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薬ネット販売

市販薬をネット販売することについて厚生労働省は副作用リスクの少ない第3類(ビタミン剤、整腸剤)を除き、厚生労働省の裁量行政(法律ではなく運用で)で規制したことが違法であるとの判決を出しました。

裁量行政とは省令等を通じて行うもので、法律の制定に準じ、拘束力を持ちます。 規制が必要なら立法化しろということで、裁量行政で物品の販売を規制するのは行きすぎということです。

厚生労働省は一般薬といえど健康被害は起こるので、一般薬を1~3類に分けて登録販売者の資格者に2~3類の販売を認め、1類は薬剤師の対面販売に限定してきました。 市販薬のネット販売を手がけるネットショップ側は薬局の無いエリアに在住する市販薬使用者は入手困難になるなど規制撤廃を求めて提訴し、敗訴していました。

裁判は既存の法律に照らして合法であるかどうかを審判し、市販薬を対面販売以外のネット販売で健康被害が多く想定されるかどうかの判断根拠は持っていないと考えられます。 つまり市販薬の健康被害のデータは不十分で、誰も判断できないということです。 もちろん市販役の認証においても厚労省は副作用などを考慮して安全性をチェックしているのは言うまでもありませんが、あらゆる体質、あらゆる使用例に対して安全性を高める役割も担っています。

風邪をひいても医療機関で受診し、何でもかんでも医者に頼ることで医療費が上昇しているのを市販約の普及で抑えたい、薬局やドラックストアの権益を守りたいというのもあるかもしれません。

この版権で私はPL方を思い出しました。 製造メーカーは製品の安全について想定外の使用で被害が出た場合、その保障の責務を負うというものですが、代表例として電子レンジで洗った猫を乾かそうとした事件がありました。 企業側の対策として取扱説明書を拡充し、そういった使用例を禁止する文書を製品に添付することでその責務を逃れました。 そのため、以後の取扱説明書は膨大になり、一般使用者が読み切れなかったり、首をかしげる注意事項が記載されていて読む気をなくしたりしています。

薬もそうですが、製造者責任、販売者責任、そして自己責任を明確にしないと訴訟やクレーマーが氾濫することになるでしょう。

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