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地域密着

当社の以前の理念は『地域に根ざして人の健康と生活を守ります』というものでした。 調剤薬局や高齢者介護の事業はネットビジネスのようなものではなく、地域に密着し、顔の見えるものです。 そのまま理念にしました。

ある朝6時30分ころ、会社に向かって歩いていると一人のおばあさんがニコニコして『おはようございます』と挨拶されました。 朝の散歩の途中のようで、たまたま久しぶりに会った知人に挨拶するようでした。

私はその人のことが思い出せず、挨拶を返してその人を見つめると『薬局でお世話になったものです。』と説明されました。

15年位前、薬局の前の病院が突然院外処方箋を発行し、薬局が混乱した時期があります。 その時私は毎日薬局に立ち、店がスムーズに流れるか見ていました。 私は薬剤師ではないので調剤はしません。 やっていたことと言えば「トイレは?」と聞かれれば案内する、販売している商品をレジに持ってこられればレジを打つくらいでお客様と直接話をしたりすることはほとんどありませんでした。

その時、慢性疾患で定期的に処方箋をもってこられていた人だと思い出しました。 10年以上前に混雑する薬局で立っているだけの中年男を覚えていて、道で会ってにこやかに挨拶され、少し違和感を覚えました。 私は人の顔を覚えるのが苦手、人の顔を覚えなくてはいけないホテルマンやゴルフ場の支配人は自分に不向きの仕事と思っています。 そもそも地域密着の仕事は地域の事を熟知することが必要です。 交番のおまわりさん、宅急便の配送人などまさにこれにあたる仕事です。

自分が作った理念が『地域に根ざして・・・』と言っていてダメだしされた気分です。 私はその人の顔を覚えていませんでしたが当時薬局に来られ、どんな顔をされていたか、当時もニコニコ笑顔で誰かとお話しされ、自動ドアを通って帰ってゆかれたことを映像として思い出しました。

当時の自動ドアは開いた時さっさと通らないとしまってしまう出来の悪いドア、怪我でもされては大変とドアの開閉に注意していた自分を映像として思い出していました。 自分にとって地域密着の仕事で『誰が』では無く『何が』に注意していたか記憶が明らかにしてくれました。

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