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デフォルト

デフォルトを直訳すると債務不履行、債務は平たく言えば借金ですから借金を返せなくなる状況を言います。 国債の発行残が2014年末に769兆円、2023年末には1千兆円と予測される中で新しい年度の予算は93兆8823億円、税収予測約50兆円、残りは国債の増発になります。

国の借金は国債以外にも種類があり、国債を含めた総額ではすでに1千兆円を超えています。

私は政治や経済の専門家ではなく、まして将来予測は学者でも難しいでしょうから私に解るはずがありません。 しかしよくあるたとえ話として、ある一家の年間総支出が1千万円、年収は500万円、銀行から500万円弱を借りて暮らしています。 銀行の借金は1億円というのが大雑把なたとえでしょうか。

もちろん年収500万円の人に銀行は1億円も貸しませんが、この人の父親が銀行の頭取なら可能性はなくもありません。 しかし銀行は節約して支出を抑えるように説得するでしょうね。

現政権は中央銀行(日銀)による国債引受で市中に出回る資金残量を増やし、円安にして輸出を増やし、企業利益を上げて税収を増やし、インフレを達成するという政策のようです。

しかし円安になれば輸入品が値上がりし、貿易収支は赤字を計上しています。 赤字による損失は電気代やガス代で生活や工業生産のコストに転嫁されます。 広くあまねく負担されるという点では消費税率を20%くらいに上げた印象でしょうか。

これら一連の政策展開と結果について批評する立場にありませんが、誰かが評価を下し、評価に応じてアクションを起こすことになります。 マーケットにおけるアクションは時代を先取りしたものですから、動かしやすいものから早く動くことになります。

一番動かしやすいのはお金、そしてその予測は投資家、特に株・為替などのマーケットでの投資家が行動します。
昨日の日本経済新聞朝刊の楽天ブック第一位として掲載された書籍はカイル・バス氏の『あと二年で国際暴落、1ドル250円に!!』というものでした。

このような風説(ひょっとして正しいのかもしれませんが)で多くの人の不安心理はあおられるでしょう。 同じ朝刊にBRICsを命名した意義率エコノミストのジム・オニール氏の論説が掲載されていて、日本経済に以下の解説がありました。

「円安が進んだ昨年は楽だった。 今年は簡単ではない。 安倍晋三首相は第一の矢(の金融政策)は忘れることだ。 これ以上の円の下落を、他国は受け入れない。 第三の矢となる女性活用、労働供給力の強化、生産性の向上に真剣に取り組まねばならない。 安倍氏は強い言葉こそ発しているが、実行する証拠はない。」

二人のエコノミストは矛盾していますが、オニール氏は地道な産業立国の努力をしなければ経済再建はあり得ないと言っていると思います。 ヨーロッパではイギリスでサッチャー氏、ドイツの最近の政策はこのような地道な政策で経済再建を果たし、それを目の当たりにしてきたエコノミストだと思います。

一方、投資家のバス氏はこのような地道な努力は日本の風土して無理と評価しているのか、今更遅きに失したと評価しているのか、結果の予測をしていることになります。 つまりは二人の評価に大きな違いはないと思われます。

私と同じ評価をする人は海外に資金を持ち出したり、多額の借金をしてハイパーインフレで目減りを狙ったりするかもしれません。 何と言っても日本で一番借金の多いのは日本そのものですから。

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