監査役BLOG

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社員教育

[社員教育]

人の成長

寒空に立つ銅像
ある大学に求人の件で訪問すると創立者と思われる銅像に毛糸の帽子、めがね、マフラーが巻かれていました。
いたずらと言うよりほほえましさを感じました。

応募者と面接をしていたり、社内セミナーを行っていて『自らの成長を目指す』という発言を聞きます。
何か向上心や自己啓発を感じる発言ですが、あるとき「あなたにとって成長とは難ですか?」と聞きました。
「腹が立っても笑っていられるようになること」と返事が返ってきて、何か違うな、と思いました。
風邪を引いて鼻水がたれるからそれを止める薬を飲む、発熱したので解熱剤を飲む等症状を抑えます。 症状を抑えることで体が楽になるからで、対症療法は疾患そのものを治癒するものではないらしいです。

一方規則正しい生活をして、過食せず睡眠も十分にとり、適度な運動も定期的に行うと体は丈夫で風邪など引きにくくなります。 これは健康だと思います。

腹がたってもポーカーフェイスでいることは切れて怒るよりはましでしょうが忍耐そのものです。 成長した人、人としてこなれた人はいたずらに怒ることはないでしょうが怒ることはやはりあると思います。 それは多くの人が『もっともだ』と思うようなことだと思います。
単に怒りの感情を表に出さないだけであれば処世術かもしれません。 怒るべきは怒り、怒りの原因を正すまともな行動や発言、それは往々にして勇気のいることですが、できる人が成長出来た人のように思います。

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なぜ働くのか?

昨日は介護業界の新年会があり、200人以上の参加者がいました。 私は顔や雰囲気に特徴があるのか、たくさんの人に覚えられていて挨拶を受けました。

残念ながら人の顔を覚えるのが苦手で、挨拶してくれた何人かの人は記憶の外におられました。 また多くの人が転職されていました。 転職が多いのがこの業界の特徴かもしれません。

挨拶を受けて話をして、ついつい質問を繰り返してしまう人もおられます。 ある人が「刑事に尋問されているようだ」と私のことを評しました。 わざわざ愚痴を言う人もいれば嫌味ばかり言う同業の人もいます。 この人はどうしても馴染めない性格で、「早く他に行ってくれ」と言う顔をしているのになかなか席を立ちません。

そもそも介護業界の殆んどの仕事は『人対人』の仕事で、定型化しにくいために様々な問題が起こります。 それを話題にするもよし、問題に対する考え方を話すのもよし、何も愚痴や嫌味を言う為に会社の経費を使って同業者に嫌われに来る必要もないだろうと思います。

会社は仕事をする所、会社で仲間を求めたり、楽しい話題をするのはかまわないと思いますが、それが主目的としか思えない人もいます。
当社にもいて、のべつくまなく周囲の人間の緩みを見つけては喋りたがります。 さすがに一人のときに喋りはしませんが、考えをまとめる仕事をしている時にはうるさくて仕方ありません。

今いる事務所で働く人は電話での外部連絡や同僚間での意見交換など比較的騒々しいです。 その騒音は殆んど気にならないのですが、声に感情が込められていると反応してしまいます。

怒りや謝意など耳が音以上のものを拾ってしまいますが、全く気の抜けた内容の無い話題が聞こえてくると「仕事する気あるの、無いなら辞めたら」と言いたくなります。

本当に仕事をしている事務所は職種に寄らず緊張感が漂うものです。

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マネージメント

 

当社において管理職といえば薬局長、店長、居宅の所長、所属メンバーはそれぞれ15人、14人、10人、20人となります。
アメリカの経営学者コリンズ氏は組織単位の長の最大の役割は先生、教える人と言っています。
私もその通りと思います。 薬剤師は薬学知識を前提に国家資格を有しますが、例えば当社に就職して調剤業務に携わっても仕事になりません。
まず棚位置(どの棚にどの薬があるか)、機械の使用方法を覚え、ピッキング、監査を覚え、服薬指導を覚え、接客、クレーマー対応、発注、在庫管理など等覚えて行きます。
ほぼ一人前まで半年から1年でしょうか。 営業もケアマネージャーも同様です。 早い人もいればいつまでも半人前の人もいます。 半人前や身勝手の人はその人のためにも周りの人の為にも存在を許すわけには行きません。

そこで○○長は教えます。 知識、情報はそのあり場所、調べ方を教えれば自分で獲得できます。 一番教えなければいけないことはなぜこの仕事をするのか、どのようにしなければいけないのか、ということでしょう。

