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長谷川平蔵

時代劇の名作『鬼平犯科帳』は池波正太郎の作品です。 映画会社が演技力のある俳優を集めたTV連続ドラマの力作は何度も再放送されています。

私は時代劇が好きで何度も見ますが、最近また再放送が始まり平蔵役の中村吉右衛門が若々しく、動きもきびきびしていますが最終回付近では派手な動きができなくなっていますし、女性陣の老けるのも見どころの一つです。

池波正太郎が江戸時代の歴史小説を書くときに火付け盗賊改めを選んだのか、なぜヒットしてロングランになったのか、監督やディレクターは長谷川平蔵の人格をどのようにとらえていたのか、気になるところです。

ドラマの中で火付け盗賊改めの職員は侍でない下級の職員、劇中で捕り物の時に提灯を持ち、長い棒で犯人を逃がさない役の人を含めて50人程度でしょうか? 江戸時代の江戸の人口が百万人近いといわれる中でまったく小さな組織です。

封建時代劇の中でこのドラマに関しては職員の家柄などほとんど話題になりません。 また、臨時の部署でいつまで続く部署かわかりませんし、資金不足や当時の料理も劇中で話題になります。 近隣の出張もあり、忙しい役所のイメージですが、役所臭さが感じられません。(「相棒」では官僚機構の矛盾を必要以上に強調しています) 剣豪物のようなアクションシーンも売りというわけではありません。 最近の刑事もののような推理の面白さもちょっぴりです。 時代劇に多い人情話も存在感があります。 恋愛もメインテーマでないにしろ出てまいります。 階級社会の矛盾も合理性も出てきます。

要はバラエティ時代劇といったところでしょうか? それをトップスターを使ってお金も使って作りこんでいて、何度も見て飽きない面白さの秘密は長谷川平蔵の組織運営にあるのではないかと思います。

当社は中小企業ですが、大企業にありがちな官僚制ではないところが組織運営上通じるものを感じます。 大きな組織であれば多くのルールをもとに厳格な運用がなされますが、平蔵の部下に対する指導や賞罰はルール一律というより個々人に合わせるやり方です。 こんなにうまく組織運営がなされれば現代社会の中小企業運営に応用できるものは多いと感じられました。

ドラマは視聴率が問題になるのでいろいろ枝葉がつきますが、著者が長谷川平蔵に焦点を当てたのはこの点でではないかと思います。

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