監査役BLOG

会社を見る鳥の目

経営者の目線で、日々の思いやできごとを綴っていきます。

[人間関係]

営業

営業職は自らの成果が数値で表れます。 ラッキー・アンラッキーもありますが、長期の累計でみればその人の営業力はかなり正確に表れていると思います。

営業会議に出席し、すでに現場の事は解らないので雰囲気を感じているのですが、配布される成績一覧表を見ていると上位者と下位者で倍以上の開きがあります。

管理職は一人一人の営業にもっと訪問件数を増やすように、とか話し方とかいろいろアドバイスをします。 言われた方は聞き流して営業スタイルを変えず相変わらずの成績でいたり、数か月後もしくは一年後に劇的に成績が上がったりいろいろです。

営業のハウツウ本を読んでも大体同じような指摘が書かれています。 したがって経験上それらのアドバイスに従って自らの行動を変えることが売上向上の方法であることは確かです。 少なくとも私のように営業経験一年のものが思いつくアドバイスよりずっと効果的であるように思います。

私がどのような方法で営業を行っていたか、今思い起こすと飛び込み訪問して話を聞いてくれた人の感性が自分に会えば自然と取引が始まり、その後取引が拡大します。 もちろんそのようにならなかった取引先も多くあるのですが、15年たった現在でも当時開発した取引先との取引が続いていて、自分はそれなりの営業であったと思うことがありました。 しかしそれは誤解で、私が営業をしていたころは介護保険法が施行された高齢者介護の創生期で、普通に営業に行けばだれでも取引ができた時代で、私が営業として優れていたわけではありません。 その後取引が拡大したのは後任の人が努力したわけで、私の貢献と何ら関係がありません。

その後、私は仕入先の選定が主な仕事になり、営業される立場に立ちました。 いろいろな人に会いましたが、当社と同様同じ商品を同じような価格で販売される仕入れでは当然ながら価格の安い方を選びました。 調剤用の薬剤の仕入れでは当時当社のような小規模薬局では珍しい入札方式を取り入れ、仕入れコストを大幅に下げました。

介護用品の仕入れではかつて取引していて、その後取引を私が止めた会社の担当がやってきたときに『この人なら取引したい』と思い、取引を開始して現在一番の仕入れ先になっています。 思い返せば自分の好き嫌いで取引先を決めていた気がします。 結果は有利な取引条件になり、当社の介護事業は大きく展開しました。

会社が大きくなるといろいろな人が営業に来られます。 コピー機、証券会社、銀行、たまにそれらの人に会いますが、関心のもてる人はほとんどおらず、何か新たな取引先を探すときは知人に紹介してもらうことにしています。 もちろんその場合も取引をするか面談はするし、判断基準は自分が気に入るかどうかです。

私の趣味の一つに小説を読むことがあります。 小説のテーマはいろいろですが、ほとんどの小説は登場人物の価値観がテーマで、価値観が合う人が何かとてつもないことを成し遂げる展開がこのタイプの小説の面白みでしょう。 そうでなければ値段の折り合いか、質の優劣だけで決めればよいことです。

私は取引開始の条件として関心が持てる、持ち続ける事が出来るかどうかを判断根拠にしています。 当社の営業職の人も人間に関心をもち、他人に関心をもたれる事が営業で成功の秘訣だと思います。 それを言葉で言ってしまえばコミュニケーション力や空気感を読むなどという表現になるのかもしれません。

さらに言えば万人に関心を持つことも持たれることもありません。 もしかなりの割合で他人に関心をもたれるのであれば政治家になればよく、逆に関心を持つなら小説家をお勧めします。

 

コメントを残す

[生活]

煩雑な世の中

私は郵便局の近所に住んでいますが、最近郵便局の駐車場に車があふれ、駐車場に入れない車が路上に溢れています。

理由はマイナンバーの交付書類が書留で郵送されてくるからで、皆それを取りに来ています。 昼間に配達されるので私も郵便局に取りに行ってそれで郵便局が混んでいる理由がわかりました。

