監査役BLOG

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事実と真実そして予測

 当社の管理職のK氏は私の知る限り秀逸なクリエーターでマーケッター、営業、マネジャーであると思っています。 入社後すぐに管理職として活躍し、天の声のような的を得た指示を出されます。 そのたびにおゃ!と思ったりして数日考え、本人に質問して真意が理解できます。

同じことを聞いた多くの人は無感動で反応も良くありません。 優れたマネジャーは伝える力、質問する能力が高いと思っています。

大企業の管理職はプレゼン能力が高く、厳しい訓練の賜物と思いますが、ここでいう伝える力は誤解を顧みずにいえば真実を語れるかです。 質問する力は相手から真実を引き出す力です。 さらに言えば真実であって事実を伝えたり引き出したりする質問力ではありません。

事実に基づき話をすれば『嘘をつかない人』になります。 常に真実を語る事が出来ればマーケッターであれクリエーターであれ神の領域です。

真実の定義は単純にことの本質です。 この商品は先月いくら売れたは事実です。 この商品が先月いくら売れた理由はこれこれてある、従って今後の販売予測はこうだというのは真実に肉薄しているかもしれません。

ある成績不振の営業マンにK氏はアドバイスをし、翌月すばらしい成績を上げました。 成績が悪いのは本人の心の中の問題、その真実を探り出せればアドバイスはできるかもしれません。 事実として前月の未達、その前の未達を積み重ねてもその事実から心の中の物=真実に肉薄できません。

真実を見抜けば未来の予測が出来る場合があります。 この製品は売れるか、取引先にこのように提案すればどのように返ってくるか予測できるときがあります。

将来予測は神がかりな現象ではなく当たり前のこと、それぞれの分野で将来予測にたけた人がいてそれは経済学のようにアカデミックに研究されています。

当社の職員がそのことに気付き、その能力の研鑽に励めば売上・利益は相当伸長すると思います。

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[習慣化]

営業のコツ

 営業職員の採用面接でよく質問されることに営業で成功する方法を聞かれます。 人対人の仕事ですからコミュニケーション力は当然ですが、まさか当然の答えを期待して聞かれているわけではありません。 当社にもスーパー営業の人は何人かおられ、みな普通の人です。

質問の趣旨として営業の奇策を求められているのかと思います。 そんなものは無いと思っています。 言葉にすれば誠実で信頼されるよう努力するとか、余計なことを言わないとか当たり前のことになってしまいます。

その中で最も当たり前なことは自分の職務を忘れないことでしょうか。 成績の伸びない営業の人でせっせと訪問を繰り返し、販促ツールを配ります。 どこかの宣伝文句ではないですが『結果にコミットする』ことを意識し続けていない人が意外に多く、そのほとんどが低い成績です。

どの仕事でも同じですが自らのミッションは意識していないと消えてしまいます。 経理の職員は会計ソフトに数値を正しく入力するという作業に多くの時間を費やしますが、本来は税務会計として正しい処理を行い、問題点を洗い出すというものです。

人は自らの役割でなく作業や方法に意識が行きがちです。

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[社員教育]

考えない人たち

 営業の新人教育である人が教えると教えられた人は実働して実績が良く、別の人に教えられると実績が上がらない傾向がありました。 その理由は教えるのが上手い人は教え方がうまいからです。

その後上手い人に教えられた人はずっと実績を上げるかと言うとそうではありません。 教えるのが下手な人に教えられた人はなかなか実績が上がりません。

私が新人営業を教えたことがありますが、その人はたまたま優秀で実績を上げ続けました。 ある時その人は私から何も教えてもらわなかったと言いました。 それを聞いてショックを受けたのですが、たぶん何も教えなかったのでしょう。 次にその人が私に言ったのは何時も謎かけをされたことです。

私は謎かけをしているつもりはなく、どう思うか答えの出ない質問をしていたように思います。 質問された方は何故それを聞かれたのか考えます。 答えのない問いは仕事でも日常でもいくらでもあり、答えがなくても不自由なく行動できるのは考えても仕方のない事なのでスキキライなど感覚で判断して選択しているからです。 選択肢のどれを選択しても正しい、誤り、損得などは無いわけです。

