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他人と過去は変えられない

 タイトルは有名なことわざ、私が初めて知ったのは人から言われた時です。 その人は私を比較的まともな独善経営者と評価していたので、私が他人を変えようとしている事を諫めて言ったのかもしれません。 その時のことは覚えていませんが、よほど私の態度が酷かったのでしょう。

 そのような態度をとり続けた結果、ずいぶんあちこちで頭を打ち、嫌われたり非難されながらそれでも運が味方して経営者としてある程度成功しました。

 経営者は中小零細企業でもマネジメントとリーダーシップの両方を発揮しなければなりません。 どちらも相手の在ってのこと、考えを最低限あわさなければ相手=組織のメンバーは組織として機能を果たしません。

 平たく言えば尖がっていた私の考え・行動に共感したのか自分がやらなければという責任感からか判りませんが少数の人が最善を尽くし、組織を動かし、経営は一定の成果を上げたというのが私の評価です。 しかし尖がっていた私はその事すら自分のリーダーシップと誤解し、己惚れていた時期がありました。

 全くお目出度い話です。 しかし面白いことに最善を尽くした少数の人たちはそれぞれの考えと私の指示を擦り合わせ、私の戦略に従ってくれ、戦略的な成功を収めたのです。

 自分は戦略を考えることに長けていて、それを執行する方法において上手くなかったのでしょう。 自分の戦略が正しいという強い信念が強引な行動につながったのかもしれません。

 『他人と過去は変えられない』は 自分の外に向かっての言葉、他方自分自身に向けた言葉として『人のふり見て我がふり直せ』くらいしか思い浮かびません。 本当はもっと多くの言葉があるのでしょうが、ドラッカーが自分のことは解らない、せいぜい弱点くらいが解るだけであると言っています。

 ドラッカーは弱点をただすのではなく、強みで勝負しろと言っていますがそもそも自分のことが解りにくいのであれば強みで勝負できません。

 さらにリーダーシップを発揮する役割においては結果責任を負う立場ですから必死です。 ある人はリーダーシップの対象となる人に考えを強制したり、お願いしたり、同情をかおうとしたり、説得したり方法は様々です。

 ドラッカーの言う強み・弱み が説得や高圧的な態度を話題にしているのではないと思います。 それはあくまで表現スタイルで表現すべき考えを強み・弱みの対象にしているように思います。 そのように考えればリーダーシップやそれを発揮しなければいけない経営者の役割はその考えに集約されるかもしれません。 リーダシップと対になるフォワーシップも信頼関係でなっており、『信頼とは善良な動機から始まる』という言葉があります。 善良な考え、動機、それに伴うリーダーの行動は一見誤解を招いていたとしても強い信念に基づいていればいずれは通じるもの、通じさせる方法ばかり議論されるの浅はかな気がします。

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