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会社運営

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企業風土

同じ業界で多くの事業会社が事業を営み、ある企業は多くの利益を出し、別の会社はそうでない事が起こります。 その違いを経営分析と称していろいろな角度から分析し、評価されています。 さらに業界横断的に共通項を取り出し、戦略、財務、権限移譲、効率化、立地など様々な要素で評価されます。

どれも正しいのでしょうが、普遍的に正しければ真似をすれば真似た会社の業績はよくなるはずです。 かつてトヨタの看板方式が評判になり、導入して成功したところ、そうでないところがあったようです。

看板方式のような手法や組織構造、権限移譲など真似できるものはたくさんあり、当社も同業他社のやり方を見学させてもらいました。 コンサルタントのアドバイスもうけました。 評価されている手法や仕組みが定着して期待された効果が発揮できるかどうか、最近それが組織の風土、文化に依存していると考えるようになりました。

当社でも仕事をしている場は8箇所に分散されていて、それぞれ組織単位として長がいて組織運営しています。 それぞれが微妙に違った考えを持っていて、細かいところでそれぞれ異なった文化をもっていると思います。 それぞれの組織長が持つ価値観で解釈されている当社の文化の違いということになるのでしょう。 それを無理やり統一しようとは考えていません。 しかし、勝手に統一されていくような強力な文化を作り上げたいと思っています。

優良企業においてこの現象を何度も目の当たりにしました。 その企業の周辺の職員、中心にいる職員、皆同様の考え方、行動様式をもっていました。 ある意味強い組織であり、共通の弱みを持っているのかと思います。 それは企業の個性で、それが無く皆バラバラであれば企業としての個性は無いに等しいと考えます。

組織は共通の土台を持っていて、その土台の上に個々人の価値観があると思います。 土台となるものを築くために二つの事を常に考えています。

一つはそうあって欲しい事、社歴や役職に関係なく意見を言う事、その事だけであればどこの会社も同様のことを考え、同様の事を掲げています。 それが徹底できるのは少なくとも上位者が会のものの言う事をきちっと聞くこと、言われた事を納得すればきちっと守る事、何かを発言し、実行して貢献を果たした人についてきちっと評価し、昇格・昇給に反映させることなど徹底は大変です。

経験の少ない人は自由な発想でいろいろなことを思い場合によっては発言しますが、役に立つことはそのうちわずか、場合によってはすでに考えていて実行に移す順番を待っているプランなどもあります。 それらを感心して聞き続けるのはそれなりに忍耐が必要ですし、経験があってもその貢献について予測しがたいこともあります。

組織の土台作りのもう一つはそれはやってもらっては困る事、を決めることです。 企業内でタブーを作ることです。 例えば上位者に調べれば判ることを事を聞くこと、先輩にこの商品の幅は何センチだったか、つい聞いてしまうことがあります。 私はこれを嫌い、調べて判ることを人に聞くものは成長しないなどと言っています。 これはタブーになります。

これには副作用があり、私に質問することを躊躇させます。 『ちょっと聞いてみたいがこれを聞いて叱られるかも』となってしまいます。 そこまで私自身は偏狭でないつもりですが、人によっては権威の確立に利用するかもしれません。 『私にそんなことを平気で聞くのか』と利用されてしまいます。 もちろん『そうあって欲しい』ということにも副作用がありますが。

 

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