営業所の規模は何人がふさわしいか、みたいな質問です。 当社でも人数により業績に傾向があるかどうか少ないデータでは結論は出ませんが、それを常に考えているとこのような評価方法をとればこの人数規模が一番効率が良いなど見えてくるかもしれません。

前出の教えるのが上手い人は単純な事実、この処理はこのようにするとか再現される作業の処理について説明が整理されているだけで、なぜそれがよいのか教えていないため教えられた人は作業方法が変わったときに変化についてゆきにくい、つまりは教えられた人は保守的な人間に育て上げられたことになります。

私ならそのように教えられても元々天邪鬼なのでどうしてそうなのか考えてしまいます。 仕事に関わる法律、競争関係、内部環境(作業の一部が分業されたり機械化されるなど)変化します。 そして変化についてゆけるのは効率的に答えを教えてもらった人より謎かけされた人のようです。

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[価値観]

真剣!

 チャンバラ小説を読んでいるという事は何度かブログに書きました。 チャンバラは剣術の世界を小説にするわけですが、ハイライトは剣による戦いのシーン、何故小説にしてまで面白いか、命の遣り取りがある緊張感が一番でしょう。

うまい作家はそれが道場の竹刀の試合であっても緊張感があります。 木刀の試合もまともにやりあえば打ち殺されます。 では真剣では一合一合が命の遣り取りです。 そこから真剣と言う言葉が生まれたのでしょう。

命の遣り取りの無い介護事業の仕事は真剣か? 命の遣り取りはありません。 相手は高齢者、真剣さは伝わります。 介護の営業の現場で常に真剣であることは難しい事です。 常に高い業績の人は電話をしていても仲間と冗談を言っているときもなぜか真剣さを感じてしまいます。

本人は意識しているかどうか解りませんが真剣さが身についているのでしょう。 一方業績が低迷している人に同じ真剣さはありませんが、一生懸命であったり、誠実であったりの印象は感じるときがあります。 これだけ誠実にやっていてなぜ業績が低迷しているのか不思議に思います。

再びチャンバラに戻り、道場で竹刀による試合をイメージし、命がけの真剣さは多くの場合に感じないでしょう。 もちろん本人たちも。 ところが文字通り触れば切れる刀での戦いなら当事者は真剣にならざるを得ません。

竹刀の戦いを真剣同様にすれば強くなると思います。 竹刀では打たれても突かれても切られる事は無いと思った瞬間真剣さから遠のきます。

仕事は結果を出すもの、結果を出したければ真剣にならざるを得ません。 それで結果が出せた時の達成感はひとしおです。

最近入社したK氏はいつも薄ら笑いで相談に来られます。 決して誠実とか真剣とかの雰囲気ではありません。 一渉り話をして結論に近づいた時、K氏から真剣さがほとばしり、思わず身を引くことがあります。 こわぁ~と思ってしまいますが刀を持っているわけではありません。 真剣さは気であり、K氏はこの気を発して過去に大きな成果を上げた人です。

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[会社運営]

大阪

 私は大阪で生まれ育ちました。 たまに他の都市に行っても違和感は感じない方です。 私がよく訪問する町は仕事では東京と隣接県、遊びでは神戸、奈良、和歌山でしょうか。

初めて東京に行ったのは中学校の修学旅行、国会議事堂、東京タワー、皇居等で大阪より大きい街が日本にあるんだと思ったぐらいです。

当時、今から50年前は日本の各都市はそれぞれ明確な文化をもっていました。 TV番組でも全国の都市を紹介するものが多かったように思いますし、豪雪地帯で4mの積雪が話題になって、其処での生活シーンが外国のような印象でした。

歌謡曲もご当地ものが流行っていました。 大学入学時に北海道の牧場でアルバイトをしました。 地元の同年代の人から『大阪を知っているよ、大阪城にいわおこし』といわれました。 その人は大阪に来られたことがないので違和感はありませんでした。

しかし心のどこかで大阪は日本の中心で、なぜ首都を大阪にしないのかと思ったり、そうなれば東京のように光化学スモッグに悩まされるなら首都機能は東京でよいのだろうと勝手なことを考えていました。

