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ガンコ

会社運営でうまく事が運ばない局面の一つに、重要な局面で意思の統一が上手く行かず、いつまでも決定できなかったり、無理やり決定して関係する(決定に従い実行する)メンバーが決定に忠実に従わない場合である。

後者の例でいえば営業部で個別の戦術、例えば今月はこの商材のデモを徹底して行うと店長から指示が出た時、個々の営業者はいろいろ考える。 付加される営業の課題なので熱心に行わない、自分の取引先のほんの一部しかデモを行わない、その中で一つでもデモに価値がない意見が出たらそれを一般化しようとする、等である。

その商材が現場で20%しか評価されないとすると10回デモを行って2回が有効となる訳ですが、デモ企画に何らかの理由で後ろ向きの営業は初めの数回で嫌気がさし、さらにデモを行ったとしてもその商材の自らの評価も下げているのでデモのトークに熱が入りません。

そもそもすべてのユーザーに受け入れる商材はほとんどない訳です。 2割のユーザーだけが評価すると考えるかこの商材は2割ものユーザーから評価されると考えるかで大きく異なります。 何万点と商材がある中で2割の支持は圧倒的です。

仮に評価割合が1%であった場合、当社の商売としても低ければその商材のデモを繰り返すことはその商材の販売という点で価値は低いでしょう。 しかし商材デモは市場で何が評価されるか見極めのために必要です。
指示を出した店長にとってもデモを行った営業者にとっても商売の感性を磨く点で重要です。

人の気持ちは常に柔軟でも素直でもありません。 柔軟で素直な心の人がこの事例のような場合に小さな成功を収めていきます。 柔軟さや素直さを阻害するものは予断(この商材はダメだと思い込むこと)、徒労感(デモのやり方が下手でデモを行っても相手の歓心が得られないなど)、プライドなどです。

実は自分は別の商材の方が市場で評価されると思っていたり自分は営業として高い技能を持っているのでほかのやり方を行った方が良いと過信し、それを貫くことで良い結果をもたらすことがあります。 意地を張る場合です。 その結果を否定はしませんが、そこまで営業に自信があれば他の営業がデモを行ってその商材が2割の支持の時、その人は2割以上の支持を得られるはずです。

現実の場面でも指示にしたかって予断を持たずデモを行っている人は確実に実績を出していて、指示に従わなかった人は殆ど全員が結果を出せていません。

店長の役割はこの戦術に従わせること、しかも素直に、ということになりますからこの場面の例では簡単な役割に見えます。 しかし素直に(個々人のガンコを排して)支持に従わせることは至難の業です。

ある人はいろいろなデータから科学的な営業手法を開示し、自分への信頼感を高めようとしますし別の人は人事考課で露骨に差を付けようとします。 古来いろいろな組織の人心掌握方法が編み出され来ました。 結論から言うと決定打はありません。

指示に従わないことへの恐怖心は組織運営にとって必要ですが、恐怖心は抱くもので抱かせるものではありません。(少なくとも会社運営では) 科学的に説明は常に科学的に見えるほど管理職は営業の科学者ではありませんし、感じたことを科学的に説明するのが難しいものです。

結局話をよく聞き、まめに多面的説明・注意を繰り返すことが効果的に思えます。 自分の部下が皆素直と思うのはそうであるべきとの管理者の予断、皆悪意に満ちているというのもそう考えるほうにそもそも問題を感じます。

私のお勧めは自ら徹底的に素直になることです。

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