監査役BLOG

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情報は多い方が良い?

 採用面接で人間関係の質問として携帯のアドレス帳に登録された人数を聞くことがあります。 普通は100人未満、多い人で500人、少ない人で5人とかです。 採否の判定基準ではありませんが、どのような人かを知る上で重要視しています。

最近はSNSの利用者が多く、その人の人間関係の広さの尺度としてアドレス帳の登録件数の意味が変わってきているかもしれません。 付き合いの多い人は情報の多い人、良くネットを活用する人は情報の多い人と言えるでしょう。

経営の要素で人・物・金・情報と言いますが、情報=過去の事象が仕事や経営に役に立つかというと役に立つ情報は少しでしょう。 将来の金利を優秀な銀行マンに聞いたことがあります。 自信たっぷりに金利を言います。 その金利はいつまで続くの?と聞くと半年と答えが返ってきました。 3年後はと聞くとそんなものは判らないとのことです。 将来の金利、それが3カ月先であっても台風の進路や地震の予測と同じくらい将来は予測しがたい事のように思います。

経営や仕事がうまくいくには将来予測が的を得るかどうかです。 介護保険制度が始まったときにサービス事業に乗り出した事業者はマーケとが大きく展開したので将来予測は的を得たのでしょう。 しかし最近のM&A案件を見ていると介護事業者の売却希望案件は大変多く、価格も低下(直近利益での回収期間の短縮)が見られます。

売却案件の収益性は様々で赤字のところもあれば十分な黒字を生んでいる所もあります。 譲渡希望事業者は新たな将来予測をしたか運営で失敗したかです。

介護サービス事業の収益性の将来予測はかなりの確率で分析する事が出来そうです。 日本のGDPが約530兆円、国債発行残高1000兆円超、介護保険制度の資質総額11兆円、明らかに大きな金額で今後増加していきます。 どこかで歯止めを効かさなければ破綻します。

主幹省庁である厚生労働省は医療についても介護についても事業者の規模と利益率について、M&A案件の傾向や譲渡価格、地域のサービスの濃淡等あらゆる情報を分析しています。 だからどうするという具体的な施策は決定するまで発表しませんが、制度がどのようになってゆくかの方向すら新聞などでも具体的に書かれません。

分析すれば当然見えてくる結果は介護事業分野などはかなり正確に予測できます。 分析データはネットでも収集できます。 たまに分析しているコンサルタントがいます。 当たらずとも遠からずの分析結果、正確ではありません。 特にいつという事は当たりません。

将来予測は情報の多い少ないではなく、どの情報に着目するか、その時系列の動きが将来を表します。 面白いのは指標となる情報が変わってゆくことです。 変わらなければ将来予測が出来て投資で大儲けできるでしょう。

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[経済]

マーケッティング

マーケッティング、いわゆる市場調査は一時期よく言われた言葉です。ドラッカーは市場に出ていないものはマーケッティングできないと言っています。

アイフォーンが出る前にアイフォーンのような多機能電話の市場調査ができないという事でしょう。 そもそもマーケッティングはモノやサービスが売れるかどうかを調べることで、営業が日々行っている活動がマーケッティングそのものであることが理解されていない場合があります。

当社の営業会議で『なぜ売れたのか?』、『たまたま売れました』というやり取りがあります。 もちろん個別の取引で偶然つまりは一般に市場が要求していない取引が行われた場合があることは想像できます。

マーケッター=営業が常の発言としてマーケッターらしい発言が多ければ『そうか、たまたまか』になりますが、いつもたまたまであればどうも納得がゆかず、もしそうなら営業会議を行う意味はなくなります。 営業会議でこの商品案内を今月のテーマとして行うとなっていた場合、特段の事情がない限りマーケッターとしては取引先全部に行うべきと思います。 ある営業に『何件案内しましたか?』と聞くと『4件』と回答、その営業の取引先は50件程度あるので『残りの取引先は?』と聞くと『今週は忙しかったので行けません。来週行きます』とのこと、翌週同じ質問をするとやはり行っていません。 この営業の成績は散々でした。

