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無駄

 このブログでも何度も紹介しましたが、私の趣味の一つに節約があります。 電気、ガス、水道は極力使わないようにしています。 冬の暖房・夏の冷房、風呂の代わりのシャワー、食品を廃棄しない、本は買わずに図書館で借り、TVは部屋に無く、無為に過ごす時間をなくしています。 もちろん趣味ですからそれを楽しんでいます。

食品の大型包装は割安な場合が多いですが、廃棄の可能性を考えて適正サイズにし、廃棄を減らしています。 初めは廃棄が出ないというよな直接的な節約でしたが、次に大事に取扱い長持ちさせることでした。 例えば革靴は数日に一度しか履かないようにしています。 靴屋さんに教えてもらった長持ちさせる方法で、一番長持ちさせている靴は35年、靴裏を三回張り替えて今も履いています。 そろそろ限界です。

楽をしないというのもあります。 近距離移動でタクシーを使う事は年一回くらいでしょうか? カッターシャツは家で洗ってのり付け、アイロンをしています。

最近は予防的な節約を心がけています。 病気になればアクティビティが低下し仕事が出来ないので病気にならないよう食べるもの、体の休め方、サプリメントに気を使っています。 結果的に大きな病気はありません。 高脂血症で食事は一日一食、それもカロリーを控えています。

人は食べる事、寝る事、酒を飲むことの誘惑になかなか勝ち続けられません。 私の場合喫煙がその誘惑です。 喫煙以外の誘惑も抗しがたいですが、総てお金がかかることなので収入を減らしています。

何のためにそこまでするか、生きている限りは健康で仕事もしてお金を稼ぐ意欲を失わず暮らしてゆきたいからです。

前職をやめて今の会社に来た最初の一年は収入がありませんでした。 翌年は月給10万円、その翌年は月給15万円、服が買えず同じ服を毎日着ていました。 靴もボロボロ、昼ごはんは菓子パン1個、散髪代を節約して電気バリカンで頭を丸め、銀行に数千万円の低金利事業資金の融資の相談に行きます、上場会社の仕入先に値引き交渉をします、取引が出来れば大きく出来る先に新規開発に行きます、ぼろぼろの服を着て、ぼろぼろの靴を履いて頭を丸めた中年はなかなか相手にしてくれません。 それでも粘り強く仕入交渉をして仕入金額を年間数千万円節約し、年収も50万円ほど上げました。

坊主頭でぎらついた目つき、ぼろの身なり、厳しい要求と追いつめる商談、ビジネスの世界では通用しにくいのかもしれません。 しかし当時は何とかしないといけない気持ちがなんとかできたのはこのハングリーな気持ちがあったからです。

一週間を待たずして65歳になり、最近介護保険証も送ってきました。 生きている限りはハングリーで少しぎらついたくらいの目で仕事をしていたい、私の場合は金銭的にハングリーでなければうまく生きて行けないので節約を趣味にしています。

社会的にも食品の賞味期限切れで廃棄される物が多いとか、投薬された薬の残りが膨大で数千億円になるとか、燃費の良い車が普及してガソリン売り上げが年々減少しているとか、省エネ、国レベルでは数兆円、節約の程度を上げていけば数十兆円、物の耐久性を上げ、予防的な節約をすれば百兆円近い節約できる国になると思います。 百兆円の節約の根拠はありませんが、荒っぽい推計としてGDP600兆円弱の18%、国民数が1億4千万人として一人当たり1万円節約すれば1兆4千億円、国民一人当たり約71万円の節約、十分可能な数字です。

国民一人当たり71万円の節約は消費が失われるので今の政府の施策と反する部分があります。 しかし経済規模が大きくなれば節約の可能性も大きくなります。 これを企業で検討すれば企業の成長に大きく寄与していきます。 社会全体で宿泊施設や車のシェアビジネスがこれだけ盛んになっていて、自分の机がないと不安、営業マンは自分の車がないと寂しいとか皆の机にボールペンが10本以上あるとか(そもそも紙に書くことがなくなってきているのに筆記具ばかりが増えている)、そのような無駄取りをして企業再生を行った事例は多くあります。 ボールペン1本300円、社員1000人の会社で3000本のボールペンを節約しても300万円の節約、それで債務超過数億円の企業が再生できません。 それでも再生できるのはもっと大きな無駄に皆が気付くからです。 時給換算5000円の所得の職員が10人の会議を3時間すれば15万円、会議の準備に10時間かければ50万円のコストがかかります。

節約は発想の転換と技術が必要です。 バブリーな考え方とは相いれず、利益の積み上げにはスマートな手法と思います。

 

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