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精神科医である香山リカ氏の゜しがみつかない生き方」を読みました。

2009年7月の出版で、話題になってずいぶん時間がたっていると重いまずが、最近何かの書評に出ていて、読み始めました。

裏表紙には次のように書かれていました。
『平凡で穏やかに暮らせる。 「ふつうの幸せ」こそ最大の幸福だと、今、人々はやっと気がついた。・・・・・・・』
内容は日本の政治、文化の特徴に及び、その狭間で苦しむ患者のエピソードを元に「ふつうの幸せ」を解説しています。

「第3章 すぐに白黒つけない」の中で『齊藤綾子作「愛より速く」』の作品紹介がありました。 主人公の女子大生は、お互いを知り愛を育てる時間を惜しんで出会った男性、女性と性体験を持ち、一瞬の快楽に身を任せる。 「快楽は一瞬だった。 それでも、私の肉体は、深いトウスイニ以遠を感じていた」と言うものです。

この作品がきっかけで「一瞬に永遠を見る」というのがその後、長いあいだ、若者にとっての基本的な信条になっているのではないかと思われると解説は続きます。

このような信条が若者の間で支配的であったことは全く知らず、若い世代の面接を繰り返してきました。

この年になってもこのような考え方=とにかく今が永遠なのだ、は新鮮に感じられました。 価値観や経済のの変化、さらには社会構造そのものの変化のスピードが速くなれば、努力を積み重ねてステップアップするより一瞬のひらめきに固執するほうが変化に流されないと感じるかもしれません。

しかし落ち着いて考えてみて、いかに諸相の変化が早くとも変化の方向は概ね傾向があり、その一こまを捉えて永遠を夢見ることより傾向=トレンドに乗るほうが実務的であるように思いました。

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