当社の営業は取扱商品が高齢者向け介護機器・用品で、同業他社との取扱商品の違いはありません。 市場調査と言ってもどこでも同じ商材を扱えるわけですから他社と差を出すにはあえて押している商品の評価などしかありません。 だから尚更ある商材を推売する案内を出すときは全件調査をし、調査制度を高めるべきです。

商品ありきで市場調査をしても顧客がどの業者も同じ商材を扱っていることを知っている(値段の違いはあるけれど)場合、個別の業者の推売商品に関心を持たないと考えられます。 全くその通りなら介護業者の営業は営業でない、つまりマーケティングの意味をなさなくなるわけですから単に言われたものを納品するだけの仕事になります。

商品によるマーケティングが無意味であれば販売方法のマーケティングが意味を持つかもしれません。 今それを行っている業者を聞いた事は無いですがそれでより販売が増えるのであれば販売方法のイノベーションになります。 しかし最初に書いたドラッカーの言によれば方法であっても誰もやっていないものであればマーケッティングはできないことになります。

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[経済]

最近の金融と経済

日銀のマイナス金利適用を前後して金融・経済現象が少なくとも私には理解不能に陥っています。 おそらく大変優秀な人たち、日銀の幹部や大型ファンドのアナリストたちはそれぞれの現象のかなりの部分の因果関係を理解し、予測しているものと思っていました。

例えば日銀がマイナス金利適用することはかなりの確率で予測していて、その影響について日銀総裁の黒田氏がいう円安にならないことなど予測していたのではと考えていました。

ところが黒田総裁のマイナス金利の適用を事前に予測した記事は日本経済新聞には出ていなかったように思いますし、マイナス金利公表後円高になる事を予測した記事も見つけられませんでした。

東北の大震災直後、円はドルに対し円高ドル安となりましたが逆に動いた個人投資家が大きく損をしたと聞いています。 経済や金融は全く予測不能、基本的に損得の世界ですから比較的わかりやすいはずなのですが全く予測できていないように思われます。

以前香港のファンドマネージャーの私的なセミナーを受けた時、彼はリーマンショックを予測し、リーマンショックの直前に株式投資をすべて手じまいし、ショック後の最安値で株を買い戻し、その年の運用成績を160%としました。

なぜ予測できたのか?との質問に『米国雇用統計と建設受注残高の統計だけを見ていた』と答えていました。 誰でも入手できるメジャーな統計データで見事リーマンショックを予測し、好成績を残したことになります。

先の読めない経済と金融を何とか読み解きたいと思い、ハーバードの経済・金融の有名な邦訳されている論文を読んでみましたが、過去の解説はなるほどと思うもののでは現在から先はどうか?となると全く役に立ちません。 おそらくそれらをよく読んでいるのが日銀の幹部の人たちなので、もっと読み込めば日銀の施策は理解できるかもしれません。

中小企業のオヤジとしては此処をうまく乗り切れば躍進出来て、舵取りを間違えば長期にわたる債務の返済か倒産が待っています。 この緊張感は私が一番好むものでハラハラドキドキ、調剤薬局のヒヤリハット解説書より刺激があります。 銀行はかつてない低金利の融資話を持ち込み、近隣の中小企業のオヤジは超低金利の融資で土地を買っています。

保険屋の部長まで『国策に沿ったものが勝ち残ります』とまことしやかに耳打ちしてくれます。 誰一人株や為替のの乱高下や消費の冷え込み、インフレからデフレへの変換などについ論理的な説明ができないにもかかわらず過去に比べて金利が安いというだけで色めきだっています。

たまたまドラッカーを読み直していたら『トレンドに逆らって成功はない』とあおるような指摘が目につき、『何もしないという意思決定もある』と弱気を押したりしています。

どうしたらよいかわからない悶々とした日々が続きますが、少し冷静になって自分ならどうするか、少し儲かったからヨーロッパ車でも買うか、余裕資金で底を打った株を拾いにゆくか、どれも確信のもてない選択です。

