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人手不足倒産

本日の朝刊に人手不足による倒産の記事が出ていました。 安倍自民党政権になってから公共事業拡大で建設業が活況を呈し、倉敷市にある建設会社が職員を確保できないため受注できずに倒産したという記事です。 関連記事でもチェーン展開するスーパーが出店計画を延期したものがありました。

今月に入りパート・アルバイトを主体とするチェーン展開する企業の出店計画縮小の記事が出ていました。

もちろんこれらの企業も高賃金を支払えれば人手が確保できるのでしょうが小売業をはじめとして賃金水準は比較的低く、高い賃金は払えません。 一方で日銀の物価目標は2%/年、政府は賃上げを推奨しています。 当社にも建設業からの転職者は最近おられました。

労働マーケットでは2013年に労働力人口が22万人増加したそうです。 景気回復により女性・高齢者の就労が増えたことによるそうです。 さらに2月の失業率は3.6%、これは需給ギャップがほぼゼロということで、労働力人口の伸び代はないようです。 4年前と実数で比較すると求人82万人増に対して求職者61万人減らしいです。 総労働人口は約6561万人、この分母に対して求人・求職者数の変化は大きな比率になります。

この人口問題に対する内閣府のシナリオは出生率1.4→2.07、30~49歳の女性労働力率71%→90%に、現在60歳の労働者が65まで働くことで2060年に18%減少し5407万人となる推計をしています。 このシナリオでの労働力人口の減少は想像を絶するものですが、出生率の改善などにわかに見込めないものもあります。 シナリオ通り改善しなければ労働力人口がいくらになるか記事に示されていませんが、日本が韓国ぐらいの人口規模・経済規模になるのは間違いないでしょう。

もしシナリオに向けて改善を図るなら早期の対策が効果的で、出生率など対策を立てづらい課題もあります。
目先で言えばインフレになり賃金が上昇する中で企業はより効率化を求めることになります。 労働マーケットの問題で言えば最近求人が増えても選別が厳しい話題が多いです。 結果的には賃金格差が広がり、インフレと相まって所得格差は広がり、出生率の上昇は阻害されると考えられます。

格差を是認するのであれば、つまり今までの企業スタイルを進めるのであれば優秀な人材が不足するので教育のやり方を変えてエリートが生まれやすい教育制度が必要になります。 さらに海外から多くの人材を呼び込む必要があるでしょう。 受験能力で言えば国公立大学卒業程度の人材を広く世界に求めることになります。

当然格差は社会的な不満を高めるので低賃金労働者も海外からの移民に頼らざるを得なくなります。 そして二極化の中で一歩道を踏み誤れば低所得者層に転落し、頑張り続ければ要求水準が果てしなく上昇する職務に必死に食らいついてゆかねばなりません。

ほどほどに仕事をし、ある程度の所得をえる中間所得層の減少は現在も進んでいると実感します。 当社が位置する天王寺区はアッパー層が多いのかヨーロッパ車をよく見かけます。 しかし最低賃金付近で働いている人も多く、彼らの年収をすべてつぎ込んでもヨーロッパ車の購入に数年かかります。

昭和初期の話で、大企業の社長とその会社の新入社員の年収の差が100倍以上あった話を聞いたことがあります。 今なら大企業の新入社員年収を300万円とすれば社長は3億円以上ということになりますが、そういう企業は最近数十年では比較的少なかったように思います。 格差が広がれば社員レベルで年収の開きが10肺゛程度は当たり前になるのかもしれません。

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