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大丈夫

日常会話で新しい言葉が増えてゆきます。 外国語由来の言葉や長い言葉を短くした言葉、日本語のニュアンスをあらわすあたしい表現などいろいろあるかと思います。

外国語由来で調剤薬局の業界用語としてドゥー処方というのがあります。 慢性疾患の患者様の処方で前回通りの処方が出た場合、Do処方と呼んでいます。 わかりやすい言葉で『前回同一処方』などより伝わりやすいでしょう。 長いものを短縮するのでびっくりしたのが『千里中央』を『センチュウ』というのがありました。 40年ほど前に聞いて『線虫』と首をかしげたのが印象に残っています。 新しい表現では『KY』は代表的でしょう。 少し相手を侮蔑した表現のように思います。

日本経済新聞1面コラム『春秋』に『大丈夫』というのがありました。 もともと「金銭の誘惑に負けたり、権威に屈しない、志の高い男子」というのが新明解国語辞典の解説だそうです。 このような意味はすでにすたれ、何とかなるよ、ご心配なくというのが一般的使用例と思っていました。

ところが最近はNo thank you. の意味でつかわれることが多く、「・・・・は必要ですか?」、「大丈夫です」の受け答えに使われ、「いいえ結構です」という意味でよく使われます。

個人的には違和感を感じる表現で、採用面接で「何か質問がありますか?」、「大丈夫です」、「何が大丈夫ですか?」と切り返します。 もちろん私でも「質問はありません」という意味は理解しますが、採用面接はいわばオフィシャルの面談でまだスラッグの表現を使われると違和感を感じます。 それ以外の会話はスラッグを排除して受け答えしているわけですから「徹底しろよ」と思ってもうなづける人はたくさんいると思います。

言葉は生まれて市民権を得て、オフィシャルでも使われるようになるわけですから正確な会話を必要とする場面では使わないようにすべきと思います。

もし「おれはそのような既成概念にとらわれず生きてきたし、これからも生きてゆく、その我儘を通しても貢献できる人材と自己評価している」ならすべての表現に自分の言葉を使うべきで、そのように思っている人の会話を漏れ聞くと私などは外国語の話かと思ってしまいます。

言葉は時間とともに洗練されていくもので、KY等は時間の経過とともに消滅する言葉のように思います。 人を蔑み、暗く陰口を言うようなニュアンスを感じるので決して生産的ではありません。 空気が読めないと言われている人の中には正しい主張をする人もいて、それをKYと無視するなら正しいことを言う機会は減り、みんながにこにこと当たり障りのない会話に終始することになるかもしれません。

我々の年代であれば周りの意見に反して自己を主張する人に敬意を払い、それが的外れであれば『唯我独尊』と表現したりします。

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