監査役BLOG

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[会社運営]

写真と動画

 会社の経営で最も基本的な財務指標は損益計算書、貸借対照表です。 損益計算書は一定期間のお金の流れ、貸借対照表はある時点でのお金や財や債務の有高を示したもので、私のイメージは川にかかるダム、損益計算書は今月ダムにたまった水と放流した水の量、貸借対照表は今月末の貯水量をイメージしています。

数字の並んだこれらの表は私にとってはスチール写真、ダムの例えで言えば放水口から噴き出す放流・ダムの壁の上までたまった水、上流からの流れの写真で、ある時の損益計算書、貸借対照表で解るものはその時点での経営の状態です。

実際の経営者の判断は早く処理しないといけない課題の対処、すぐでなくてもよいが対処しなければならない重要な課題、重要でない問題等次々起こることを把握し、判断し、対処しなければなりません。 問題には原因があり、問題化したきっかけもあれば問題を引き起こす構造的な不都合もあります。 それはもはや多次元で並行するドラマで、目先の問題にとらわれ火消しに走っている間に大きな問題が解決不能になるとか大きな問題の根源に迫る解決策を模索していたら環境が変わって一気に問題が解決したとか、いろいろ想定してドラマを組み立てどれが最善かを模索します。 対処できる人・物・金・情報に限度があり、最初の対処の後どのようになるか、それは問題の連鎖で長編ドラマの様相です。

目先の問題ばかりを解決するドラマはホームドラマで個人の心情などがテーマです。 たとえ会社であっても個人の心情は重要で、その人のモチベーションに影響します。 取引先や仕入先の問題解決ばかりに対処すればやくざ映画的で取ったり取られたりの展開になります。

映画は主人公がいて役柄に応じたキャラクターの俳優が演じますが、経営で将来を頭の中で描くとき鮮明な映像ではなく、観念的です。 例えば将来の損益計算書のイメージが連続して浮かぶとかです。 近い将来は比較的鮮明なイメージが浮かびますが、5ヵ年計画となると5年先の鮮明なイメージを描ききれません。 優れた経営者はそれが鮮明に描けるか妄想癖があるか、後者であれば妄想癖のある人のうち成功した人が優れた経営者、成功しなかった人は経済誌に紹介されませんが沢山おられます。

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[採用]

[経営]

営業職のサービス残業

 営業職の採用面接をしていて、前職を辞める理由を聞くとサービス残業が多いからという答えが返ってきます。 9時~18時の勤務時間に対して仕事が終わる時間が通常22時とか23時以降とか当社で考えられない残業量です。

最近たまたま採用面接以外でお会いしたお菓子メーカーの営業職の方二人は同じような時間で働いておられ、『なぜ遅くまで働くのですか?』と聞くと会社の方針で在庫を極力抑えるため欠品の連絡と謝罪が朝一番の仕事だそうです。 お二人とも同期で28歳、半日謝りの電話をしていて、会社からは欠品したことを叱られるそうです。

この会社は特に給料が高いわけではありませんが、人気の企業で採用は充足しているそうです。 退職者が多くネットの評判も最悪です。

当社の営業職は9時~18時の定時に対し残業は平均して2時間/日程度、事務処理が多いので事務処理の苦手な人は残業が多い傾向がありますが事務処理の得意な人は平均すれば1時間/日程度の人もおられ、18時にさっさと帰る人も多くおられます。

もちろん残業はすべて残業代が支給されます。 以前はそれなりに残業が多かったのですが営業の作業を事務職が肩代わりし、分業を進めることで残業は減少傾向にあります。 さらに事務処理の教育を行えばスキルが上がってさらに残業を減らすことが可能だと思われます。 事務処理以外の業務の教育により更に効率を上げることが可能と想像出来ますがそこまで着手できていないのが現状です。

営業職の作業を事務に肩代わりさせることでいずれそれらの作業も機械化できるものと思われます。 機械化に着手しなければバックヤードの人間が増えて効率化とは言えません。 先進の事業分野ではAIを使った省人化など経済誌に報告されていますが、介護事業はこれからその波が押し寄せてくると思われます。 機械化を怠った企業は市場から退場することになり、再編が加速してゆきます。

システム開発は高額の投資を伴いますが、卸にシステム開発を打診し、システムによって小売りポジションの囲い込みをしないか打診しています。 事業環境が変化することは成長のチャンスで、成長企業を期待する営業転職組の方はITでの効率化がされつくされた事業分野より個別企業の成長という点で介護事業はダイナミックで面白い分野と思います。

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[価値観]

こだわり

 介護事業を営んでいると仕事のやり方にこだわる人が数多く見受けられます。 自立生活が不自由な高齢者の足らずを満たす仕事なので、仕事の方法にこだわりを抱く機会は数多くあると思います。

他人が見ると意味の無いこだわりが多いように思いますが本人はかたくなです。 それが仕事の効率を著しく阻害している場合があり、それとなく改善を示唆します。

専門性にこだわり、こうあるべき論を振り回して周りの人間を辟易させてしまいます。 本人は自分の技術や専門性について行けないとして周囲の人を馬鹿にした態度に出ます。 その専門性がお客様の快適性を高めたり、期待を満たせばそれはそれなのですが、大抵は自己満足です。

その罠に陥った人は周囲に不快感を抱かせるだけでなく本人も仮に営業であれば成績が上がりません。 個人成績がそれで上がっていれば場合によっては具合の悪い商売をしていることになりかねません。

対処法はただ一つ、その職責において高い志をもたせること、営業であればお客様の満足度を最小の努力で挙げ、効率よく利益を上げることで会社に貢献するという当たり前のことをもつことが高い志と言えます。 そうすれば周囲の人に良い影響を与え、正の循環に繋がってゆきます。

会社に社会に貢献することを高い志と考えられないのは平たく言えば世間知らず、つまらぬ価値観にとらわれれば人としての成長が出来ないだけでなく社会に迷惑をかけることになります。

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