監査役BLOG

カテゴリ

採用

[採用]

離職率

採用面接で離職率の質問がたまにあります。 離職者の多い会社は働き続けにくい会社、かどうか見定める質問です。

先日面接した人は証券会社に勤めていた人で、金融業界を望んでその世界に入った人です。 私の年代では証券会社は離職率の高い分野として認識している人は多いと思います。 100人入社して1年たったら1割しか残らなかったという話を聞いたことがあります。

当社の社員数は現在130人を超えたところ、零細企業とは言えないまでも小企業です。 離職率を聞かれ仮に年間1割ですと答えたら質問者はどのように判断するでしょうか? 1割は13人ですが、当社年間13人も退職者が出たら大騒ぎ、現状規模拡大のために大量採用していますが、どんなに頑張っても40人が限度、そのさなか13人も退職されたら私を含め採用担当は途方に暮れ、営業部署に退職者が集中したら事業所の閉鎖も視野に入ってきます。

この問題を新聞が取り上げていました。 まず勤労者の半分は中小企業に勤めているという事実(中小企業や勤労者の定義はありませんが)、従業員100人未満の中小企業の3年間での新卒者離職率は5割弱、確かに多いですが、取引先大企業に聞くと大企業も離職者は多いと聞きます。(こちらは主観的な意見ですが)

収入面では中小企業は大企業に比べ4割低いそうです。 確かに日経新聞に記載される勤労者平均所得は公表されている大企業の平均でかなり高い数字です。 それでも多くの人が定着している理由は企業規模や収入以外にあると解説されています。

つまりはミスマッチであることが離職の原因、中小企業は規模が小さいだけに事業内容も単純な場合が多く、ミスマッチの場合逃げようがないことだと解説しています。

ミスマッチのポイントは次の5点と解説しています。
① 情を重視/理を重視
② 行動を重視/思考を重視
③ 協調を重視/競争を重視
④ 伝統を重視/革新を重視
⑤ スピードを重視/緻密さを重視
当社はどうか、この中であまり重視していないのは伝統でしょうか? 確かに当社は創立40周年を迎え、伝統があるのかもしれませんが、伝統の反対言葉として革新とされているので、どうもここでの伝統は保守的なイメージを強く感じます。

では離職率を下げて定着率を上げるための方法は、最初の面接で十分この五点について事例を踏まえて説明し、納得してもらうことです。 採用面接では応募者が当社にとってどうかという判断も重要ですが、応募者が当社やその事業に従事したいかも重要視しており、こちらから十分な説明をするために一次面接は長時間に及びます。

入社してからその人の持てる力を発揮できる人は大抵当社を気に入っている人で、内でやっていけるのかと面接時に疑問に感じた人が大きな力を発揮している場合が多くあります。 そのため人の能力は大きく変わらない、どんな人もその気になれば十分会社に貢献してくれる、と感じ公言すると厳しい反対意見が返ってきます。 『そんなことはない、ダメな人はダメである』と。

それを聞くとさみしくなりますが、当社はどんな会社という意味で理念をみんなで決めたのが『働きたい会社№1』というものでした。 人の能力の話題から視点は異なりますが、みんながこれを選んだことは人、そして人の能力について信じているあかしと思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る