プライバシーの問題からマイナンバーの交付は本人確認が必要でそれがこの事態になっているようです。

マイナンバー制度により各種証明書の発行が便利になるので、制度そのものは賛成です。 しかしプライバシーの保護という点で既存のシステムを使うと初めの交付でこのような事態になります。 便利になれば悪用を考える人が出てきてその対策に問題が生じます。 マイナンバーに関しては運用段階で新たな問題が出てくるように思います。

たまたまある許認可の申請で申請する会社の取締役全員に対して大変多くの個人情報の登記・登録情報の提出を求められました。 後見人でないことの証明などそんな冬季がある事すら知りませんでした。 請求される書類のいくらかがマイナンバー制度で簡単に取れるかどうか知りませんが、マイナンバー制度が運用されれば便利になるように思います。 それらの書類は市町村であったり本務局であったり、取得できる役所もまちまちです。

世の中はどんどん複雑になって行きます。 それは新しい制度が出来てそれに応じたシステムが作られ、そのシステムを簡単にするために新たなシステムができる、その繰り返しでどんどん複雑なものになってきます。

複雑になったものを簡単にする複雑なシステムが出来て、使いこなせば簡単ですが訳が分からなければやはり複雑になります。 私は62歳、私の子供のころ家電が普及しだしました。 たとえば洗濯機やテレビ、電気屋で買えば届けてくれて設置してくれます。 取扱説明書など簡単なものでした。 最近の家電は何冊もの取説があり、複雑な事が出来るようになってようです。 便利になって複雑になるのか、便利さには複雑な代償が求められるのか、結果は複雑で便利ということです。

自分が若かった時、複雑な取説を読み解いてあまり使われない機能を使って得意がっていた時期がありましたが、この年になるとめんどくささが先に立ってなかなか取説に取り組めません。 さらに歳を重ねてゆけばおそらく新しい複雑さについてゆけないように思います。

コメントを残す

[会社運営]

社員総会

先日の土曜日に全社員とその家族を招待して会社創立40周年記念パーティを開催しました。 40周年記念の無い時も年2回、社員だけの総会を行っています。

私は人前で話をするのが苦手、いつも最近の会社の評価、今後の方針、ビジョンなど会社のトップとして示すべき話題を工夫し、原稿に纏め、何度も録音しながらリハーサイルを来ない、本番に臨みます。 原稿用紙5枚程度の内容を覚えるのが大変で、苦痛の為です。

今回は原稿なし、リハーサルなし、その場で感じたことをそのまま話すことにし、緊張もなく、40周年にふさわしい内容をお話しできてよかったと思います。 来場者は約160人と聞いていましたが、人数が増えたおかげて返って緊張することもなかったように思います。

問題は総会の直前に行った幹部会、店長以上の管理職を集め、今季上期の総括と現状の課題をまとめ、下期に向けての対策を通達するものです。 会社の現状評価、これは数字だけであれば客観的に説明しておしまいですが、そもそも管理職の人たちは現状の成績についてよく知っていますし、日々大変苦労しているのでこれ以上尻を叩かれる話をされても、となってしまいます。

予算や中期計画の進捗は芳しくありません。 5ヵ年計画の3.5年が経過したところですが、キックオフ時は職員数が約70人、現在は133人、ほぼ倍になっていて、しかも専門スキルを必要とする営業職や薬剤師、ケアマネージャー、事務職で構成されていますので、短期間で倍増した職員で事業運営するのは単純に考えても大きな困難が予想されます。

法が要求する書類作成が負担となっていて作成が滞っている事、新人に3ヶ月の研修で独り立ちさせる不安、並行して進めている残業の削減、課題は山積みです。

組織長や現場のベテランは分業を導入し、対処を工夫しています。 分業が効率よく業務を回す効果をもてば同業他社より優れた事業運営になり、競争関係の中では大きなアドバンテージをえられます。

