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新しい考え、古い考え

新規事業を検討し、既存事業の改善を行う担当者が同様のことを行う人が参加する会議のことを話してくれました。

当社の担当はいつも斬新な発想を展開する人ですが、その会議では20代前半の人に考えが古い、古き良き時代の考え方と言われることが多いそうです。

私にも若い時代があって同様のことを言ったり言われたり、という記憶があります。 今ではそのような若い人と話す機会がなく、いわれることもありません。

一つ思い出したことで、私が55歳の時、新規事業を立ち上げたり、若くして経営者になる人たち向けの1年間の研修会に参加したときのことです。 平均年齢は30歳程度、私ともう一人が50歳代中盤で明らかに高齢者です。 私は年齢を意識すことなくセミナーでは最前列に座り、講師に質問を繰り返しました。 途中から若いメンバーも質問に参加しだしましたが私にとってつまらない質問ばかり、一方講師はコンサルタントを業とする人で、本を読んでいるだけでなく実際に企業の指導をしている人たちです。

マーケット理論の解説をした講師にその理論は最新か?、古典落語でも同じスキルを利用して設ける話を聞いたことがあるが?と聞きました。 講師は「そうですか」と答えただけでした。 誤解を恐れずマーケット理論を販売スキルと言い換えれば今までない全く新しいスキルはほぼないと思っています。 古典落語の時代と現代で経済規模や事業体の組織構造、法的規制などは明らかに違いますが人間が考えることは同じと思います。 どのようにスキルを使うかによってその効果が威力を発揮するかどうか分かれてくると思います。

例えば私が子供のころに全国的によく売れた『おまけつきグリコ』、キャラメル販売にちっょとしたおまけをつけることで幼児顧客のリピート率を上げたものですが、同様の販売手法は自動車の販売(今ならカーナビがついてくるとか)でも見かけることがあります。 江戸時代でも同様の販売スキルがあったと思います。

考え方やスキルはカタカナで解説されれば新鮮な印象を持ちますがそれだけのこと、それらスキルをどの分野でどのように展開したかは多様性があると思います。 考え方や何かの方法が新しいのではなく、その業界でその方法が効果的であることを見出した人がいくばくかの新規性の発見と多大な利益を稼いだに過ぎないと思います。

世の中にはマーケット理論の本があふれていますが、古典落語を聞くだけでも多くの理論が学べると思います。

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