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実体の無いものの説明

代表を退き、今の仕事は新代表の質問に応えることが重要事項です。 新代表は薬剤師業務を行ってきた人で、職人です。

最近銀行取引について質問を受けました。 『銀行とは何?』この手の質問は答えるのが難しいです。 お金を貸すのが仕事の企業、答えになっていません。

企業にとって銀行はお金を貸す会社、工場があって何かを作っているわけでもないので製品の特から企業の特徴を示す事が出来ません。 大銀行であっても小銀行であっても借りてから見れば借り入れ条件のみが問題となります。

借り手とすれば貸し手の行動パターンが判ればよいわけです。 信用重視で財務上の数値を経営者が把握していなければ信用しないとか、ゴルフのハンディキャップがシングルの経営者にはお金を貸さないとか、直前期の決算数値に着目するのではなく3期以上の推移を見極めるとか行動パターンが見えてきます。

要は実態が分かりにくいものをうまく表現したとしても実践で役に立たなければ意味はありません。 判断基準のパターンを読み込めばストレスなく取引が出来ます。 お金を貸すか貸さないか、相手が決める問題です。 御行の考え方はこうでしょうと詰め寄っても、当社は3期後大きな利益を稼ぐと言っても相手が評価しなければ融資につながりません。

同じく行政や政治も実態を理解する意味はあまりありません。 あるのはパターンです。 当社が関係する厚生労働省は数年前と言う事を平気で変えてきます。 当然で環境が変われば基準も変わります。 以前業界団体の役員をしていた時に業界にとって逆風の政策が出てほかの理事は憤っていました。 厚労省のホームページのパブリックコメントを書くところがありますが、各社このように書くようにと指示が出ます。 厚生労働省がパブリックコメントを参考に基準を変えるとは思えません。 百歩譲って厚労省に一矢報いたいと考えたとしても意味は小さいと思います。 行政を攻撃するのにわざわざ相手の土俵で文句を言う事は喧嘩の方法としては勝てる方法ではありません。

行動パターンが読みにくくてもそういうものと考えればよいのです。 ある大手仕入先はよく厚労省の管理職に面談し、情報収集に精を出し、我々に情報を小分けしてくれます。 たいていはどうでもよい情報、少し考えるとわかる情報、たまに情報と全く異なる結果が通達されたりします。 国家機関の管理職がそんなに甘いわけではないはずです。

会社経営をするうえで実態の把握しにくい対象が視野に入ってきます。 判断基準が解り易いもの、解りにくいものすべての組み合わせからリスクを最小とするパターンを考えておけばよいのです。 それが経営の仕事の太宗を占めます。

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