必要は改善につながるいろいろなものを生み出し、業務を推進します。 組織長の副職を設定するのも分業と言えます。 分業を提案したのは組織長と現場の職員です。 分業を生み出す程度のストレスを現場にかけたことはよかったと思いますが、分業による作業間の連携の不調など新たな課題も生みました。

概ねこのような現状評価と下期方針ストーリーですが、現状認識がこれでよいのか悪いのか、評価としての分業の推進を下期の目標としてよいのか? 2週間ほど考え続けました。 会社の方針の良し悪しは個々の評価いかんで今後の当社の業績が決まるように思います。

事前に取締役会で討議し、幹部会で分行を評価することがうまく伝わるのか、不安でいっぱいでした。 幸い反対意見も出ず、下期はこの評価をもとに修正を加えてゆくことでまとまりました。

前出の結局総会でのスピーチも分業をテーマとして話すことができ、筋の通ったスピーチになりました。 私の仕事は過去の検証を通じて現在をどのように評価し、それをもとに将来を描けるかが仕事をの殆どで、今年は胸をなでおろしました。

コメントを残す

[採用]

人を採用してから仕事を決める

当社は中小企業で一番大きな費用は人件費、したがって採用は極力慎重になり、予算編成時に人事計画も立てます。 労働集約型の事業なので特許でも製品力でも機械設備でもなくマンパワーが事業の中心です。

採用はミスマッチを防ぐために面接で十分な時間をかけて事業内容、社風、計画などを説明します。 これは応募者に当社を正しく理解してもらうために行い、どうせ入社するなら納得してという意味です。 だから売りであること、悪いことを説明しますが悪い部分は聞きようによってはそんな会社なら辞めておこうということになりかねません。

しかし、どんな会社でも悪いところはあり、その改善に注力し、強みを生かす努力をしているはずです。 中途採用なので前職があるはず、少しは社会を見てきたわけですから雇用環境について一定の認識があるはずで、悪い面にことさら拒否反応をする人、またはよし悪しを納得して辞退する人、当社のような中小企業が万人に希望する企業というわけにはいきません。

本人は紹介会社で当社の説明を聞いたりハローワークの資料を見たり、ホームページやこのブログを読んだりしてきます。 もちろん中には受けた説明を全く理解せず、調べもしないし面接で質問もしない、そんな方もいますがこれは応募者側の問題です。

いろいろな人が応募してくるのが中途採用の醍醐味、それぞれの人生と価値観をもって応募してこられますが、絶対欲しい人材なのに応募職種にふさわしくない人も来られます。

絶対欲しい人材というのは私の直感で、我儘ですが、この人を雇ってこんな事業を立ち上げたら上手く行くだろう、というような直観です。 めったにないことですが、数百人に一人と言ったところでしょうか?

アメリカの経営学の本を読んでいて扉の言葉に面白いことが書いてありました。 今までは事業ありきで、職種に応じた人を募集し、計画に従って事業を運営してきたが、最近はこのバスに乗りたい人は乗ってくれ、と言って乗ってくれた人がいて、じゃどこへ行こうか? と行き先を決めるというものです。

シリコンバレーではよくありそうな話ですが、日本の小売業などであっても同じ方法をとれないかと思いました。

コメントを残す

[他業界]

WNIウェザー

WNIウェザーニュースという会社があります。 カスタムの気象情報を提供する会社で、いつの日にか株式投資を始めるならと関心をもった会社の一つですが、2015年6~11月の連結営業利益は前年同月比11%増の17億円程度と規模は小さい会社です。

気象情報の販売先は船舶に最適な航路情報を提供する事業だそうです。 つまり船舶による輸送業界のコストは燃料、風向きや海流を考慮し最適航路を選んで航行することが燃費や航行時間の短縮などに大きな意味を持ちます。

この夏、北海道にオートバイでツーリングに行きましたが、帰りの船でたまたま知り合ったオートバイのツアラーの父親が舞鶴⇔小樽の航路を持つ新日本海フェリーに努めておられて、運航コストのかなりの割合が燃料費にであることを教えてもらいました。

