出願は日本においても1件数十万円かかります。(私が実務をやっていた20年位前なら30万円くらいでしょうか。ただし出願書類を自分で作成すればで、特許性があるかどうかの調査や出来るだけ権利を広く出願するための出願書類の作成には別途膨大な費用がかかります)。 とにかくどんどん発明して出願するには膨大なコストがかかり、それが実利を生む確率は相当低いと聞いています。

先発明主義ではあとからでも出願を覆せる可能性があるので、先願主義における物量作戦(コストをいとわず出願する)に町の発明家が対抗できる要素があるというのが先発明主義擁護論です。

どちらの制度にも長所・欠点があり、米国の改正は世界標準に合わせようというもので、好ましい方向と思います。 また米国においても知的財産の取り扱いをめぐって新たな問題が起こっているのかもしれません。

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