それが解れば後は自分で学んで行きます。 「何のためにこの仕事をしているの?」、「給料の為」・・・最悪です。 「なんのために仕事をするのか」を明確に教えることはいまや難しいことになっています。
なぜなら情報や価値観が氾濫し、それを整理する判断力が個々人に無いからです。 厳しい叱責を攻撃としか判断できないからです。

たまに新聞に関連記事があり、言われた側の人間がうつ病になった話がでています。 労災申請が成され、訴訟が起こったりすると叱責したものは加害者のレッテルが貼られます。

勿論、陰湿な虐めはあります。 しかし言を尽くして伝わらない場合は、そして伝えざるをえないものである場合はお互いが悲惨です。
日本の労働法は安易な解雇を認めていません。 当然なのですが、たとえは職員に試験をし、何のためにこの仕事をするのか?、管理職は何をすべきか?、経営者の存在理由は?と問い、「給料の為」、「文句を言うこと」、「存在理由はない」と回答した人は即時解雇しても良いと法改正してはいかがでしょう。 試験ですから悪用の仕様が無いと思います。

 

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伝えるべき事

 

会社の経営者や管理職は組織の構成員に言いたいことは常にあります。 「私語を慎め」、「もっと売上を上げろ」、「事務所を掃除しろ」、「机の上を片付けろ」等果てしなく不満があります。
言わなきゃ解らない、言われなきゃ解らないという意見も多く、嫌われながらも言い続けている経営者も沢山居られます。

さて言った効果のほどは、「言うことを聞かない」という言葉が象徴しています。 一方言われ続けたほうの言い分はというと「同じことばっか、バカじゃない」とか「給料安いのによく言うぜ」とか「あれが仕事と思っている」とかです。

経営者も管理職も職員も誰もが勤めている会社が潰れてしまえばよいと思っていません。 もしそう思っているのならさっさと会社を清算するか、転職すればよいわけで、そこまでしないのは相互の反応は悪しき習慣になっていると思います。

殆んどの人が自ら勤める会社が発展し、所得が増えることを望んでいるはずです。 そのためにそれぞれの役職に応じて「使命・役割・仕事」があり、それを果たす上で権限や義務や多くの約束事があります。

一番の解決策は経営者も管理職も何を考え、何に責任を持つのか、それを明確に言い続けるしかないのです。 その時、こんなことを言っても誰も聞かないとあきらめないことでしょう。
人は他人にあれはだめ、これはこうしろと言われるのが一番嫌なのです。

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セミナー

 

昨晩、社外取締役が主催する営業職対象の社内セミナーがあり、代役をしました。 ドラッカーの『仕事の哲学』のなかの「強み」の章を担当した職員の一人が内容をプレゼンテーションするもので、出席者は質問や内容の評価を行い、最後に主催者がまとめるというものです。

テキストの論旨は社会や会社に貢献する実績を上げるには自分の強みを発揮する以外に無いというものです。
発表者はそのことをよく理解していました。 しかし自分の強みは何かと言うことで話題は展開しませんでした。 その中で一人の職員は「自分の強みを言いたくは無いですが、誠実であること考えている」と披瀝しました。 そして「あなたの強みは」と質問しましたが、明確な答えは返ってきませんでした。
ドラッカーも指摘しているように自分の強みは解りにくいもの、また言いたくないものかもしれません。

その後も店の強みは何か、強みを見つける方法は、強みは複数あるのでは、強みは変化するものではないか等々実践的な質問つづきました。 参加した職員の多くがドラッカーの記述を真剣に読み、考え、何とか役に立て、実績を上げて今度の賞与はアップさせたいと言う重いが感じられました。

私としては社員の成長を目の当たりにしてうれしい反面、なぜ自分の強みを話題にしないのか不思議に思いました。 また強みの質も話題になりませんでしたが、商品の説明がうまい、市内の移動に際して的確にルートを選べる、事務処理を間違いなくこなしている、個人の強みをスキルや技と考えている人が多いのかもしれません。

ドラッカーの言う強みは技やスキルではなく、前出の『誠実に生きる』のようなものだと思います。 このような強みは人生の夢を達成するのに必要で、今月の実績をアップさせるのにあまり役に立たないかもしれません。
裏を返せば参加者が人生の究極の夢を描けていないのかと思いました。