数年前にまだ新しい船を新造船に変えたことがありましたが、老朽化していないのになぜ船を入れ替えたのか疑問に思っていました。 理由は燃費を改善するためだったそうで、もともと採算面で厳しいフェリー業界で石油の値上がりや燃費の悪さは死活問題、それで新造船に入れ替えたそうです。

新日本海フェリーの舞鶴⇔小樽間は時速54㎞、20時間強の高速航行ですが、大型タンカー等の巡航速度の遅い船舶は多くあると思います。 もし航行速度をあまり求められない船舶に風を受ける装置を付ければ風の力で燃費は改善するはずです。 何十年か前にタンカーに金属製のセイルを付けて風の力を利用するタンカーを新聞で見たことがありますが、その後そのような装置を付けた船の話題は聞いたことがありません。

帆船であれば経験と勘に頼りジグザグ走りながら風を拾って航行しますが、もし風向きの詳細データを機小会社が船に送信するサービスを始めたらコンピュータ操船で随分燃費を下げて航行することが可能となります。 もしそれが趣味のヨットであればン専用船舶ナビゲーションシステムとレーダーをリンクさせ、衝突を回避しながら自動運転でどこでも行けるようになるし、大きなセイルで高速艇であればちょっとしたレースで勝てるかもしれません。

自動車の燃費競争は熾烈を極めますが、航空機や船舶などの燃費競争はまだまた緩い気がします。 たまたま現在は石油価格が下落し、アメリカでは燃費の悪い大型車両がよく売れていて、データねつ造した某ヨーロッパ車の中国での売り上げは事件発覚後も対前年比増加と言われています。

燃料価格にかかわらずできる燃費改善、それが冷暖房などであっても真剣な改善を図らなければいけないと思います。

コメントを残す

[事件]

北の湖親方の死

角界の重鎮、北の湖親方の訃報が報じられました。 昭和28年生まれで享年62歳、若くして逝かれました。 ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

私は同年の生まれ、故人が角界に中学1年で入門された時にはマスコミに報道され、同い年の少年が北海道から一人で東京の親方のもとに赴き、中学校に通いながらけいこを重ねることに自分との隔たりと、関心の無かった角界への親近感がわきました。

その後力士として活躍されたことはここで書くまでもないことですが、たまたま友人の母親と相撲の話になって『北の湖は憎たらしい力士だ』と言われて『違うよ』と心の中で反論したのを覚えています。 同年の私がまだ大学生のころで、そのころすでに横綱になっていて、『全くすごい奴だ、同じ学校にいたのなら一度は一緒に遊んでみたいものだ』と思いました。

若いころから体も大きく、力も強く、スポーツもできたのなら角界に入らず大人になっていたなら鼻持ちならない奴に成っていたかもしれません。 しかし中学1年から厳しい世界で修業に躾の日々は彼を若くして立派な大人になってしまったのでしょう。 今思えば今日までいつも自分より年上の近寄りがたい威厳を備えた男おられたように思います。

生きた時代は同じで、同じ国に生きていながら世間話も通じない世界で生き続け、同じ世代のわれわれよりももっと多くの経験を積み、濃縮された人生を終えられたことと思います。 自分の比較する意味もありませんが、そういう人生もあり、自分は平和に身勝手にのんびりとした人生を送ってきたことに後ろめたさすら感じます。

自分もこの歳になって人生を最後まで全うしたいという思いをもつようになりました。 それは歯磨きのチューブから最後の一押しで中身を出し切るようなイメージです。 人はそれが人生の最後の絞り出しかどうか解りませんし、判る必要もありません。 ただ、若い人に比べれば最後は近づいていて、いつも最後の一絞りのつもりで頑張っていますが、時々まだまだチューブにたくさん残っているのではと錯覚して手を抜いてしまうことがあります。 力士は20歳でも30歳でも取り組みで大けがをすれば即引退、チューブの残りがどれだけか凡人のわれわれには計り知れないものがあり、それが緊張したまたは腹を括りきった人生を歩ませ、我々の歳になっても残りを数えない凄みを身に付けているのでしょう。

