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権限委譲

当社は権限委譲をすすめています。 権限委譲はやってみてわかったのですが、大変危険を孕んでいます。 現場で何かを決めるとき、いちいち上席や管理職に決裁を仰がなくても良いし、決裁権限に関する詳細な規定も必要ないことになります。

上手くいく前提として、概ね何を目指すのか、明確なビジョンや方向性を顕すことが出来て、権限を委譲される側に良識を兼ね備え、勇気をもって権限行使できる人である場合になります。

上手くいかない場合は、上記の反対でビジョンが明確に表せず、権限委譲を受ける側に良識が欠如し、独断専行が重なる場合である。

もちろん権限委譲しなければ経営トップは情報を必死でかき集める中で、煩雑な判断や意思決定を数限りなく行うことになり、その中に判断ミスが多くなってきます。 いくら良識のある経営トップでも判断根拠となる判断の周辺情報が泣ければミスの確率は多くなります。

権限委譲し、権限を委譲された者が判断ミスを犯した場合、その修正は困難を極めます。 まずミスを犯した者の管理職に判断ミスを指摘せねばなりません。 自分のすぐしたの管理職、つまり直接指示しているものであれば話はまだ早いのですが、私とのあいだに何層かの管理職がある場合、一番私に近い管理職から順に修正が下ってゆきます。

そして修正の仕方はなぜそれがミスと言うのかビジョンとの突合せから説明しなければなりません。 そもそもいかなる判断にも耐えうるビジョンなどなかなか提示できるものではありません。

例えば勤務時間中に体制批判が行われ、周囲の職員を不安に陥れているにもかかわらず、事故正当性の主張のために会社が悪いと吼えまくるような場合です。 会社の幹部の判断が総て正しいとはいえませんが、その幹部に言うのではなく自分の周囲の職員に喚き散らし、職場の雰囲気を悪化させるような場合です。

これはもう何ら生産的ではなく、自己弁護以外何物でもありません。 平気でそのような事を行う職員に上から順次ビジョンや考え方に沿った指摘をしたとして、わがまま以外に確固たる価値観や働く上での誇りなどに縁の無い人ですから考えを改めることは不可能です。
その人が50歳ぐらいであれば、たとえて言えば猫にお手を教えるようなものです。 日本では働く人が強く守られ、その反動でのさばるわがままにパワハラなどの陰湿な反撃が行われていますが、悪いことは悪い、あなたが悪いとはっきり言える環境が出来るまで日本の平均的倫理観を上げるのはほんとに猫にお手を教えるようなものかもしれません。

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