自分は事業経営を営んでいて、経済や金融が混とんとしていてもいずれ秩序が戻るときが来て、会社が無傷で生き残っていなければならない事を強く意識しなければなりません。

一人の人として考えれば予測がつかなければうかつに動かないことが鉄則、暗闇に光明が見え、確信が持てたなら勇気を振り絞ってその方向に進まねばなりません。 そのようなつもりで新聞を隅から隅まで読む日々を過ごしています。

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[経済]

為替

通貨である円がプラザ合意以降変動相場制に移行して数十年、私の日常生活で円相場はガソリン価格の変動で実感するぐらいでした。 ガソリン価格が高くなると円安といった具合です。

世界経済が順調に拡大した時期、バブル期以前では石油資源の枯渇が話題になり、アラブ産油国が共同して原油価格をコントロールするようになり、為替以外の要因で、石油価格の高止まりが原因でガソリン価格を意識するようになりました。

最近日常生活で為替を意識する物価の変動はありません。 むしろ消費税が物価という面で意識させられます。

私は輸入パスタを買うことが多いですが、価格はあまり変わっていません。 輸入肉類も同様です。

2月5日の本経済新聞夕刊に「円安局面に転機か」というコラムがありました。 昨年9月以降貿易ウェートで加重平均した実効為替レートで1月までの期間にドルは13%切りあがったということです。 ユーロは欧州中央銀行の量的緩和でユーロ安、中国元は経済成長鈍化(中国政府による為替政策もあり)対ドルで元安、一方円は殆どの通貨に対して円高となっているそうです。

日銀のインフレターゲット2%は実現すれば仮に国の借金が千兆円であれば毎年20兆円減少するというもの、ならばインフレ率の目標をもっと上げればもっと借金は小さくなりますが、おそらくコントロールできずないと予測しているのでしょう。 しかし、政府としてはもっとインフレになればもっと早く経済振興につながと当然考えると思います。

仮にインフレ率が10%になれば国の借金は国家予算一般会計ぐらいが減少します。 もちろんそんな事態になれば経済混乱が起きて円のデフォルト(債務不履行)も視野に入ってくるでしょう。

もしインフレにならなければギリシャのように日本も緊縮財政となり、経済は沈滞し、税収は減少し、新たな経済システムが定着するまで国債利払いを超長期で行わなければなりません。

私は経済も政治も専門外なので将来予測はできません。 もっとも的確に予測している経済の研究者がいるのかと訝るほどです。 一つ言えるのは大変大きな経済の転換期が迫っていて、かつてのガソリン価格で国際経済を意識するようなものではない全般的な影響が降りかかってくる時代に生きていると思います。

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[経済]

アベノミクス

海外でも評価の高いアベノミクス、第三の矢にあたる経済再建、その入り口で賃金上昇が話題になっています。 アベノミクスの全体像と目的は新聞でも解説されていますが、今一つ納得できないものがあります。

日銀の黒田総裁による異次元緩和はマーケットから国債を買い込む、政府から直接購入するのは禁じ手ですが結果は同じ、法的規制をかいくぐり、国債を買うことで国債の信用力をコントロールし、低金利を維持する、為替を円安にぶれさせる、それも輸出関連の大企業が程よい円/ドルレートと民主党政権時代に言われていた100円/$近辺で何か月も張り付いているのはさすがの感があります。

輸出ウェイトの高い企業は史上最高の決算で、日本は年率2%のインフレに向かいますから賃金を上げてくださいとここまでは筋が通っていると思います。 日本の企業の中には海外企業のM&Aで海外進出を加速させ、いずれ好決算を迎える企業も目白押しです。 国際的にもTPPが目の前に迫っています。