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薬の話

薬局で月に1回、製薬メーカーの講師に来ていただき、そのメーカーの薬の効能などについてセミナーをやってもらいます。

先日は第一三共の『クラビット』という抗菌剤のお話でした。
医者と薬剤師向けの内容で専門的であり、私のような門外漢が聞いても7割はわかりません。
しかし理解できることは非常に単純です。
課題があります。 クラビットは抗菌剤ですから細菌を殺すのが働きです。 以前100mgの錠剤が許可されていましたが、このたび500ngが販売できるようになったとのことです。
わけもわからず500mgが必要なら100mgを5錠飲めばよいと単純に質問しました。 厚労省は医科向け薬剤の承認に際し、用法容量が指定されます。 つまりクラビットは1回100mg投薬しか認められていなかったのです。
海外では1000mg投薬など認められており、今回日本でも認められた為に500mg錠剤が販売されることになりました。
クラビットを服用すると血中濃度が急速に上がり24時間で殆んどが尿中に排泄されます。 一方従来の服薬方法である100mgを数回に分けて服用すると、服薬後の血中濃度はあまりあがらず、次の1錠を飲む頃には前に飲んだ薬剤が排出されています。 つまり血中濃度が一定以上になることはありません。

ここで面白いのは殺菌作用があるのはある濃度以上で、それ以下の濃度では耐性菌を生むことになりことです。 それゆえ高い血中濃度が有効になるのですが、一方で副作用が問題となります。
たったこれだけのことのために色々な菌に対して効果があるか、疾患の種類ごとに副作用が出ないか、さまざまな治験データが紹介され、これだけデータを出さないと承認されないのか、投薬する上で必要な知識なのかは解りません。(私にとってはどうでも良いことです)

セミナーを受けて、これは社員教育や地域戦略と同じではないかと思いました。 社員に教育する時にちょっとずつ教えるのと困難ケースを一人でいきなりやらせる方法です。 ちょっとずつ教えると受け手が受け入れない時に言い訳=耐性菌を考えます。
いきなり困難ケースの場合、自信を失い、仕事に意欲を失う=副作用が見られます。 本人次第、内容次第で管理職は新人教育の場合に使い分けていると思います。

地域戦略では、ある地域で当社を含め3社がそれぞれ営業2名を投入してしのぎを削っている場合、当社が地域を掌握しようと3名を投入します。 他の2社は2名体制でチームプレーを工夫したり、値引きをしたりして対抗策を講じます。(=耐性菌) 当社は1名増員の割りに成果を挙げられません。
しかし4名投入すると営業密度は2倍になり、短期に地域を掌握し、掌握後もとの2名体制で十分という場合があります。 又は4名で頻繁に営業に来られると営業の名前は覚えられないし、時間はとられるなど逆効果=副作用になるかもしれません。

薬も教育も地域のせめぎあいも投入量に対する成果の比率で決まります。 薬の場合、重篤な副作用が見られると投薬方法は採用されません。
地域戦略であれば信用失墜などは重篤な副作用に当たるでしょうし、社員教育ではモチベーションの低下などがそれにあたるでしょう。
私は薬に関して知識がなく、イメージとしてはクラビットは悪人=菌をやっつけるホワイトナイトですが、専門的には殺してはいけない菌や組織のダメージ、その他の副作用と複雑と思われます。 知らないだけに薬は善悪がはっきりしてわかり良いと思ってしまいます。

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社内の学習会

当社は社内で学習会を定期的に行っています。 最近ちょっとテンション低いかなと懸念しています。 私は55歳で参加者の殆どは30歳前後、決算書の読み方であったり、手帳の使い方であったり、内容は様々です。
私は人に教えるのが嫌いというか面倒というか、例えば単純ミスが続いたときに、その防止策は徹底して行う以外に方法が無ければ、「凡事徹底」と言う程度です。 この言葉が記憶され、業務がずさんになったときに思い出してくれればよいかな程度のことです。
凡事は役職、立場にかかわらずあります。 社長業に凡事はたくさんあります。 定型業務を反復して行えば凡事で、私の場合は毎日日経新聞を読むとか、毎朝薬局を掃除するとかです。 習慣にしてしまえば苦痛は余りありませんが、時間は確実に係ります。
それを楽しんでやれと指導する講習会がありましたが、私は凡事は淡々とこなさなければ期待する成果は得られないと思い、凡事に感情を込める事はしません。 その姿を見た人は凡事徹底の意味を悟るのだと思います。 私はそうでした。
禅宗の僧侶が早朝もくもくと掃除を美しい所作で行うのを見て、心の素直な人は掃除にこめられた意味を悟るでしょう。 私の掃除する姿に社員が悟りを開かなければ、私の掃除に対する無心さが足らないと思いますし、これが本当の教育なのかと思っています。
教えるほうも真剣なのです。

