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意思決定

[意思決定]

判断

 判断する仕事があります。 会社の取締役は主として判断業務に尽きます。 判断するうえで必要なことは判断すべき情報の収集です。 AIに何ができるか、という話題で経営判断は実現の可能性が高い仕事の一つとして議論されていました。

経営判断に必要な情報はマーケットの状況、競合他社の動き、判断したことを実行する職員の資質、判断者の経験・価値観などです。 従って上手く行かなかったときの言い訳はマーケットの読み誤り、競合他社の過小評価など判断に必要なことに紐づいてきます。

人間よりAIが判断業務に優れているとしたらそれぞれの情報の評価が客観的である点です。

aさんを起用するかどうかはaさんの人事考課、会話、会議の報告など判断者が過去にaさんから得た情報を総動員して行います。 更に確認のためaさんに近い人、上司や同僚に評価を聞くと全く違ったものが返ってきたりします。

aさんは仕事を詰め込んでやる人で成果も挙げるが失敗も多く、その失敗も慎重さや丁寧さが欠けているがゆえに起こる失敗だとします。

慎重な人であればaさんの杜撰な面ばかりが印象に残っているかもしれません。 積極的な人の評価は高くなるでしょう。

aさんを起用するかもしれないことは知らされておらず前提なしの評価になります。 判断の難しさの例として人の評価を挙げました。 これが数値化できるもの、実績でも同様の問題が起こります。 前年比110パーセントの売上、多くのマーケットでは優れた実績かもしれません。 しかしそのマーケットの伸長率が前年比120パーセントであれば競り負けた実績になります。

ますますAIの登場が望まれます。 しかし例示したような思い込みのによるミスジャッジは多くの場合誰かが気付いて修正され、権限者が意地にならなければ修正されますし、経験上例示したような極端なミスは千分の一の確立だとして、ある会社の経営判断が年に千回行われ1回のミスジャッジが引き金になって倒産に至るケースは多くあり、倒産事例として報告されています。 ミスジャッジの確立が千回に1回で、どこの会社も年に千回経営判断するのはあてずっぽうですが起業した会社が10年後の生存率が1割ならかなりの確率でミスジャッジが行われていることになります。

コンサルタントはミスジャッジしないスキル、素早い判断の方法、ミスのリカバーを指導しますし経営側もよく考えています。 しかし環境変化は速く、過去の成功時例は今日の失敗はよく聞きます。 思い出す言葉は『愚者は過去に学び、賢者は歴史に学ぶ』です。

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