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価値観

[価値観]

意志を示す

日米交渉でアメリカの代表が『show the flag』と日本側に詰め寄った話を記憶しています。 何の話題で誰が言ったのか覚えていませんが強いインパクトを受けました。

日本語で言えば『旗色をはっきりせい』というところでしょうか。

会社は組織に関わる決定を日々行います。 重要事項は稀ですが、細かな決定は多くあり、各管理職段階で付与された権限に基づいて多くの決定がなされます。 決定に沿って業務=作業が進むわけですから作業の数だけ決定が行われているということでしょうか?

決定自体の品質もさることながらタイムリーにというか速やかに行われるかは大きな問題です。 上位の管理職ほどその割合が多く、現場に近い人ほど決定の重みは減って作業の重みが増します。

決定にとって必要なのは方針・考え方・事例などの情報でしょう。 上位の管理者は不確実な=前例がなく予測が困難な決定を多く迫られます。 経営者は企業規模の大小にかかわらず予測が困難で影響が大きい選択が迫られます。

結果の責任はすべて経営者にのしかかり(責任を取るかどうかは別として)、決定そのものが最善であったとしても執行者がうまく行えない場合も多くあり、それでも責任を取らねばならないので臍を噛む思いは多くあります。

減点主義の組織では大きな失敗は失脚を意味します。 民間企業はどちらかと言えば得失点で評価されます。

何をもって決定が誤っていたかという評価では見方が分かれます。 ある営業マンはこのような戦略で自分の得意先を攻略したいという意思を社内外に明示して、社内的にもその意志が認められていれば結果が評価になります。

バントのサインが出ていたけれどフルスイングしたらホームランになり、その打者は監督から叱られるという場合です。 この例では監督の意志である指示が出ているわけですからそれが評価の基準、監督から指示がなければバッターは明確な意思を持たなければ出塁がかないません。 臨機応変、決め込むとチャンスを逃すなどいろいろな話題が出ますが、ここ一番でヒットを打ったバッターは例えばレフトに長打を打つことを狙っていたなどと明確な意志をもってバッターボックスに立ったと証言している場合が多いと思います。

結果センターにヒットになればそれでもよく、何も考えずバットを振ったらセンターに飛んだでは確率は低いと思います。

私は野球ではなくテニスをよく見ますが、あるトッププレーヤーが『この位置にトスを上げ、ドライブ回転をかけたサーブをセンターにうち、ネットにダッシュしたら想定した位置に返球されたのでボレーで決めた』という証言を聞いたとき、そこまでイメージしてプレーしていることに感心しました。

経営判断は秒単位の切迫感がないので、こうしてああすればとストーリーも描けますし、どこまで意志を外部に示すか時間もあります。 決定に関わることはこのように明確な意志を持つべきだろうと思います。

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