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社員との面談

 社員とランチミーティングを行っています。 発端は薬局で薬剤師免許をもたない私と薬剤師のコミュニケーションを深めることにありました。 何故コミュニケーションかというと薬局のミーティングに参加し、経営に関する発言をしてもまったく意見も何も出ないことにありました。
 毎朝1時間早く出勤し、薬局の掃除を1年間続け、ランチミーティングを提案しました。 薬局の掃除は毎朝開局準備のために2名が当番制で掃除を行うものです。 それより早く出勤し、掃除を手伝うと、ともに働いているという意識が芽生え、心をこめた挨拶を受け、ちょっとした会話を受けることにもなりました。 ちなみに14名の職員が働いていて、すべて女性です。
 ランチミーティングのテーマは2つ、仕事や人生の夢を聞くこと、経営者に何を望むかです。 平均年齢40歳ぐらいで、夢と言えるものを語ってくれた人は皆無でした。 経営者に望むものは同様に批判につながると思われたのか、1人だけ発言がありました。
 では一人1時間のランチミーティングで何が話されたのかというと本来秘密にすべき家庭内の事情が多く、「そんなこと話していいの」 と言うような内容でした。
 これを評価すると、会社のボスには何も話したくない人が半分、後の半分はせっかくだから一番悩んでいる話を聞いて欲しいのかなと思いました。 また終わり際に経営に関する質問、同僚の評価などを求められたりし、問題ない範囲で答えました。
 薬剤師以外の人にもランチミーティングをしていますが、同様です。 経営者は会社を良くしたいと普通は思うもの、そのために自分の小遣いでそこそこの昼ごはんをご馳走しています。 素直にとって欲しいのですが、年齢、性別、立場の違いは埋められません。 そこで一巡すれば第二ラウンドをと考えています。
 ある都銀の支店長が夜の懇親飲み会を毎日行い、年収のすべてを費やした話を聞きました。
 それもこれを始めるきっかけになったのですが、こんなことをやっていて良いのだろうか?と不安になり、経験豊富な社会保険労務士に相談しました。 答えは「すばらしい行い」と言うものでした。 経営研究会で同様の質問をしましたが、大企業の部長から『経営者は大変だ』と慰められました。
 少し冷静になって考えて見れば、働いている会社の経営者は一番話しづらい相手かもしれません。
 第二ラウンドが始まれば、またブログに書こうと思います。 社員が約50名、3ヶ月で1ラウンドかと思っています。 女性陣も3ヶ月に1回なら付き合ってくれるでしょうし、そのうちに聞きたいことを話しても良いと思うかもしれません。

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社内研修

 昨日は社内研修、P.F.ドラッカーの論文サマリーの一部を読んで何を学んだか? をプレゼンする日でした。 中堅営業の社員がマネジメントについて発表しました。
 私は立場上マネジメントとリーダーシップについて常に考えています。 ドラッカーの定義は経営者でないとわかりにくいものです。 ドラッカーの表現が稚拙と言うわけではなく、マネジメントを言葉で定義することが本来難しいと思います。
 私はマネジメントは端的に社内教育と思っています。 社内教育は仕事について知識、経験、方法、ルールに関するものに限定されます。
 例えばパン屋さんの社長=オヤジは若い職人に生地の捏ね方、塩加減、バターの量、オーブンで焼くときの温度や時間を教えます。 何時にパンが焼きあがれば焼きたてのパンがよく売れるのか、どのように並べると美味しそうに見えるのか、今はやっているパンは何かなど教えます。 さらに小麦粉の原価はいくら、オーブンのガス代はいくら、お客の来る範囲はどのあたりまでなども教えるかもしれません。 つまり親方がいなくても店が成り立つようにするでしょう。
 親方はすべて教えると何をするか、職人が店を切り盛りして儲かるのであれば遊んでいるかもしれません。 別の親方は、競合するパン屋の偵察に行くかもしれません。 統計資料からパンの需要の推定をするかもしれません。
 恐らく遊んでいる親方の店が発展することが無いでしょうし、努力をしている親方の店はラッキーにも発展するかもしれません。
 当社の社内教育はドラッカーのテキストです。 介護用品の販売スキルの訓練や研修は各現場で行います。 では何故ドラッカーかと言うと、パン屋の例で言えば将来発展するであろう次の親方を育てているのです。 当社が経営方針として次々に暖簾分けを目論んでいる訳ではありません。 皆が経営者がどうあるべきかを学んでもらい、経営方針に沿って力を発揮してもらうのが目的です。
 マネジメントの話に戻って、マネジメントが長けている経営は強い経営と思いますが発展する可能性は低いと考えられます。 なぜなら企業が発展するためには、優れたマネジメントと同時に発展する意志をもたなくてはなりません。 ここで言う発展は端的に大きな会社にすることですが、発展することが経営者にとっても社員にとっても利益でなくてはなりません。 たいていは利益になります。 町の自動車修理工場よりもトヨタの方がより経営として安定し、大きな利益を稼ぎ、社員の給料も高いはずです。
 社員はなかなかマネジメントを正しく理解できませんし、企業におけるリーダーシップはなお理解できないでしょう。 なぜなら答えが一つに決まらないし、それをやったことが無いからです。
 でも社内研修で学ぶことで企業業績は向上する場合が多いですし、社内研修なしに発展できないと思います。 
 社内研修は残業代もつきませんし、営業の現場ですぐに役立つものではありません。 内心参加したくない社員も多いことと思いますが、企業の発展に社員研修が必須と思えばとことんやるべきでしょう。 それはよいとして如何に主体的に参加するかが、個人の成長の鍵を握ることになると思います。

