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経済成長

 私は日本経済新聞を読んでいますが、この新聞は政治・経済の記事が中心です。 日本経済新聞を読んでいますが日本の経済成長を考えることはありません。 肌感覚で景気の良し悪しが話題になることはあります。 それは従事している業界周辺の話題で地域限定の感覚である事が多く、日本経済という範囲ではありません。 まして医療・介護は景気変動に左右されにくい業界です。

日本経済新聞の論説員が書いた日本の経済成長についての記事が印象的なので、さわりを紹介します。 経済成長の判断基準はGDPで見ています。 安部政権発足当時10年間平均で年率2%程度の成長を目指すというものであったそうです。 2018年度は0.7%の成長で目論見を大きく乖離しています。 成長させる方法として3点挙げられていました。

①最低賃金のアップ ②生産性の低い事業を廃業させる ③労働力の流動化

最低賃金は近年かさ上げされて大阪では936円/時間、因みに平成元年は523円/時間でした。 最低賃金が低いと生産性の低い企業が生き延びる、求人倍率が上昇しているので生産性の低い企業は廃業してゆけば平均生産性が上昇し、経済成長に繋がるというものです。 なおかつ賃金上昇に繋がれば消費も増えることになります。 しかし、低生産性の事業を営むのは年代を経た中小企業、2017年の廃業率は3.5%で欧米の10%を下回り、新陳代謝が進んでいません。 廃業率を高める事が政治的に難しいのであれば生産性の低い企業に投資を促して生産性を挙げる選択肢があります。 半官半民の助成金組織は生産性の低い企業を温存する機能を果たしていると批判されています。

低生産性企業は低賃金、労働力が流動化すれば廃業率も上がるという③の考えは高い生産性の企業に従事している人の流動性は上がっても低い生産性の企業では流動化は進んでいないようです。

国の経済成長はここの企業の生産性の集合値と考えるとその通りで、労働力不測から最低賃金付近の職種の時間給は相当上がりましたし、労働力の流動化は確実に進んでいます。 廃業率の問題は中小企業の経営者の生活もありますのですぐには解決しないでしょう。 この状況で日本の経済成長率が低いのは上記の3点以外の要素が係っているように思います。

個人的な感想でいえば政治家以外の国民がGDPの上昇をそれほど強く望んでいないのではと思います。 多くの人が抱く将来展望は生活の不安を排除すること、健康でいること、人間らしく生きることでしょうか。

経済成長より働き方改革が話題になり、パワハラに過剰に反応しと一般の人の関心事としてはGDPより強いです。 低生産性企業はこのような文化的要素が改善されれば生産性の上昇が見込めるのではないかと思います。

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