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最近の金融と経済

日銀のマイナス金利適用を前後して金融・経済現象が少なくとも私には理解不能に陥っています。 おそらく大変優秀な人たち、日銀の幹部や大型ファンドのアナリストたちはそれぞれの現象のかなりの部分の因果関係を理解し、予測しているものと思っていました。

例えば日銀がマイナス金利適用することはかなりの確率で予測していて、その影響について日銀総裁の黒田氏がいう円安にならないことなど予測していたのではと考えていました。

ところが黒田総裁のマイナス金利の適用を事前に予測した記事は日本経済新聞には出ていなかったように思いますし、マイナス金利公表後円高になる事を予測した記事も見つけられませんでした。

東北の大震災直後、円はドルに対し円高ドル安となりましたが逆に動いた個人投資家が大きく損をしたと聞いています。 経済や金融は全く予測不能、基本的に損得の世界ですから比較的わかりやすいはずなのですが全く予測できていないように思われます。

以前香港のファンドマネージャーの私的なセミナーを受けた時、彼はリーマンショックを予測し、リーマンショックの直前に株式投資をすべて手じまいし、ショック後の最安値で株を買い戻し、その年の運用成績を160%としました。

なぜ予測できたのか?との質問に『米国雇用統計と建設受注残高の統計だけを見ていた』と答えていました。 誰でも入手できるメジャーな統計データで見事リーマンショックを予測し、好成績を残したことになります。

先の読めない経済と金融を何とか読み解きたいと思い、ハーバードの経済・金融の有名な邦訳されている論文を読んでみましたが、過去の解説はなるほどと思うもののでは現在から先はどうか?となると全く役に立ちません。 おそらくそれらをよく読んでいるのが日銀の幹部の人たちなので、もっと読み込めば日銀の施策は理解できるかもしれません。

中小企業のオヤジとしては此処をうまく乗り切れば躍進出来て、舵取りを間違えば長期にわたる債務の返済か倒産が待っています。 この緊張感は私が一番好むものでハラハラドキドキ、調剤薬局のヒヤリハット解説書より刺激があります。 銀行はかつてない低金利の融資話を持ち込み、近隣の中小企業のオヤジは超低金利の融資で土地を買っています。

保険屋の部長まで『国策に沿ったものが勝ち残ります』とまことしやかに耳打ちしてくれます。 誰一人株や為替のの乱高下や消費の冷え込み、インフレからデフレへの変換などについ論理的な説明ができないにもかかわらず過去に比べて金利が安いというだけで色めきだっています。

たまたまドラッカーを読み直していたら『トレンドに逆らって成功はない』とあおるような指摘が目につき、『何もしないという意思決定もある』と弱気を押したりしています。

どうしたらよいかわからない悶々とした日々が続きますが、少し冷静になって自分ならどうするか、少し儲かったからヨーロッパ車でも買うか、余裕資金で底を打った株を拾いにゆくか、どれも確信のもてない選択です。

自分は事業経営を営んでいて、経済や金融が混とんとしていてもいずれ秩序が戻るときが来て、会社が無傷で生き残っていなければならない事を強く意識しなければなりません。

一人の人として考えれば予測がつかなければうかつに動かないことが鉄則、暗闇に光明が見え、確信が持てたなら勇気を振り絞ってその方向に進まねばなりません。 そのようなつもりで新聞を隅から隅まで読む日々を過ごしています。

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