個別の企業、個別の製品について価格が2%上昇すれば、その製品原価に占める労働費は産業分野によって異なり、装置産業~小売業で30%~70%程度です。 200円価格が上昇し、原料も2%上がればその製品にかかわる人件費も2%上がれば公平感はあります。 仮に人件費の製品価格占める割合が50%なら200円の50%で100円の人件費増、給料という観点ではやはり2%アップになります。

競争力の弱い分野で製品価格を2%値上げし、2%賃上げすれば競争力がないゆえにマーケットから撤退することになるでしょう。 勝ってる企業は賃金を上げ、売上数量が同じなら売上高は2%増加し、賃金も2%増加し、企業の利益はその企業の財務体質にもよるでしょうが黒字企業であれば2%以上の利益増になります。

この単純化された計算では企業の利益の積み増しに見えますが、年率2%のインフレが達成されれば税引き後利益が2%アップしてもその価値は前年同額となります。 そこで一番得をするのが大きな負債を抱えている主体で、国債発行残が1000兆円を超える国家で、年率2%の減価、つまり毎年20兆円の負債の重みが軽減することになります。

法人所得税減税で企業の投資意欲が増加して生産効率が上がり(日本の生産性は国際的に低い)、賃金上昇で個人所得税収が上がり、医療・福祉の財政支出を抑え、国の債務がさらに減少すれば政権安定に寄与します。

では誰が割を食うかと言えば生産性の低い産業分野に属する企業とそこで働く人で、結果的には格差拡大に向かうことになり、野党はこれら一連の施策に反対することになります。 さらに資産保有者ということになるでしょう。 1億円の預金はインフレ率-預金金利=マイナスとなりますので、お金持ちは土地や株式に資産を振り向けるでしょう。 海外に外貨預金する人も増えてくるでしょう。

自由経済の下で優勝劣敗や国際間の障壁をなくしてゆくトレンドは鎖国でもしない限り避けられません。
競争力の弱い企業にも投資を促すべく、銀行にディテールの貸付増を財務省は促しており、当社のような零細企業にもメガバンクの営業担当は営業に来られます。

小泉政権時、規制緩和で国際競争力を高める政策が多くみられ、郵政民営化もその一つだと思います。 あの頃タクシーに乗ると運転手が突然と「小泉は悪い」と言ったのが印象に残っています。 最近の記事でタクシーの総量規制について記事が出ていました。 自由化に向け国は着々と規制を再開し、経済政策が上手く軌道に乗れば規制緩和を始めると思います。

貿易統計で赤字が史上最高となっており、発電原料の輸入増が原因のようですが、一時的なものと評価されています。 輸出ドライブがかかれば吸収できる範囲で、長期的にはシェールガスのおかげて燃料資源価格は上げどまりしているように思います。

総括すればよくできた政策転換に見えますが、大きな変化に軋みはつきもので日本の復活に海外諸国が手を拱いているはずもなく、日本企業の技術力で国際マーケットに必ず打ち勝てるとは限りません。

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[社会]

[経済]

不動産マーケット

友人の不動産業者が「不動産売買のネット仲介はなじまない」と言っていました。 その理由は物件がすべて異なることにある、つまり土地なら同じ場所に同じものは二つとないということでしょうか。

さらに、一般に知れ渡った物件はあまり売れないらしいです。 誰も買わないのなら何かあるはずと買い手は疑うようです。

今、新規出店の物件を調べていますが、初めによいと思ったものは仲介業者が「家主が退去時の原状回復義務を強硬に言う人だ、さらに隣家の住人はクレーマーで夜に借りた事務所に明かりがついていると文句を言う」とのことで断念しました。

この件は、売買ではなく賃貸ですが、ネットの情報ではそんなことまで記載しないでしょうし、記載すれば隣家のクレーマーはクレームを言ってくるでしょう。

それほど物件ごとの個別性は高いし、外から見えないものがあるようです。

不動産で不思議なことの二点目は大型物件ほど稼働率が低いということです。 確かに賃貸マンションで100室ある物件と20室の物件では満室になる確率は20室の物件のほうが高いかもしれませんが、稼働率で家は90%稼働でいえば20室に対し2室が空き、100室に対して10室が空きとなります。

