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「嫌消費」世代の研究

タイトルは松田久一氏の著作で、世代間の生活様式を分析し、マーケッターとして有名になった方です。

要約すればバブル後世代は正規雇用の職業に恵まれず、親の家に同居し低所得の中、せっせと貯蓄する、つまり消費しないことを美徳とする世代傾向を分析しています。

通常の分析であれば所得層や職業、年齢階層ごとの消費性向を分析します。 例えば60インチの液晶テレビは高所得層であればいくらであれば買うとか、低所得層であればいくら以下で無いと買わないとかです。

前提として自動車やAV機器、海外旅行は可処分所得に余裕があれば殆んどの人が高級な商品を欲しがることを前提にしています。

ところがこの前提が崩れる傾向が消費動向の中で見られ、松田氏は世代間の意識調査から今までとことなる価値観が若い世代に出て来たと分析しています。

本文からその感覚を象徴する言葉をピックアップしてみました。
・「クルマ買うなんてバカじゃないの」
・「大型テレビなんていらない。ケータイのワンセグで十分」
・「日本語が通じない海外旅行なんて楽しめない」
私も含め今の中高年は免許が取れれば車を何とか手に入れたい、車はあこがれのものでした。 嫌消費世代は「環境に悪くて、たまにしか乗らないのに、駐車場など維持費が高く、燃費の悪い自動車をもっている人の気が知れない」と20歳代の独身女性は考えている。 したがって、自動車を所有していることは男がもてる条件でないどころか、「見捨てられる要素」にさえなっており、そんなことに使うお金があったらデート大やプレゼントにお金を使って欲しいと思っているそうです。

松田氏もこれらの発言に衝撃を受けられたそうですが、私も「バカじゃない」という評価には衝撃を受けました。趣味として車を所有するのは単に価値観の問題で「バカ」という評価なのか、と思いました。

私も長年「ゴルフするなんでバカじゃない」と思っていました。 以前勤めていた会社でゴルフをしない男性職員は私を除いて皆無に近く、社長が「○○カントリーは美しいコースだ、」と言って盛んにコースの写真を取っていました。 私は当時登山が趣味で、その写真を見て「何処が美しいのか」と疑問に思っています。

振り返れば他人の価値観や趣味をこき下ろすことを自分もしていたのだなと思い出しました。 今は登山はせず、ゴルフはするのでゴルフを馬鹿にしなくなりました。 車も好きでしたが今は所有していないしめったに運転しないので、所有をバカな行為ととは思いませんが、必要ならレンタカーで十分と思っています。

AV機器については元々関心が無く、TVも必要を感じません。 つまり自分は嫌消費世代に近い完成を持っていると読んでいて感じた一冊でした。

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