最近地方都市に行くとどこも同じ町に見えて、個性を感じません。 駅前にロータリーがあり、ちょっとした植え込みに地元の著名人の像が立っていて商店街やショッピングモールが続きます。 お店は全国展開しているチェーンが入っています。

全国の各都市の個性が薄まったことを残念に思いますし、大阪も同じだと思います。 大阪で仕事をするのであれば大阪らしさをそして『うえろく』らしさを追求してはと考えました。

大阪城やいわおこし、通天閣がなくても大阪の文化があります。 言葉で言えばやわらか、がんばらない、笑いが多い、おっとりしているなどでしようか。

今まで当社は他所の会社を見学に行き、当社よりうまく経営しているか比較してきました。 経営セミナーにも参加し、予算統制、事業計画策定、人事考課制度、世間の常識に取り組んできました。 それらは文化と直接関係の無い単なる手法ですが、それに目を奪われ当社らしさを磨けてなかったように思います。

お菓子や食品でもロングセラーのものがあります。 例えばチキンラーメン、何十年売れています。 インスタントラーメンがこれだけ工夫されていて生き残るにはそれなりの訳があり、企業も同じように生き残れる訳を企業文化として培ってゆきたいと考えています。

 

 

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[人間関係]

面談

 会社で日々の業務の中でうまく行っていないこと、想定外に上手くいっていること、そのほとんどがその人に関わることが多いと思います。

個別に人間関係が拗れているような場合、つまり上手くいっていない場合に面談したりします。 『そもそも相談役とは相談に乗ることだろう』などど押し付けられる事があります。 そこで話を聞きに行きます。

人間関係が拗れている場合、関係者に面談し、話を聞きますが意見が異なり妥協できないために拗れているわけです。 全く事実誤認であれば『勘違いですよ』と言えば済む場合もありますが、好悪の感情が絡んでいると解消は難しくなります。 私は話を聞き、ほめず、叱らず、評価せずでひたすら聞きます。 喋りたいことを喋ってしまえば心が軽くなるもので、それですっきりされる方もおられますが根本的には解決していません。

人には長所も欠点もあり、問題は欠点に起因する場合が多く、想定外に上手くいっている場面では本人も気づかない長所に起因している場合があります。

人間関係の問題であろうが想定外に上手くいっている場合であろうが関係する人の長所だけに着目して話を聞く、もしくはその人の長所は何かを探る目的で話を聞くと問題は解消に向かい、想定外の成功はより大きい成功への道筋が見えてきます。

そこまで本人も気づかない長所が判るには聞き手が人格的に優れ、相手の心を開かせるだけの心構えを見せねばならないと思います。 しかし上手くもっていくにはそれしかないように思います。 出来るかどうかは判りませんが、本人も気づいていない相手の長所が見えてくるなら聞き手は素晴らしい人だと思います。

 

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[会社運営]

ザ ゴール

 昨日読んだ本の書評です。 著者はエリヤフ・ゴールドラット氏、イスラエル人の物理学者、1984年出版です。

著者は物理学者ですが、知人の経営者から製造管理の相談を受けて製造工場の工程管理プログラムをベンチャー企業を立ち上げて販売した人です。 数千万円するソフトは米国大企業で販売され、製造管理の問題を解決して高い評価を受けましたが販売が伸びません。 そこで製造現場の課題を次々と解決してゆく工場長の物語として出版され、その本をもとに多くの製造メーカーが工程管理を改善して黒字化に成功しましたが、肝心のソフトウェアの売上げ増にあまり貢献しなかったそうです。

著者は日本人がこの本を読めば『日本人は部分最適の改善にかけては超一級』と考え、日本語への翻訳出版を認めなかった経緯があります。 日本企業が氏の理論を応用して製造管理を行えば世界経済が破たんするとまで言っています。

私が手にしたものは2001年に翻訳出版された日本語版で初版から17年経過しています。 読んだ限りではトヨタの生産管理に見られるものと被るような気がして、すでに普遍化した内容が中心のように見受けられました。