仲介業者から見れば賃料の妥当性が同等なら空いている確率の高い大型物件を紹介するのではないか、結果的に大型物件で満室にならなくとも稼働率という点で小型物件より高くなるのではないかと想像しますがそうではないようです。

これも明確で納得のゆく説明はありませんが、経験上そのようです。

マーケットの機能は需給のマッチングがありますが、マーケットがこの機能を果たさないとその分野で新規事業を立ち上げる際にリスクとなります。

高齢者介護の業界で高齢者施設(居住系)でこの傾向が見られます。 稼働率が低い場合の殆どは営業力の無さで済まされています。 我々が見て良い物件の稼働率が低く、サービスの悪い物件の集客が良いケースが見られます。 自分が要介護になっても決して入居したくない物件が数多くあります。

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[経済]

景気回復

内閣府が5日に発表した景気動向指数(2010年=100)速報値によると景気の現状を示す一致指数は105.9となり、前月に比べ0.8ポイント上昇したようです。

上昇は6ヶ月連続だそうです。すでに景気回復局面に入った可能性が高いとの暫定的判断が示されました。(6日日経朝刊)

世界には何十億人という人間が蠢いていて、経済的にはボーダレスに向かっているように思います。 世界中で財やサービスの生産による付加価値は世界を巡り、賃金水準や生活水準、社会的インフラの格差は縮まって行きます。 日本で時給1000円の仕事をベトナムで行えば仮に100円だとしてもその差は急激に詰まってきます。

同じ仕事の3年後の対価が日本で800円になり、ベトナムで300円になるとします。 大阪の最低賃金は800円/時間ですから変更がなければこの仕事が大阪から消滅するのは時間の問題です。

これは産業空洞化の一面だと思いますが、外国との労働の対価の差が薄まれば産業はより差の大きい国での生産を行いますが、どこの国でも平均的な労働単価がほぼ同じになれば、つまり世界中の平均所得の差が小さくなれば比較的裕福だった日本の平均収入は相対的に低下します。

そのような方向に向かってゆく中でより付加価値の高い産業分野が知的財産や技術者の教育水準に裏打ちされ、成長するはずですが、弱電を見れば明らかなように技術の流出および技術者の流出であっという間に産地移動してしまいます。

内閣府の判断は一面で正しいのでしょうが、超長期の傾向を見るうえで参考にならない気がしました。

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[経済]

物流業

物流業のイメージは地味で低賃金、先日ある大学の合同企業説明会に参加したとき隣のブースは物流業でしたが、当社(介護事業)同様学生に人気がありません。

そもそも今の新卒学生は自分の将来の夢を持っているのか、当社では中途採用が圧倒的に多い中で採用面接で『夢はありますか?』と聞いたときに答をもっている人が少ないです。

では何が好きか?、将来購入したいものは何か?、したいことは何か?、多いのは結婚して子供を作り、一戸建てを買うことですとか。 自分の20歳代を振り返って何を思っていたか、当社のお客様に新卒で勤めた会社の人が居て、担当営業に「本西は入社したときに将来社長になると言っていた」と話したそうです。 だから私はサラリーマンになったときに社長になろうと思っていたらしいです。

小学生のときに将来何になりたいか、作文を書かされ、医者か消防士かを迷った挙句消防士と書いたのを覚えています。 消火活動と人命救助をするのは『かっこいい』職業に見えたのでしょう。 結婚して30歳をすぎると上司に恵まれ無かったために仕事はそこそこで、趣味の登山に明け暮れ、将来社長になりたいという夢は消えうせました。 社内の人間関係も築かなかったために自らの仕事に没頭できても会社に対する目標はあっさり消え、転職して今日に至っています。

