監査役BLOG

カテゴリ

社会

[社会]

有料老人ホーム

当社はケアプラン業務を営む居宅介護支援事業所を営んでいます。 要介護認定を受けた方のケアプランを作成する仕事で、ケアマネージャーは何とか自宅での生活の維持を図りますが、状態の悪い方は施設への入所を希望されます。

高齢者施設の入所費用は家賃部分、水道光熱費と食費、介護職の人件費に分解でき、介護職の人件費のみ介護保険の対象となります。

入所された方の負担額は月の総額で12~30万円程度でしょうか。
希望者の所得や資産に応じて希望の施設を選択されます。

しかし最近の傾向はいわゆるお金持ちであっても安い施設を希望する傾向が出ています。

モノでもサービスでも希少性があるとき、高額であっても購入される傾向があるのかなと思います。
例えば私の父親の時代は裏山にマツタケがいっぱいあり、高価なマツタケを買おうとしませんでした。
ところがマツタケが希少なキノコになってから高い価格にもかかわらず売れます。
この逆が高齢者施設なのかと考えればそれだけ高齢者施設が増えたということになります。

高齢者施設は居住施設、この視点で言えば賃貸住宅の一種といえます。 したがって不動産開発業者が最初に取り組みました。 高級ホテル並みの建物を建築し、入所金3千万円など高額物件が出回りました。
このタイプは需要層が小さいので集客面で苦戦しています。 高齢者施設の事業品質は建物の豪華さよりは介護職の質であることが認知されるようになり、全般に質が上がるにつれて品質の差が分かりにくくなりました。

車で言えば大型高級車もファミリーカーも100万円を切る軽自動車も移動という点で差はありません。 趣味で高級車に乗る人を除けば社会的なステータス、高齢者は高級施設に入所したことを友人に触れて回ることはありませんのでステータスにはなりません。

賃貸住宅には廊下やホールなど共用部分があり、延べ床面積から共用部分を引いた賃貸面積の比率をレンタブル比といいますが、レンタブル比を高める為に皆同じようなつくりになります。

高齢者施設は共用部分の比率が高く、つまりレンタブル比が低く、?単価は一般賃貸住宅に比べて高くなります。
例えば20?の高齢者施設の賃料部分が12万円、同じ面積のワンルームマンションは立地にもよりますが大阪市周辺部分で3万円前後でしょうか?

ここの差額は開発者のうまみで、先駆者利潤といえるでしょう。 これが消えつつあります。 例えば毎月20万円かかる施設の家賃相当額が12万円のところ4万円に減額すれば総額は12万円になります。
これくらいになると生活保護の方の保護費の範囲になってきます。

しかしここまでうまみがなくなると稼働率のリスクをヘッジ出来なくなります。 一般賃貸なら賃貸仲介業者が入居者を周旋しますが、高齢者施設をアパマン等仲介業者は入所者の斡旋をしません。 したがって入所者の獲得に時間がかかる場合が多いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

上に戻る