ここまでの経緯をたまたま知る事が出来て、関心をもって読んでみましたが読み物としてもよく出来ていて一気に読みました。

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考える訓練

 すでに退職した営業職の方がいつも余計な一言を言って失敗を続けていました。 ある時彼の机にメモが張り付けてあり、『余計なことを言わない』と書いてありました。 熱心な営業職の方でいろいろ考え、おそらく親切で『余計な一言』を言ってしまって失敗を重ねていたように思います。

何度か彼とは二人で食事して悪い人でないことは理解していましたが、まっすぐ考えないためにまっすぐでない理由をわざわざ考える、そしてある時考えたことを喋ってしまうように思いました。 もし机のメモに書くなら『余計なことは考えない』でしょうか?

他人事ではなく私も『余計なことを言う』と文句を言う人がいます。 その人の非難には続きがあり、『余計なことを考えるから余計なことを言ってしまう』らしいです。 全くその通り、考えなければ言う事もありません。 考えることすべてが善であり美しい事であるなら他人を傷つける言葉は無くなるのか?

しかし言わせていただければ善意に満ちて美しい事しか考えない人が他人を厳しく排撃する発言を何度も耳にしています。 善意だから何を言ってもよいわけではなく、善意と社会のルールや容認されている価値観が対立しないわけではありません。

善良に考えるはせいぜい対立を減らす方法にすぎません。 本音は私に余計なことを考えると非難した人に何をもって余計なことか反問したいと思いました。 その人は確かにシンプルに物事を考え、価値観を示す発言は差し控えます。

当たり障りのない事は『事実らしきこと』のみ話題にして、評価はいいね! くらいに留めておけば日常のコミュニケーションで大きくつまずきません。

生きて行くには仕事をしなければならず、こまごまとした判断や大きな決断、他人の行為の評価、判断・評価の説明が必要です。 それらは単純な事実ではなく、判断・評価を行った者の価値観や姿勢、善悪のその人なりの基準などがちりばめられています。 さらに家は好悪の感情などやっかいなものまで潜んでいます。

いろいろ考えすぎると何も言えなくなります。 それでも言わなければならないことがあるので何を話すかいつも考え苦しんでいます。

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[言葉]

質問力

 会社の代表を辞めてから新しい代表に質問されます。 質問を受け、誠実に答えていてもなかなか意思が伝わりません。

例えば流れとか方向、ベクトルの話をしているときに座標の質問、ところで今どこにいるのか? とか、それを知ってどうするのか? と反問したくなります。

初めから話の流れが違えばいくら細かく質問し、誠実に答えてもイメージは伝わりません。 ついに次の言葉をアドバイスしました。

 

誤った質問に対して常に厳密になされる正確な回答よりもしばしばあいまいではあるが正しい質問に対する回答の方がはるかに優れている。

ジョン タッキー (統計学者)

タッキー氏がどのような局面でこの言葉を思いついたか、想像は難くありません。 専門の統計学での質問とすればますます『誤った質問』はイメージできますが、恐らく『株で儲ける方法を統計学から説明してくれ』とかです。

誤った質問であっても質問者と自己の立場を考えて切れるわけにはゆかす、何とか回答を出します。

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[会社運営]

ボスの交代

 企業で人事異動があったとき、それが組織単位の長の交代であれば大きな影響があります。 組織単位の長は管理職と思われます。 管理職は人事権を初めてとして大きな決裁権を有するので、その人が組織から期待される貢献を達成するために改革を進めると組織の体制は大きく変わってしまいます。

新しい長の人が内部昇格であれば通常保守的な組織運営となるでしょう。 全く外部から来られると場合によっては違和感だらけ、基本的なところから改善を手掛けることも考えられます。 全く違う部署から来た人にとって今までの常識は非常識に見えます。

アメリカでGEの社長になったウェルチは社長就任後社員を捕まえては質問しまくったそうです。 あだ名は中性子爆弾、仕組みを破壊しつくし、再構築して業績を回復しました。

同じようなことは日本の企業でも散見されます。 パナソニックの中村邦夫元社長、日本航空を立て直した稲盛和夫氏、当社でも波風の立たない基本的な改革が静かに進行しています。

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