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岩盤規制

日本経済新聞一面に掲載された『規制 岩盤を崩す』でいくつか官僚による規制の例示がいくつかありました。

2010年1月、食品業界で「カプセル事件」と呼ばれる事件が起こりました。 血糖値の吸収を穏やかにする効果で特定健康食品の許可申請をしたメーカーが、携帯に便利なカプセル型が認められなかったそうです。

カプセルだと医薬品と誤認されるというのが却下の理由、官僚が民間のやることに因縁をつけて法律ではなく運用で民間活動を規制した典型的な例示だそうです。

消費者が医薬品と誤認することは想定できますが、そのことによる発生する問題がそれほど多いとは想定できません。 また誤認を目的にカプセル型を製造する事業者が出てくればその意図は好ましくありませんが、特定健康食品は一定の生理機能をもつものを承認するわけですからカプセルであってもヒートシールであっても錠剤であっても良いわけです。

ある会社が医薬品として承認される薬効をもつ製品を医薬品承認であれば審査期間が長くコストもかかるという理由で特定健康食品で申請したという記事を読んだことがあります。 特定健康食品で健康維持に貢献できるのであれば認めればよいと思うのですが。

このような規制の考えは日々制度ビジネスを行っていて感じることがあります。 クレーマーを排除するためとか一部の不正請求を排除するためのエビデンス作成とか、社会が複雑になるに従いいろいろな考えが出てきて、それを規制で排除しようとすれば規制だらけになってしまいます。

また規制の裏をかく事業も出てきて、規制が裏をかく事業を擁護するようにもなります。 歴史ある会社や大会社でこのような価値観を持つ役職者に出会うことがあります。 うんざりするほど威張っていて、上から目線で相手を威圧します。 かつてそういう会社と取引していたとき、われわれ零細企業の取引先はそのような管理職から理不尽な扱いを受けても表向きだまっています。 「お代官様、ごもっともでございます」という感じで、本人はそのようにあがめられることにご満悦です。

あるとき私はそのような時代がかった大会社の役職者から理不尽な提案を受け、反撃したことがあります。 当然取引もなくなりましたが、理不尽管理職は私の反撃直後に更迭されたそうです。 つまりその大会社はそういった態度を会社の体質、価値観として認めており、一部の反撃は多数の反撃に繋がるのであわてて更迭したということでしょうか。

その会社が考えや取引先への対処を変えるか社会から消滅していくか、時間のかかる問題です。 そういう意味で楽天の三木谷社長が厚生労働省の一般医薬品のネット販売規制に反撃したことは社会にとって貢献の大きいことだったと思います。

もっとも楽天は当社と比べるべくもない大会社ですが。

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