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営業職は自らの成果が数値で表れます。 ラッキー・アンラッキーもありますが、長期の累計でみればその人の営業力はかなり正確に表れていると思います。

営業会議に出席し、すでに現場の事は解らないので雰囲気を感じているのですが、配布される成績一覧表を見ていると上位者と下位者で倍以上の開きがあります。

管理職は一人一人の営業にもっと訪問件数を増やすように、とか話し方とかいろいろアドバイスをします。 言われた方は聞き流して営業スタイルを変えず相変わらずの成績でいたり、数か月後もしくは一年後に劇的に成績が上がったりいろいろです。

営業のハウツウ本を読んでも大体同じような指摘が書かれています。 したがって経験上それらのアドバイスに従って自らの行動を変えることが売上向上の方法であることは確かです。 少なくとも私のように営業経験一年のものが思いつくアドバイスよりずっと効果的であるように思います。

私がどのような方法で営業を行っていたか、今思い起こすと飛び込み訪問して話を聞いてくれた人の感性が自分に会えば自然と取引が始まり、その後取引が拡大します。 もちろんそのようにならなかった取引先も多くあるのですが、15年たった現在でも当時開発した取引先との取引が続いていて、自分はそれなりの営業であったと思うことがありました。 しかしそれは誤解で、私が営業をしていたころは介護保険法が施行された高齢者介護の創生期で、普通に営業に行けばだれでも取引ができた時代で、私が営業として優れていたわけではありません。 その後取引が拡大したのは後任の人が努力したわけで、私の貢献と何ら関係がありません。

その後、私は仕入先の選定が主な仕事になり、営業される立場に立ちました。 いろいろな人に会いましたが、当社と同様同じ商品を同じような価格で販売される仕入れでは当然ながら価格の安い方を選びました。 調剤用の薬剤の仕入れでは当時当社のような小規模薬局では珍しい入札方式を取り入れ、仕入れコストを大幅に下げました。

介護用品の仕入れではかつて取引していて、その後取引を私が止めた会社の担当がやってきたときに『この人なら取引したい』と思い、取引を開始して現在一番の仕入れ先になっています。 思い返せば自分の好き嫌いで取引先を決めていた気がします。 結果は有利な取引条件になり、当社の介護事業は大きく展開しました。

会社が大きくなるといろいろな人が営業に来られます。 コピー機、証券会社、銀行、たまにそれらの人に会いますが、関心のもてる人はほとんどおらず、何か新たな取引先を探すときは知人に紹介してもらうことにしています。 もちろんその場合も取引をするか面談はするし、判断基準は自分が気に入るかどうかです。

私の趣味の一つに小説を読むことがあります。 小説のテーマはいろいろですが、ほとんどの小説は登場人物の価値観がテーマで、価値観が合う人が何かとてつもないことを成し遂げる展開がこのタイプの小説の面白みでしょう。 そうでなければ値段の折り合いか、質の優劣だけで決めればよいことです。

私は取引開始の条件として関心が持てる、持ち続ける事が出来るかどうかを判断根拠にしています。 当社の営業職の人も人間に関心をもち、他人に関心をもたれる事が営業で成功の秘訣だと思います。 それを言葉で言ってしまえばコミュニケーション力や空気感を読むなどという表現になるのかもしれません。

さらに言えば万人に関心を持つことも持たれることもありません。 もしかなりの割合で他人に関心をもたれるのであれば政治家になればよく、逆に関心を持つなら小説家をお勧めします。

 

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