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老いる都市

高齢者介護や調剤薬局の仕事をしていますと高齢者人口の話題に敏感になります。 勿論顧客の主体が高齢者なので気になるのですが、日本経済新聞朝刊の記事で『老いる都市 成長に影』という記事が掲載されていました。

ちなみに昨年の日本全体の65歳以上の人口比率は22.7%、都道府県で比率が高いのは島根県29%、秋田県28.9%、都市圏では東京が20.9%、大阪が22.0%となっており、労働人口が都市部に転出し、過疎化の進む県で高いのは理解できます。

都市部に労働人口が流入し、そのまま高齢化すれば都市部の人口構成は高齢者に偏るのは当然のことで、労働人口が引き続き都市部に流入したとしても高齢者人口の比率は高まる事となります。

高齢者人口の伸び率の高い都道府県は埼玉、千葉、神奈川、愛知、大阪・・・となっていて、2035年(25年後)には高齢者人口推計3725万人の50%超が東京、愛知、大阪に集中するそうです。

介護の仕事は東京、愛知、大阪等都市圏で行っている限り安泰ということになりますが、当然社会保障費がこれらの地域で莫大となり、流入してきた労働人口がそれを支える構図となります。

専従している高齢者は交通の便の良いところに住んでいるでしょうし、後から転入した人たちは交通立地の悪いところに住み、高い地方税を負担することになります。

つまり、既存の都市の雇用や経済力を維持できない都市になってしまいます。 国土が広い国であれば新たな場所に都市を建設し、旧いインフラを抱えた都市を切り捨てるかもしれません。

比較に難があるかもしれませんが、炭鉱で栄えた町が石炭が出なくなって過疎が止まらなくなったり、大阪など繊維産業で栄えた都市が繊維産業の海外移転で経済力、雇用力が低下し衰退都市になるとか、新たな産業が過疎地で発展し、シリコンバレーのようになるならそれも国の発展のありようですが、新たな産業が創造されないときは国そのものの衰退につながっていきます。

国の政策がエコポイントなど既存産業の擁護に傾く限り日本で新規大型産業が育たないばかりか既存産業の海外移転が進むことになります。

あのレナウンが中国の繊維産業大手の傘下に入ったりしてますから残された時間は少なく、ビジョンなき政策は将来に実を結ばないと思います。

コメント

  1. 高度成長期に大都市部に流入した団塊世代、90年代以降に大都市部に流入した団塊ジュニア世代がどんどん年を取っているのが現状ですね。
    例えば、千葉市の場合ですとこんな感じです。
    http://homepage3.nifty.com/joharinokagami/121002.html
    地方は先行して高齢化が進んでいますが、大都市部はその後を追っている感じです。大都市部もいずれ現在の地方のようになっていくのかも知れません。

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