コメントを残す

[採用]

離職率

採用面接で離職率の質問がたまにあります。 離職者の多い会社は働き続けにくい会社、かどうか見定める質問です。

先日面接した人は証券会社に勤めていた人で、金融業界を望んでその世界に入った人です。 私の年代では証券会社は離職率の高い分野として認識している人は多いと思います。 100人入社して1年たったら1割しか残らなかったという話を聞いたことがあります。

当社の社員数は現在130人を超えたところ、零細企業とは言えないまでも小企業です。 離職率を聞かれ仮に年間1割ですと答えたら質問者はどのように判断するでしょうか? 1割は13人ですが、当社年間13人も退職者が出たら大騒ぎ、現状規模拡大のために大量採用していますが、どんなに頑張っても40人が限度、そのさなか13人も退職されたら私を含め採用担当は途方に暮れ、営業部署に退職者が集中したら事業所の閉鎖も視野に入ってきます。

この問題を新聞が取り上げていました。 まず勤労者の半分は中小企業に勤めているという事実(中小企業や勤労者の定義はありませんが)、従業員100人未満の中小企業の3年間での新卒者離職率は5割弱、確かに多いですが、取引先大企業に聞くと大企業も離職者は多いと聞きます。(こちらは主観的な意見ですが)

収入面では中小企業は大企業に比べ4割低いそうです。 確かに日経新聞に記載される勤労者平均所得は公表されている大企業の平均でかなり高い数字です。 それでも多くの人が定着している理由は企業規模や収入以外にあると解説されています。

つまりはミスマッチであることが離職の原因、中小企業は規模が小さいだけに事業内容も単純な場合が多く、ミスマッチの場合逃げようがないことだと解説しています。

ミスマッチのポイントは次の5点と解説しています。
① 情を重視/理を重視
② 行動を重視/思考を重視
③ 協調を重視/競争を重視
④ 伝統を重視/革新を重視
⑤ スピードを重視/緻密さを重視
当社はどうか、この中であまり重視していないのは伝統でしょうか? 確かに当社は創立40周年を迎え、伝統があるのかもしれませんが、伝統の反対言葉として革新とされているので、どうもここでの伝統は保守的なイメージを強く感じます。

では離職率を下げて定着率を上げるための方法は、最初の面接で十分この五点について事例を踏まえて説明し、納得してもらうことです。 採用面接では応募者が当社にとってどうかという判断も重要ですが、応募者が当社やその事業に従事したいかも重要視しており、こちらから十分な説明をするために一次面接は長時間に及びます。

入社してからその人の持てる力を発揮できる人は大抵当社を気に入っている人で、内でやっていけるのかと面接時に疑問に感じた人が大きな力を発揮している場合が多くあります。 そのため人の能力は大きく変わらない、どんな人もその気になれば十分会社に貢献してくれる、と感じ公言すると厳しい反対意見が返ってきます。 『そんなことはない、ダメな人はダメである』と。

それを聞くとさみしくなりますが、当社はどんな会社という意味で理念をみんなで決めたのが『働きたい会社№1』というものでした。 人の能力の話題から視点は異なりますが、みんながこれを選んだことは人、そして人の能力について信じているあかしと思いました。

コメントを残す

[採用]

失業率と雇用のミスマッチ

日銀の試算で、今年の7~9月の完全失業率が求職者と企業の条件が合わないために起きるミスマッチ失業率を下回ったと新聞が報じています。 これは23年ぶりの事だそうですが、23年前と直近の状況が同じかどうかわかりません。 質的な問題ではなく、量の問題です。

