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大学生の時に高校の夜警のアルバイトをしたことがあります。 夕方高校に行き、2~3時間帝都の間隔で深夜も構内を巡回します。 真冬の深夜、冷え込む真っ暗な廊下を懐中電灯片手に大きな公社の隅から隅まで見て回るのはなかなか怖いものがあります。 そもそも見回るのは不審者がいないかのためで、深夜の学校に不審者が現れる可能性は大変低いものです。 それだけに現れれば大変ですが。

会社運営で経営者は報告書を読み、財務データを分析し、それだけで経営方針を決め、多くの経営判断を下す経営者がいます。 一方書類を読み込むのは当然として、現場を見て回り、情報を確認する経営者も多くおられます。

よくできているかどうか別に私も後者のタイプでした。 高校の夜警と違うのは誰もいないことを確認するのではなく、いるべき職員がいてきちっと働いているかを確認するのが目的です。

現場に行くと私語が途絶え、突然黙々と仕事をしだすところがあります。 別の職場では黙々と働いていて、私は挨拶はされるけれども存在を無視されます。 誰かを呼び止めて質問したり話しかけると誠実に答えてくれます。 座っている人に話しかけると直立不動で答える人がいます。 昭和初期のサラリーマンのイメージです。 ある職場は私語も仕事の遣り取りも飛び交い、私が行くと向こうから話しかけられ、フレンドリーで楽しげな職場に見えます。

どの雰囲気がよくてどの雰囲気が悪いのか一概に決まりません。 最初の職場の例である突然私語が止まる職場が一見悪いように見えますが、実はミスの少ない場合もあります。 相互監視が強く、ミスを許さない雰囲気があります。 しかし新人はなじむのに時間がかかり、ミスは厳しく叱責されます。

それぞれ長所・短所がありますが、仕事がミスを許されないものか、加点できれば失点が相殺される仕事かにもよりますし、職場の長の姿勢もあります。

見回る私の方にも流儀・作法があります。 判断を求められても決して判断しない、よほどのことがない限り注意したりしない、質問は的を得たものを熱心に行うなどです。 別にお菓子をもって行ったり、だれかれとなくほめたりする必要はありません。

存在するものには意味があり、雰囲気も存在するものの一つです。 結果の良しあしは別にして意味があり、自分の思いと異なっても安易に否定したりしてはいけないように思います。 どうしても問題を感じる雰囲気なら事業所の長にこっそり話をすることしかしてはいけません。 これも作法の一つです。 結局雰囲気などというものは当事者が変えようとしない限り変わる事は無く、当事者は上席の叱責で雰囲気を変えることはほとんどしません。 変えたいなら変えたい姿を経営者が常に体で表現するより効果的な方法はないように思います。

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