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診療報酬改定

昨日の夕刊に診療報酬改定の記事が出ていました。 結論から言うと微減、当然と言えば当然なのですが、内容は薬価引き下げによる減額分のみ下げるというもので、診療報酬の本体は変更がないそうです。

薬価を切り下げるとどうなるか、医薬品メーカーが医薬品卸に販売する単価が下がります。 薬価というのは処方箋指示薬の公定価格、厚生労働省は薬の単価を公定することで医薬品メーカー、医薬品卸、そして我々処方箋調剤薬局の利益をコントロールしようとするもの、診療報酬も同様に公定されており、医療機関の利益をコントロールしようとするものです。

利益が政治的に決まるものですから医師会等政治団体が力をもち、医師は高い報酬を得ることになります。 調剤薬局は政治力が全くと言ってよいほどない業界団体で、厚生労働省の官僚の意のままにコントロールされます。

薬価改定の負担は川下から調剤薬局、医薬品卸、医薬品メーカーが応分の負担をするわけですが、医薬品卸は最近まで一番割を食っていたのではないかと思います。

薬局は少しでも薬価マージン差を得るために卸に割引を求め、割引の良い卸に鞍替えします。 卸は利益率が低下しますから合併を繰り返します。 ある卸は1.5兆円の売り上げに対して十億円台の最終利益、一般上場企業では考えられない水準です。

次に調剤薬局、55千店と言われる数はコンビニの店数より多いと比較される中で、そろそろ閉局するところが出てくると思います。 医薬品メーカーは日本の企業の中では高い利益率を達成していますが、国際的にみると下位の企業で、海外医薬品メーカーが日本市場でも稼いでいます。

調剤薬局を経営していて医療分野にももう少し市場原理を導入し、国のコントロールを弱めればと思います。 かつての鉄道、タバコなど公社事業や銀行のコントロールは一定の役割をはたして民営化になっていってます。 その時、電力事業のように市場コントロールへの時期を失すると何か問題が起こった時の復元力に問題が出てくるように思います。

厚生労働省の官僚はいつも優秀だと思いますが、国民に対して誠実なのか施策を見ていて疑問を持つ局面があります。 そんなに優秀なら市場原理を組み込めば医療・介護の問題も政治の問題・役人の問題と思われなくて済むでしょう。 どうしたって問題のある分野ですから。

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