日銀の異次元緩和以来景気が回復し、当社における採用活動でハローワークからの応募が激減し、最近の応募者は紹介会社経由が殆どで採用コストが上昇しています。

働いてみたものの思っていた仕事ではなかったや説明を受けた内容と異なる雇用条件であったというミスマッチは企業側、特に採用担当の説明責任と応募者の思い込みの二つの側面があることをミスマッチ転職組の面接で感じました。

企業側が何らかの事実を故意に隠ぺいしての採用活動は論外として、自分の価値観に合わない社風が原因で退職するなど応募者の思い込みや勘違いも多いように感じました。

完全失業率が大幅に低下することは大企業が求人を加速しており、ミスマッチの退職者は絶対数では大企業からの退職数が多いということです。 当社のような零細企業では例え中途採用であっても応募者から見ればあと順位になってしまいます。

ミスマッチによる転職のための応募者は次はミスマッチでない職を選ぼうと紹介会社に依存し、結果的にハローワーク=自分で仕事を探せない、もしくはハローワークの紹介方法ではミスマッチの可能性があるということでしょうか。

最初の話題に戻り、景気が良くなり失業率が低下したということは統計から明らかで、近年5.5%前後まで上昇したのち最近の平均は3.4%、一方のミスマッチ失業率は1990年前半では2%強が3.4%とこちらの動きも気になります。

当社の応募者も大企業からの転職者がいて、高い個人成績をあげています。 個人的に会社や仕事の不満は言われることがありません。 当社の風土や雇用条件を良しとする人がいるということで、大企業はいくらでも応募があるので風土について気が向かないのか、と思うこともあります。

人の価値観は多様化していて、当社を良しとする人もいればそうでない人もいる、ではどのような会社かできるだけ伝わるようにすることが必要と感じています。 中小企業でメーカーではないですから自社製品からのイメージはありませんし、ホームページを改善しようとしてもなかなか難しいものです。

そこで代表である私が十分な時間を面接に費やし、質問もうけるようにしています。 昇給や賞与の算定など雇用条件についての質問もありますが、働くうえで風通しが良いか等質問されます。 これは答えに困ります。 個人的には風通しの良い会社であると感じていますが、客観的には答えられません。 狭い知見で他社より良いように感じてもいかにも主観です。 応募者がミスマッチで転職するのですから紹介会社の言う事だけではなく、自ら練り上げた質問を投げかけないと見えてきません。

なぜならミスマッチの内容は多様なのですから。

コメントを残す

[趣味]

勘違い

何かをするときに目標を設定する場合が多いです。 この目標設定で起こる勘違いは数多くあります。

私はゴルフを今年62歳で始めました。 ゴルフは競技として考えるなら自分との闘いの要素が強く、それゆえ社交の道具に利用されるように思います。 仮にスコアが悪く、それでも同伴競技者に勝ったとしても自分との闘いであるため今日のスコアは悪かったということになります。

もちろん事前にこれは競技ということが決まっていればスコアのよし悪しにかかわらず勝ち負けが問題となります。

私も年をとってから始めるに当たり、練習場に通い、一般的な飛距離、例えばドライバーなら230ヤード飛ばしたい、と思ってしまいます。

しかし、競技であってもなくても問題になるのは飛距離ではなくスコア、この当たり前のことがわかっていて行動に移せません。

林の中に打ち込んでフェアウェーにショートアイアンで出すか、木の間の1メートルを狙ってピンに向けて打つか、それはプレーヤーの自由ですが、スコアメイクするなら無難にフェアウェーに転がすでしょう。 プロでも無謀なリスクを取りません。

結果は言うまでもないことです。 この勘違い、大きなリスクを負ってリカバーする快感、仕事でもあるでしょうが、要は結果よりプロセス、それにこだわるやり方だと思います。

この仕事はこういうやり方で、は日常的に起こり、こだわりがなければスムーズに事が運ぶ場面でよく起こります。 なかなか説得できません。 多くの会社でその仕事の目的は何か? ということが議論されます。 企業ですから儲けなければいけない、そのために目標を設定する、売り上げ、利益など、売り上げなど数字が独り歩きすれば目標達成のために不正が行われたり、従業員に不当労働行為を強制したりします。