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作文

 職員のケアマネージャーから「どうしたら文章が書けるのか教えて欲しい」と言われました。 ケアマネジャーは文書作成の多い仕事で、利用者とのコミュニケーション結果や問題点を記録に留める仕事です。 従って文章をかけないケアマネージャーは致命的といえます。
 その人はいつもパソコンと睨めっこをしています。 しかしケアマネジャーの報告書は私にとっては楽な作文であると思います。 書く内容は決まっているからで、正確な状況を記載すればよく、読み手のイメージを膨らましたり、感動を与えたりは必要ありません。
 その人は私のブログを読んで質問してきたのです。 毎日趣味でブログに投稿することは理解できないのでしょう。
 同じ考えの読者に何故私がブログを書き始めたか解説します。  

 サラリーマンをしていたときに、契約書作成、社内規定作成、社史編纂など文章にかかわる仕事を担当しました。 担当になった理由は、担当を決めた人に聞かなかったのでわかりません。
 当時コンプライアンスに対する社内の認識が低く、社内報にそれを啓蒙する文章を書き、反響を呼びました。
 調子に乗って、自分がやりたい組織編制、権限規定、マーケティングの記事を書き綴り、それぞれ評判になりました。
 また、ある専務に取締役会の申請書の作成を指示され、私が作成したらすんなり通りました。
 申請書の整理、会議の議事録作成などもやっており、会議にでてどのような議論がなされるのか解かると、槍玉にあがらない申請書、すんなり評価される申請書は簡単に作成できます。
 勿論、申請内容に明らかなまやかしがあればそうは行きませんが。 もう少し自慢させてもらうと、当時の取締役会の申請書をすべて私が作成したら、会議の時間は半分以下にできたと思います。 会議の申請書は何らかの意思決定のためのものが殆どで、決定すれば何をしなくてはいけないか、もたらされる利益と不利益は何かがわかればよいのです。

 多分そのような積み重ねが、書いた内容の評価より、文章を書く能力に評価の主眼があり、文書作成の仕事がまわってきたのだと思います。
 やりたかった仕事の一部は社内規定作成の中でこっそりやらせてもらいました。 例えば、審査規定で店長の与信権限が低すぎて、営業会議に新規取引に関する与信の申請がたくさん出されました。 審査規定原案作成時に店長の与信枠を元の10倍にして作成し、まんまと取締役会を通過しました。
 規定原案でそのことに触れた取締役はいなかったので、誰も関心を払わなかったのでしょう。 審査規定が施行され、営業会議の新規取引申請は激減し、会議時間は短縮できました。 審査部は店長決済新規取引の与信について相変わらず調査し、会議でまとめて報告します。

 私は会社運営に関心があり、規定作成という業務を通じて実験することが興味あることでした。 文章作成はそのための手段で、その後文章作成を趣味とするため小説学校に通い、せっせと文章を書き続けました。
 小説は書くことの背景などすべて自分で設定しなければならず、書き進むに従って設定した背景との整合のチェックのための読み返し、書き直しなど膨大なエネルギーが必要になります。
 会社で規定を通じて実験すれば、実験できることに制約があるもののその結果が現実の世界で私の手を離れて動いていきます。
そのように考えると規定作成など誰もやりたがらない仕事が会社の中で一番面白い仕事に思えました。
 小説はうまく書かねば読んでもらえないので大変ですが、読み手に感動ややる気を起こさせたり、考えが変わるきっかけになったりすると苦労の甲斐があるのでしょうね。
 残念ながら作品が公表されること無く小説を書かなくなりました。
いま経営者をしていて、かつて規定作成でやったことをやることができるのですが、うまくいきません。

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