話は逸れましたが、仕事は世の中に対してどのような貢献をしてそれを収入とするか、につきますので『世の中のここをこう変えたい』とか『このような事をこんな方法で行って稼ぎたい』とか、その情熱が仕事を支えると思います。

旅行が好きだから旅行者に勤めるとか、火事で大切な人を亡くしたので消防士になるとか、しかしそのような根源的なものが無ければならないと思います。 誰でもいくつか持っています。

私の場合なら物質的に貧しい幼年期を過ごしたのでお金を稼ぎ貯めるのが好きとか、周囲に優秀な人が居て学歴で勝ちたいとか(残念ながら勉強はさっぱりでした)、前近代的な企業に勤めて「厳しくともよいから働きやすい環境で働きたい」とかいろいろ出てきます。

多くの人は嫌な事は嫌と、楽しいことや好きなことはそのように感じます。 そこで感じた事を少し考えて自噴の職業選択に生かせばよいと思うのですが。

本題の流通業、決して地味なものではなくアマゾンを初めとする会社は超巨大な物流倉庫(延べ床面積20万㎡)、100万アイテムの商品の仕分け・配送システムを作り出しています。 先日医薬品卸の倉庫を見学させてもら、いあまりに巨大、機械化、管理やセキュリティー水準の高さに驚きました。 2万4千アイテムの医薬品を管理しています。 包装の形状・重さ・使用期限など管理対象です。

つまりアマゾンは商品を100万種用意し、ネットで紹介し、ユーザーが発注ボタンをクリックすると最短その日のうちにし用品のピッキング・包装そして流通に載せられます。

もう卸や小売店は存在価値が薄れてきます。 要の技術は倉庫の中にあり、これが広がれば日本から小売や卸が姿を消すことになります。

アマゾンはネットショプですが、配送システムや在庫管理の側面からは流通業者になり、最終形はメーカーに製品企画を出してネットにアップし、流通コスト以外に商品企画やブランドによる利益も得ることになります。 流通業恐るべしで、アマゾンをネットショップと考えてしまうと大きく勘違いに陥ります。

デパートは高級ブランドを集めて商圏を維持しています。 しかしユニクロは店舗展開は必要ないかもしれません。 何万円もする商品が無いわけですからネットで買えばよいわけです。 ユニクロとアマゾンがコラボすれば多店舗の家賃や販売員の給料も節約できますし、海外販売も容易になると思います。

それが見えるようになったとき企業合同説明会で一番学生が列を成すのは物流業かもしれません。

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[経済]

為替

日銀総裁が白川氏から黒田氏に代わり、円マーケットに資金が溢れることで円安が進行しています。 二人の総裁が行う日銀の施策に変わりが無く、違いといえばマスコミに対するプレゼンテーションのやり方、もちろん施策の規模は黒川氏のほうが大胆ですが。

どこの国においても為替は自国通貨が安ければ輸出企業は輸出のアドバンテージがあるので優位性がありますし、輸出企業を育成しようとしているところは自国通貨安を歓迎するでしょう。

輸出企業、特に日本のような加工貿易国にとって、発言力や政治力は強く、輸入品高騰によるディメリットは企業・国民にとって広く負担することになり、発言力は比較的小さいことになります。 経済弱者を支持基盤とするところは為替の問題を弱者救済の議論にするでしょうが、円高のときにそれが好ましいというより失業者支援をテーマにするでしょう。

そもそも株価や為替といったものは跡付けの理論はあっても予測は困難なものですから、投機的マーケットが存在するわけです。 ゲームで言えば将棋や碁ではなくマージャンのようなものでしょうか。

100円/ドルが好ましいというような記事が経済新聞に掲載されますが、競馬で俺はこれこれの馬に賭けているのでそれが1位にきてほしいといっているような気がします。 もちろん輸出型企業にとって為替は利益の確定要素ではありますが。