そういうことを排除するため目標達成のための方法を事業計画に盛り込みます。 残業が多いのは問題で残業を減らすという手段かかわる目標が設定されます。 今まで仮に100時間で行っていた仕事を90時間で仕上げるには効率をあげなければなりません。 効率を上げる方法を決めずに効率をあげろといっても問題行動に繋がるか、工夫をしないで残業しないことが独り歩きしたりします。

労働法は雇用に関して時間制約を強く課していて、成果が上がらなくても時間で規制しています。 ある営業店で営業の一人が週刊目標を毎週就業時間に退社しますといっていました。 そのこと自体は問題の無いことですが、ではそのためどのような工夫をしたのか、それは一切記載されていません。

自らの時間管理を強化して同じ営業行動で15分/日時間短縮した。 そのような工夫を毎日、毎週積み重ねて結果的に残業時間の大幅削減に繋がった、これは大変価値のあることですが、毎日工夫無く定時に退社して作業時間減少分営業活動が減り、結果的に売上が減少したのであれば賃金評価が下がるだけです。

このあたりの事を優良大企業の部長に聞いていたら面白い答えが返ってきました。 毎日ほぼ残業することなく、目標も達成する人が営業の中で約1割います。 その人たちは結果的に昇進し、会社を支えてゆきます。 では残りの9割の人は昇進しないのですか?
昇進する人も中にはいます。 でも時間管理のできる1割の人はほぼ確実に昇進します。 残業を重ね、目標を達成しても役職が上がり、職務内容が高度化するなかで果てしなく残業できるわけではありません。 つまりは目標達成しても昇進は途中で減速します。
残業が減らせない人はバカですか?
そうではありません。
なぜ残業が減らないのですか?
勘違いです。 決められた時間内で決められた成果をあげようと思っていないだけです。

勘違いは人の一生まで左右します。

コメントを残す

[社会]

健康維持

高齢者介護や薬局の仕事をしていて病人の多いことに驚かされます。 高齢者で要介護の人はかなりの割合で何らかの疾患の治療を受けておられます。

私も62歳を半年過ぎて病気知らずの体があちこち悲鳴を上げだしています。 ストレスから眠られない日が続いたりするとてきめんです。 軽い運動や食事に気を配っているつもりですが、適正体重にはまた10㎏ほど減量しなければなりません。

たまたま胸焼けの症状が出て、ネットで対処法を調べると生活習慣のアドバイスが書いてあります。 中性脂肪が高いので定期的に受診していますが、胸焼けの対処は食事など生活習慣を改善して対処したいと思いました。

中性脂肪の方も食事内容の改善と運動で何とかなると思うのですが、なかなか食い意地は手ごわく、つい食べ過ぎてしまいます。

最近職員の中で劇的なダイエットに成功した人が何人かいますが、話を聞いてとてもそんなことは出来ません。 日々の食事で必ず工夫をして、時間をかけて対処する以外に良い方法は見つかりません。 高齢になっても筋トレで筋肉量が増加することが最近の研究でわかったそうですが、そんな簡単なことが今までわからなかったのは不思議に思います。 年をとって一念発起し、筋トレでボディビルダーのような体型になったおじいさん、おばあさんは過去からいたように思います。

それゆえ生活習慣を変えるだけでできる健康増進法はあると思いますが、生活習慣や食事内容の改善よりサプリメントを飲んだり、薬に頼ったりするほうが人気があるようです。

胸焼けの対処法で『薬に頼らず直す方法』というネットの記事を読み進むと最後にこの本を買えば秘訣が書かれているとなっていました。 医療・介護の世界では無料での対処法は人気がないようです。 厚生労働省は医療費削減のための方策として、予防に関する書籍を一定以上の医療費を使った人に贈るなどしてはいかがでしょう。 かなりの医療費の削減につながると思います。

コメントを残す

上に戻る