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認知症

 夏に母が自宅で倒れていて、救急搬送されました。 入院した母は早朝に夜中に脱出を試み、病院に迷惑をかけたので病院から『さっさと退院してくれ』と言われました。 一人暮らしをしていて、退院して自宅に戻ったとしても認知症になっているのが解ったので一人暮らしは無理と判断しました。

 その自宅もゴミ屋敷となっていて、とても人が住める環境ではありません。 そこで高齢者施設に入居させることにしました。 本人は一時的に悪化した認知症から回復しておらず、帰宅を強く望み、施設でも脱出を試みたり玄関ドアのガラスをステッキで割ったり 、毎日おやつをもって慰めに行ってもフォークを投げつけられ、どうしたものかと悩む日々が続きました。

 数週間して認知も当初より軽度になって、普通に話ができるようになりました。

 母は我が強く、人の言うことを聞かなかったりを私に対してこうしろ、ああしろとうるさく言うのであまり良い関係ではなかったのですが、 軽度の認知になってから邪気のない笑顔でよく笑い、これがあの母かと思うほど嫌味のない人格になりました。

 もちろんいつも安定しているわけではなく、時としてお世話になった人を悪く言ったり しますが、ここ一か月は全く落ち着いています。 認知症の症状である短期記憶もそれなりで、毎日訪問しては昨晩のおかずは何かと尋ねるようにしています。 突っ込んで聞くと少しずつ思い出して答えてくれます。 何より毎日聞くので『また同じことを聞くのか』と笑い出します。 つまりは昨日もおとといも同じ質問をされたことを覚えています。

 答えられないと『あかんな、こんなんでは生きていてもしょうがない』と少し落ち込みます。 『毎日、出来事をノートに書いてみては』といって今日訪問すると『大隅氏ノーベル賞受賞』とノートに書かれていました。

 母は今年90歳、 病気はありません。 エアコンで室温がコントロールされた部屋で毎日元気に暮らしています。 

部屋で倒れたのは熱中症、昨年エアコンを付け替えたのですが使い方を忘れてしまい、この夏の 暑さで熱中症になったのが発端です。

 もう少し丁寧にエアコンの使い方を教えればよかったのか、緊急搬送されて認知症が明らかになり人が変わったように明るくなったことが怪我の功名なのか、30年後の自分と重ね合わせてみると複雑な思いです。

 しかし母が変わったことで積年の悪い関係が改善され、今は平和な親子の対話ができるようになりました。 

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