その一方で日銀の施策が為替コントロールではなくデフレ対策と言っていて、国際的にも為替対策でないことが了解されています。 経済振興にとってまたは経済の国際協調面でデフレ局面の調整がいかに困難であるかが窺い知れます。

私自身はデフレでもインフレでも経済成長戦略を取れるように思うのですが、どこかの所得層や産業分野に痛みを伴うか調整が困難なのか、そういったことを想像しました。

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[経済]

外国為替

仕事への集中が途切れると余計な事を考えるものです。 私の仕事のやり方は権限委譲を進める方法で、空いた自分の時間を新たなことに投入する方法で今まで会社の運営を進めてきました。

例えば社員の採用は自分がとことん面接しないと採用しませんし、人に任せることが出来ません。 人財というなら何が財か自分で見極める必要があります。 しかしこれもそれぞれの部署の責任者と面接を繰り返してゆくうちにその責任者が過たず適否を判断してくれるようになります。
そうすると途端に面接業務に就いて感心を失い、一切人に任せてしまいます。 どちらかといえば結果的に採用した人をいかに育て、いかに使うかに関心が移ります。

そのようにどんどん仕事を他人に任せ、自分がやらなければならないと思う仕事に自分の時間を投入しているとだんだんやらなければならないこと、やりたいことの時間が減ってきます。 新たなことに関心がうせるのか、他者にる仕事の量が多すぎて自分がやるべき仕事がなくなってしまったのか、よくわかりません。

一昨年はそのような時期で、外国為替、ドル/円に関心が行きました。 もともと金融に対する知識は低く、一体どういう要員で為替が変動するのか不思議でした。 金融の本を読み新聞の金融や国際経済の記事を読み、検討しましたが相場の解説が理解できません。 特に東北の震災直後に縁がドルに対して高騰したのは記憶に新しいところですが、いろいろ解説を読んでも不可解でした。 私の結論はドルに対して円が高すぎるだろう、ということでした。

結論から言うと暇なときに余計な事を考えるのですが、株式投資や為替取引は投資というより博打と思います。 投資も博打も不確定要素はありますが、不確定要素がほぼ100パーセントのものを博打と定義しています。 為替は私にとって博打です。

会社で資金作りに為替取引をしようと取締役会で提案しましたがまったく誰も相手にしてくれません。 仕方なく自分で手銭で投資しました。 2011年12月にFXでは無く手数料の高い外貨普通預金で11000ドル投資しました。 約86万円の投資です。 毎日為替レートを見るのが楽しみになりましたが、その後このときのドル購入相場(78円/ドル)より円高にならなかったので追加購入にいたりませんでした。
FXにしなかったのは自分の性格上個人投資の最高倍率25倍まで買い進むと思ったからです。 外か普通預金であれば手数料は高いですが投資金額分しか購入できません。 これが法人FX口座であればなんと200倍まで買い進めます。 申込金100万円であれば2千万円までドルを買い進むことが出来ます。 たまたま後輩が農産物商社を営み、輸入代金決済資金のリスクヘッジをFXで行っていたのですが、大きな穴を明けで破産した年でしたので、私も用心深くなったのだと思います。

今は78円5銭/1ドルが約91円となっており、手数料を引いて約12円/ドルです。 もし法人FX口座を開設し、1億円投資すれば15,374千円、200倍の倍率であれば約30億円の利益になります。 法人税を40%としても18円の繰越利益を生みます。

厳格な経理部長が居たおかげで危ない橋を渡ったり、濡れ手に粟の大儲けもせずに居ります。 そもそも私は博打が好きでたまに得意で、今回は強い確信を持っていました。 過去の人生でも何度かこういった確信を抱きましたが、ちなみに厳格な経理部長はそういった博才は私はまったく感じません。
ひたすら事業会社は博打をすべきで無いという価値観を推し進めてきましたし、私がごり押しすれば会社を辞めておられたと思います。
私のこの神がかりの確信が博打ではなく事業でヒットすればよいのですが。

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