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作文

 職員のケアマネージャーから「どうしたら文章が書けるのか教えて欲しい」と言われました。 ケアマネジャーは文書作成の多い仕事で、利用者とのコミュニケーション結果や問題点を記録に留める仕事です。 従って文章をかけないケアマネージャーは致命的といえます。
 その人はいつもパソコンと睨めっこをしています。 しかしケアマネジャーの報告書は私にとっては楽な作文であると思います。 書く内容は決まっているからで、正確な状況を記載すればよく、読み手のイメージを膨らましたり、感動を与えたりは必要ありません。
 その人は私のブログを読んで質問してきたのです。 毎日趣味でブログに投稿することは理解できないのでしょう。
 同じ考えの読者に何故私がブログを書き始めたか解説します。  

 サラリーマンをしていたときに、契約書作成、社内規定作成、社史編纂など文章にかかわる仕事を担当しました。 担当になった理由は、担当を決めた人に聞かなかったのでわかりません。
 当時コンプライアンスに対する社内の認識が低く、社内報にそれを啓蒙する文章を書き、反響を呼びました。
 調子に乗って、自分がやりたい組織編制、権限規定、マーケティングの記事を書き綴り、それぞれ評判になりました。
 また、ある専務に取締役会の申請書の作成を指示され、私が作成したらすんなり通りました。
 申請書の整理、会議の議事録作成などもやっており、会議にでてどのような議論がなされるのか解かると、槍玉にあがらない申請書、すんなり評価される申請書は簡単に作成できます。
 勿論、申請内容に明らかなまやかしがあればそうは行きませんが。 もう少し自慢させてもらうと、当時の取締役会の申請書をすべて私が作成したら、会議の時間は半分以下にできたと思います。 会議の申請書は何らかの意思決定のためのものが殆どで、決定すれば何をしなくてはいけないか、もたらされる利益と不利益は何かがわかればよいのです。

 多分そのような積み重ねが、書いた内容の評価より、文章を書く能力に評価の主眼があり、文書作成の仕事がまわってきたのだと思います。
 やりたかった仕事の一部は社内規定作成の中でこっそりやらせてもらいました。 例えば、審査規定で店長の与信権限が低すぎて、営業会議に新規取引に関する与信の申請がたくさん出されました。 審査規定原案作成時に店長の与信枠を元の10倍にして作成し、まんまと取締役会を通過しました。
 規定原案でそのことに触れた取締役はいなかったので、誰も関心を払わなかったのでしょう。 審査規定が施行され、営業会議の新規取引申請は激減し、会議時間は短縮できました。 審査部は店長決済新規取引の与信について相変わらず調査し、会議でまとめて報告します。

 私は会社運営に関心があり、規定作成という業務を通じて実験することが興味あることでした。 文章作成はそのための手段で、その後文章作成を趣味とするため小説学校に通い、せっせと文章を書き続けました。
 小説は書くことの背景などすべて自分で設定しなければならず、書き進むに従って設定した背景との整合のチェックのための読み返し、書き直しなど膨大なエネルギーが必要になります。
 会社で規定を通じて実験すれば、実験できることに制約があるもののその結果が現実の世界で私の手を離れて動いていきます。
そのように考えると規定作成など誰もやりたがらない仕事が会社の中で一番面白い仕事に思えました。
 小説はうまく書かねば読んでもらえないので大変ですが、読み手に感動ややる気を起こさせたり、考えが変わるきっかけになったりすると苦労の甲斐があるのでしょうね。
 残念ながら作品が公表されること無く小説を書かなくなりました。
いま経営者をしていて、かつて規定作成でやったことをやることができるのですが、うまくいきません。

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