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フロー概念、ストック概念と節約

 会計ではフロー概念として損益計算書、ストック概念としては貸借対照表があります。 あえて解説すれば前者は川の流れに例えれば水の流れる量を示し、一定期間にどれだけ流れ込み、その水がどのようになっていったかを示すもの、途中で蒸発したり、農業用の灌漑に利用されたり、ダムに溜まったりする量を示します。

 後者はダムに溜まった水の量を示します。 これはある時点の量を示します。 会計でいえばお金でいくら残ったとか、固定資産としていくら在るかとかです。

 経営者に多く見られるのはフロー概念、損益計算書に注目している人が多いということです。 今季いくら儲かったなどということに注目します。 もちろん大企業も同様でもっと細かく全社期間損益、部門期間損益、直接経費と間接経費の比率、期間も年、四半期、月次、さらに細かいところでは単品の損益などを管理しています。

 一方ストック概念について川の流れのたとえと大きく異なることはマイナス概念があるということです。 負債の部と呼ばれるのがこれで、借入金、未払い費用、買掛金などです。 川の流れで借り入れは考えにくいです。

 このフロート・ストック概念は 日常生活でも言葉は違えど出てきます。

 少し話は変わりますが、私は個人的に倹約家であります。 子供の時に躾けられたことが価値観となって、必要以上に節約します。 移動手段は自転車かバイクか徒歩か電車など公共交通機関です。 会社で車を用意してもらえれば楽なのですが、車をほしいと思ったことはほとんどありません。

 中小企業の経営者と面談の機会が多い税理士は私のことを『変人クラブ』と呼んでいます。 多くの中小企業の経営者は自分の所得を最大化するため経費を使い、最終利益ゼロを目指しています。 最終利益が100万円であれば約40万円は 納税額になります。 であれば100万円でゴルフに行き、酒を飲みごちそうを食べることで自らの快楽を追求します。 しかし交際費などで落とされるこれらの経費がすべて無駄化といえば経営者の稼ぐ意欲につながり、接待を通じて商談が整ったりします。

  従業員の給料を増やし、従業員に感謝されることを求める経営者もまれにおられます。 給料は労働の対価、会社への利益貢献を正確に測り、それに応じた給料を払うことが私は正しいと信じており、一般的な職員の給料も相場とその人の利益貢献で決めていて、利益が出たら昇給という発想はあまりありません。 赤字になれば同じ仕事をしていて給料を下げることになりかねません。

 では私は自らの報酬もケチってもいざという時のために内部留保を 高めようとしているか、もちろん企業規模に応じた内部留保は求めるところですが、事業の効率化や新規事業へ投資してゆきます。

 このような投資が貸借対照表の改善につながるかといえば残念ながら直截的ではありません。 しかし、企業が多くの経験を積み、内部体制が合理的になってゆくことは貸借対照表に泡われない資産といえるでしょう。

 個人の話に戻れば、けちけちしている私に他の経営者は『お金を棺桶まで持ってゆくのか』と揶揄されますが、自らの経験の蓄積や投資に個人でも人並みにお金を使っており、自らの見えざる資産を増やそうとしています。 教養や知性や決断力は棺桶まで持ってゆきたいと思っています。

 どうせ儲かったお金を使うなら規模拡大や効率化でより安定した利益を稼げるようにします。  

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